概要
本名および旧名義は「尾本 達紀(おもと たつき)」。
ヤオヨロズ所属のアニメーターであり、同人自主制作アニメーションサークル「irodori」の代表。
来歴
出身は京都府だが、幼少期はケニアで過ごしており、アフリカの自然の中で日常的に動物と接して育つ。
帰国後に京都の美術大に進学し、サンライズでCGアニメを担当。これを機にアニメの自主制作に対する関心を深めていき、大学の同期であった伊佐佳久、白水優子と共に自主制作アニメーションサークル「irodori」を立ち上げる。2008年9月20日からニコニコ動画にて「irodori」名義のアカウントで自主制作アニメを投稿。アカウント開設以来月1ペースで作品の投稿を続け、累計投稿数は100を超える(現在は不定期)。
サンライズを離れフリーとなった頃に参加した2012年冬のコミックマーケットにて、上述の投稿作品に興味を持ったアニメプロディーサーの福原慶匡に声をかけられる。さらに放送作家の石ダテコー太郎を加えた3人で2013年8月にアニメ制作会社「ヤオヨロズ」を立ち上げた。
彼らの出会いのきっかけと思しきやりとりが、今もTwitter上で確認できる。
同年秋の石ダテコー太郎を監督にしたてさぐれ!部活ものの制作に参加し、1期から2015年発表の3期を通じてアニメーション監督を務めた。
2017年1月より放送開始されたTVアニメ『けものフレンズ』にて初めて商業作品の監督を務め、総監督およびプロジェクトのコンセプトデザイナーである吉崎観音とともに大ヒットへと導いた。また、同時期に自身のtwitterアカウントにて「#傾福さん」とハッシュタグが添えられたオリジナル短編アニメを公開し話題を呼び、ファンの間では様々な考察が展開されている。
後述する騒動の発端となった降板ツイートから長らく沈黙が続いていたが、同年10月9日にツイートし復帰。件の騒動についてはとくに言及されなかったものの、生存報告に多くのファンが安堵した。
10月23日には「傾福さん」の第2作目を公開。28日には背景美術のスタッフを一般公募するなど、相変わらずな姿を見せてくれた。
人物像
ケニアで過ごした幼少期の経験から動物好きで、加えて写真撮影やCG制作を趣味としている。CGに関しては「週に5日は仕事でCGを制作し、残り2日は趣味でCGを制作する」ほどらしい。CGモデルや監督以外にも脚本、演出といったアニメーションにおける大多数の役職を兼任することも比較的多い。
けものフレンズのアニメ放送終了後も、独自に『けものフレンズ 12.1話』を自主制作して投稿したり自身のtwitterにてCGモデルを用いたイラストを公開するなど、氏の作品への愛着が強く感じられる。
代表作品(商業)
- てさぐれ!部活ものシリーズ(2013~、アニメーション監督として)
- けものフレンズ(2017、監督・シリーズ構成・脚本・演出…他多数)
- ケムリクサ(2019、原作※・監督・シリーズ構成・脚本・美術デザイン)
※同人での活動については「irodori」を参照。
余談
ヘラジカ監督
本項のメイン画像となっているのは件のアニメに登場するキャラクターのヘラジカである。
経緯としてはアニメのオープニング(第7話以降)にて、スタッフロールの「監督 たつき」のテロップが表示されるタイミングに堂々と腕組みをした威厳溢れるヘラジカの姿が重なることから、それが“それっぽい”などの理由でファンの間では「たつき監督=ヘラジカ」として扱われることが多い。Pixivにおいても、本項のタグが使用されるイラストは概ねヘラジカがメインとなっている。
因みに、アニメ放送当時の本人のtwitterアイコンはアニメ版主人公のかばんちゃんであった。
降板騒動
初監督を務めたアニメ『けものフレンズ』は、その反響から放送終了から間もなく第2期の制作が決定。たつき自身も制作に強い意欲をみせ、各社とのコラボ企画による短編アニメーションやドラマCDの発表などを展開し、視聴者からの期待も一層高まりをみせていた。
ところが2017年9月25日、たつき本人のツイートで第2期の製作から外されたことが表明される。この突然の発表は「たつき制作のけもフレ2期」を期待していたファンの間で大きな波紋を呼び、プロジェクトの出資元のひとつであるKADOKAWAをはじめ、コラボ各社まで巻き込む一大騒動に発展してしまった。
詳細はたつきショックを参照。
炎上問題について
信憑性・公平性を保つために以下wikipedia:けものフレンズ (ア二メ)からの一部抜粋。詳細はwikipediaを参照。
- 監督降板騒動
