ここでは『ドラえもん』のひみつ道具について解説する。『ハリー・ポッター』シリーズに登場する透明マントについては死の秘宝を参照。
概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。別名「かくれマント」。初登場エピソードはTC1巻収録「ご先祖さまがんばれ」。
外観は白い布で、頭から被ると姿が消えて周りから見えなくなる。その為、誰でも簡単に透明人間として行動出来るようになる。
ただし、この道具はあくまでも姿を見えなくするだけなので、音や気配は消し去ることが出来ない。実際にTC25巻収録「のび太の結婚前夜」では、ドラえもんとのび太が透明マントを使用してしずか達の様子を伺っていたのだが、ドラえもん達がうっかり大声を出してしまい、しずか達が「何か部屋の中が騒がしい」と言いながら周囲を見回す様子が描かれている。
『ドラえもんのひみつ道具使い方事典3』では、マントは「細胞内光線通過糸」から構成された「シースルー繊維」で作られており、それらが光を完全に通過させることによって、マントを被った人物は誰からも姿が見えなくなると解説されている。
派生作品
水田わさび版アニメでは、頭部や上半身に被せるだけで自動的に全身を透明化する様子が描かれている。2005年版「ああ、好き、好き、好き!」では、ドラえもんが頭に透明マントを被せた際、明らかに首から下(胴体や手足)が丸見えにも関わらずマントが全身を透明化している。また、2011年版「そうなる貝セット」でも、ドラえもんとのび太が透明マントを被った際、明らかに下半身や足がマントからはみ出ていたにも関わらずマントが全身を透明化している(原作版では上記の「ご先祖さまがんばれ」及びTC33巻収録「ガッコー仮面登場」にて、のび太が透明マントで全身を覆っている。それ以外のエピソードではマントを身に付ける描写が省略されている為、身体の一部がマントからはみ出していた場合どうなるかは原作版では不明)。
それに加えて、同じマントを被っている人同士はお互いの姿を確認出来る様子も描かれている。水田版アニメオリジナルエピソード「決戦!ネコ型ロボットVSイヌ型ロボット」では、透明マントを被ったドラえもんやパワえもん達が、お互いの姿を見ながらジェスチャーで会話している(原作版では上記の「のび太の結婚前夜」にて、透明マントを被ったドラえもんとのび太がお互いの顔を見ながら会話している。しかしこちらはお互いの姿を確認出来ているのか、それとも声でお互いの位置を把握しているのかは作中で説明されていない)。
更に、水田版アニメオリジナルエピソード「スネ夫ゆうかい事件」では、赤外線アイ(暗闇でも周りが見える装置)を搭載しているドラえもんでさえマントを被っている人物を見破れていない為、水田版アニメにおける透明マントは赤外線センサー等のセキュリティシステムに対しても効果を発揮すると考えることが出来る(原作版では透明マントを被った人物とドラえもんが遭遇する描写は無い)。
上記の「決戦!ネコ型ロボットVSイヌ型ロボット」では、ドラえもんやパワえもん達が透明マントで姿を消し、仲間が捕えられている敵の本拠地へ侵入したのだが、その際「タケコプター」で空から仲間を探そうとしたところ、タケコプターの作動音で監視ロボットや防犯装置に気づかれてしまっている。
しかし姿は把握されていなかった為、上記の通り水田版アニメにおける透明マントは、ドラえもんを含む22世紀の技術で作られたロボットや、侵入者を判別する防犯装置に対しても効果を発揮すると考えることが出来る。
『STAND BY ME ドラえもん』では、上記の音が聞こえるという欠点を改善した透明マントが登場している。こちらは原作版やアニメ版のように頭から被るタイプでは無く、肩から背中に羽織って使用するタイプである。
スイッチで透明化のオン・オフの切り替えが出来るようになっており、例によってマントからはみ出ている部分があったとしても自動的に全身を透明化している。
関連道具
このペンキを塗った物は何でも透明になる。詳しくは項目を参照。
このスプレーを吹き付けられた物は、4時間だけ目に見えなくなる。詳しくは項目を参照。
- とう明人間目ぐすり
この目薬をさすと、全身の細胞を水晶体のようにしてしまい、光の屈折率を1にすることで透明人間になれる。ちなみにドラえもんではなくドラミが取り出したひみつ道具。
こちらは「かたづけラッカー」とは違い、透明化の効き目が途中で切れてしまう描写は無い。しかしあくまでも透明化するのは肉体だけなので、透明人間として行動する為には全裸になる必要がある。
- かくれん棒
この棒を持った人間は周りから見えなくなる。
しかし電池式なので、一定時間が経過すると電池が切れて透明化が解除されてしまう(推定数十分程度)。
それに加えてかくれん棒自体は周りから丸見えなので、自分自身の姿は消えたとしても周囲の人々からは「変な棒が宙に浮いている」と認識されてしまう。
- ドロン巻き物
この巻物から噴き出る煙を浴びると、姿が消えて周りから見えなくなる。
基本的には上記の「かたづけラッカー」と同じタイプの道具だが、効果持続時間が極端に短い(推定数分~数十分程度)。
- ニンニンまきまき
別名「お手軽巻物」。「ニンニン修行セット」の付属品。
この道具を口にくわえて印を結べば、10分間だけ姿を消すことが出来る。それだけで無く、頭で思い浮かべた姿に変身することも可能。こちらの有効時間も10分間。
ちなみに、この道具の名称はどちらも水田版アニメで設定されたもので、原作版での名称は不明。
- ダルマさんころんだ帽
この帽子を被ると「だるまさんがころんだ」と同じ要領で、相手に気付かれずに忍び寄ることが出来る。
相手の背後から接近した際、相手が振り向いた瞬間に動きを止めると、こちらの姿が相手の視界に映らなくなる。しかし、僅かでも動いてしまうと透明化が解除されてしまう。
- モーテン星
このバッジを付けると、自分の姿が他者の盲点に入ってしまい誰からも見えなくなる。効き目は1時間。
映画版『新魔界大冒険』では、改良版として「モーテン星 効き目長持ち安心バージョン」が登場した(漫画版では通常のモーテン星を使用している)。
この帽子を被ると何をしても周りから全く気にされなくなる。姿を消す訳ではなく存在を完全に消し去ってしまう。その為、声や気配はもちろん臭いや触覚等といった、使用者の「存在」を示すもの全てが周りから無視されるのだ。
上記の透明人間系ひみつ道具の完全上位互換であり、尚且つ最強の性能を誇る。詳しくは項目を参照。