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自費出版の編集履歴

2020-10-05 12:37:14 バージョン

自費出版

じひしゅっぱん

自費出版は、著作者が業としてではなく自らの資金で出版物を出版することである。

概要

この行為は自主出版ともいい、対義語商業出版である。この形式には2つの種類が存在する。

  1. 業務以外で書籍等を作成し、頒布する行為
  2. 既存の出版社から作者等が経費を負担し書籍等を出版する

なお、「出版社が内部で企画して出版する」場合や「自ら出版のための会社を立ち上げ、書籍等を発行する」場合は「業として出版を行う」に該当しこれに含まれない。

1に関して

いわゆる同人誌などがこれに当たる。この場合、基本的に書店での流通は行われず、通販等による販売となる。なお、印刷販売等を外注することがある。

2に関して

本を出しませんか?」という広告新聞等で見かけるかもしれない。これは一部出版社副業として「書籍を出版し、流通に乗せる代わりに編集や印刷、流通等にかかる経費等を負担してください」という商売である。場合によっては作成のみで流通に乗せない場合も存在する。過去においては各種トラブルも存在したといわれる。

内容等

自伝趣味、例えば俳句、あるいは写真など、また自らの経験主張をまとめたものなどが存在している。

電子出版

近年のテクノロジーの進化により「文字画像デジタルデータに変換し、それに適合した形式で販売する」電子出版という形式が発生し、この形式であるならば個人でも出版が少し近くなったが、販売など、まだ個人やそれに類する集団による出版には大きなハードルが存在している。



備考

徳冨蘆花の『黒潮』や島崎藤村の『破戒』、武者小路実篤らが創刊した同人誌『白樺』など、当初は自費出版であった作品が高い評価を得て名作として読み継がれる例はそれなりに多い。

(というか、近代になって製本・出版が大規模な商業化を迎える以前は市井から発表された諸作品の多くが自費出版であった。)


ただし、確定された商業ベースから発表されない以上は(よっぽどでない限りは)人の目に印象に残らないまま埋もれていく作品も多い。

事実、1924年(大正13年)に宮沢賢治が自費出版した童話集『注文の多い料理店』は当時の文芸界からまったく評価されず、周囲からもこれら賢治の活動が「ボンボンの道楽」のようにしか捉えられていなかったとされる。彼の諸作品が有名になっていったのは1933年(昭和8年)に賢治が没してしばらくたった戦中・戦後以降であった…それも、関係者による熱心な「布教活動」が行われたことに依るものである。


また、よほど作り込んでいるか客観的な視野で推敲を重ねていないと著作の世界観や構成が独りよがりの自己完結に陥ってしまうケースが非常に多い。

山田悠介のデビュー作にして自費出版ものである『リアル鬼ごっこ』はそのショッキングかつ独特な世界観から当時の中高生からカルト的な人気を博したが、一方でその内容が構成やSF考証はおろか文章まで破綻しきっていたことで悪い意味でも文芸史に名を残すことになった。



関連項目

出版 同人

詩集


Web小説/Web漫画


参照

wikipedia:同項目

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