科学者エンボス

かがくしゃえんぼす

科学者エンボスとは『未来戦隊タイムレンジャー』に登場する敵怪人であり、身勝手極まりない理由でバイオハザードを起こしてヘルズゲート送りになった。

「貴様等ァ…！自分達だけ助かろうというのか！？許せん…！死ね！死ね死ね死ねェッ！！」

CV：夏井貴浩

概要

Case File 39「雨に濡れた嘘」に登場した怪人で、ドルネロに無断でギエンが解凍した3人目のヘルズゲート囚人。

30世紀の未来において、「レダーウィルス」なる殺人ウィルスに感染してしまった為、自暴自棄になってウィルスをばら撒き周囲に感染させた事でヘルズゲート行きとなっていた。

だが彼自身も元々は違法なウィルスを開発していた科学者であり、開発したウィルスを犯罪者に高値で売り捌く事で多額の利益を得ていたマッドサイエンティストであった。

レダーウィルスも、元はその為に開発した物だったのだが、誤って自身がウイルスに感染してしまい、「自分だけが苦しんで死ぬのが許せない」という自己中心的な理由から半ば錯乱状態で大量の感染者を作り出したため、半永久圧縮冷凍の刑に処された。

自分が作ったウィルスでどれだけの命が苦しみ失われるか、分かっていながら自身の利益の為にそれを犯罪者に売り捌く根性も然る事ながら、ウィルスに感染した事も自業自得だというのにそれさえ認めず逆ギレする等、その性質は身勝手極まりないエゴイストである。

例によって破壊と殺戮を好むギエンによって解凍されると30世紀の頃と同様、水道にウィルスを含んだ己の血を混入させることで、多数の人間をウィルス感染させるバイオテロを起こしウィルスに苦しむ人々を眺めて楽しんでいた。

この事態を受け、それまでギエンに対して寛大だったドルネロも遂に堪忍袋の緒が切れたのだが、それと同時に今の状況を金儲けの好機と捉え、かつてレダーウイルスに感染した自身の血からワクチンを作るように提案し、その見返りとして5億円の大金を要求。

それを飲むしかないタイムレンジャーはシティガーディアンズにサポートを依頼し、彼の血と金を引換にワクチンの精製に成功した。

だが、ギエンに己がどうあがいても死ぬという現実を突きつけられて煽られ、更に「自身がばら撒いたレダーウイルスもワクチンが作られ、20世紀での感染者は皆助かる」という事実を吹き込まれたエンボスは、再度「苦しんで死ぬのは自分だけ」という現実を思い知らされて完全に発狂。

「自身が苦しんでいるのに他の者がワクチンで助かるのは許せない」と称し、レダーウイルスのワクチンを破壊するべく取引の妨害に走った。

ワクチンの原料となるドルネロの血液を運ぼうとするタイムレンジャーを急襲し、破壊しようと暴れ出すが、アヤセにドルネロの血液を運ばせた残りのメンバーたちと交戦する。

そして圧縮冷凍の直前、「この…貴様ら皆殺しにしてやる！！」と叫びながら巨大化抑制シールを剥がして巨大化。剣を武器にシャドウアルファやブイレックスロボと交戦するも、結局はブリザードスラッシュとマックスブリザードを連続で受けてとうとう圧縮冷凍された。

なお、このレダーウィルス事件をきっかけに、それまでアヤセが竜也以外に話していなかった自身のオシリス症候群の事を残る3人と直人も知る事となる。

レダーウイルスは感染すると首に痣が生じて発熱、2～3週間で命を落としまう程に強力な毒性を持つ危険なウィルスであるが、ワクチンを1週間以内に打てば助かるという特性がある。

しかし自身は既に有効期限を過ぎており、自分がもう助からない事を分かっている所から、既にワクチンが通用しない程に症状は進行し、最早末期の感染状態に陥っている事は想像に難くない。

だが劇中ではウイルスの症状に苦しんでいる様には見えず、普通に動き回って戦闘をこなしており、傍から見れば行動に支障が出ているようには見えないが、これは重症過ぎて逆に痛み等感じなくなっていたか、あるいは自棄になるあまり精神と神経に異常を来たして痛覚が麻痺してしまった為とも考えられる。

実際に被害妄想がとても強い状態に陥り、レダーウイルスに感染した状態で圧縮冷凍された理由は不明だが、上述の点から逆に圧縮冷凍をするしか対処できなかったとも考えられる。

その一方で圧縮冷凍状態では周囲への感染被害が出なかったようだが、ウイルス故に超低温では活動も抑制されるのかもしれない。

ちなみにデザインモチーフとなったのはムンクの叫び。

偶然か白い体色と声優が、同時期のライダーの最終ボスと同じである(ただし声優は第1話のみ)。