2017年7月26日、同日配信分の『けものフレンズアワー』にて『けものフレンズ』アニメ第2期の制作が発表されたが同年9月25日、監督のたつき氏が「ざっくりカドカワさん方面よりのお達し」という内容のアニメ第2期の製作から外れることになった旨を自身のTwitter上で発言。
12月27日、ヤオヨロズの福原慶匡取締役は、最終的にこの決定が覆らなかったことを報告した。また、公式の発表にあるような情報共有に関する問題は存在せず、降板についても辞退などではなく委員会からの一方的な通達であったという認識を示した。
詳しくはたつきショックを参照。
2019年6月25日、テレビ東京の株主総会にて株主からたつき監督の脚本費と脚本印税が未払いは下請法に違反しているのではないかという質疑に対して、テレビ東京の田村明彦氏は「脚本費と二次使用は契約書に則り支払いをしている」「交代については制作委員会の総意であり、アニメ業界ではままあることと認識している」と回答した。
以下、wikipediaの補足。
株主総会の動画
上の動画の本件に関係する部分を抜粋した動画(14:50~20:30)
上記の動画でも解説されているが、
・質問可能数が6問
・関西生コンを概要から削除及び内容の改変
・延長動議の声を無視
・30分で質疑応答を強制終了
・明らかに不自然な票の集計
など株主総会として不自然なものだった。
(株主総会は何らかの不祥事が無い場合でも基本的に15問程度、挙手する人がいなくなった為に終了ということが当たり前。
不祥事を起こした際のスルガ銀行は怒号の中、3時間22分の質疑応答が行われた)
以下、wikipediaからの一部抜粋。
- 第2期新ユニットオーディション台本の盗作
2018年9月2日、ユニットオーディションで使用される台本について、個人サイト「目指そう!声優」の管理者が同サイトで公開されているものと一致していることを指摘し、この台本は素材フリーとしているが著作権は放棄していないと宣言。その後、台本は内容が不適切だったとして取り下げられた。
- アニメ2期炎上騒動
上記の監督降板騒動もあり、アニメ2期に対しても少なからず批判の声が上がっていた。このうちニコニコ生放送では、2019年3月12日に配信された第9話の放送後アンケートにおいて、5段階評価のうち最高評価に相当する「とても良かった」が3%となり、公式アニメ配信でのワースト2位(当時)を記録した。同じく第12話のアンケートにおいては「とても良かった」が2.6%、最低評価である「良くなかった」が95.3%となり、公式アニメ配信での最低記録となった。
アニメ2期にここまで極端な批判が集まった理由の一つとして、多くの視聴者が2期の内容等が制作陣による1期ファン・制作陣に対する"悪意"で満ちているように感じたという感想がある。1期と対照的な内容ゆえに「1期をとにかく潰したいという悪意を感じる」という声が一部で上がった。4月15日、テレビ東京は同社の『けものフレンズ2』公式サイトにて、同社スタッフがSNSで「視聴者の方々を不快にさせる」不適切な投稿をした事を認め、謝罪するコメントを発表した。日本では発言を行ったスタッフの実名や不適切発言の具体的な内容は示されなかったが、海外のギーク系ニュースサイトでは細谷伸之氏の発言と報じている。
2019年4月25日、テレビ東京定例記者会見でライツビジネス本部長の川崎由紀夫氏は、細谷氏のSNS投稿に対して、同局が謝罪した問題で彼をアニメ以外の他の部署に異動させ、アニメ制作業務から退かせたが、社内処分ではなく定期異動の一環であると発表した。また、同本部長は細谷氏のSNS上での発言が、視聴者の意見を皮肉ったり、煽ったりしたものであり、不適切だったことを認め、宣伝するつもりが対応を誤ったということで反省している、と述べた。同局の小孫茂社長は、視聴者の意見に対しては常に真摯であるべきで、どのような反応を届けられたとしても、正面から受け止めなければならないとしている。
2020年6月24日に細谷氏はテレビ東京を退職している。
- ブルーレイ全巻購入特典の景品表示法違反の指摘
第2期ブルーレイ全巻購入特典の「全話一挙見ディスク」がプレゼントされることになっているが、ブルーレイ購入者が封入されたチラシの中に全話一挙見ディスクに1000円の手数料が必要と記載されていることを公表した。カドカワストアと松竹DVD倶楽部には手数料が必要との但し書きがなく、景品表示法違反が指摘されていた。6月7日に誤記を認め謝罪した。
日清コラボ
日清食品とはカップヌードル用CMアニメ『FREEDOM-PROJECT』に一アニメーターとして参加していた頃からの付き合いで、けものフレンズ(1期アニメ)、ケムリクサと二作品続けてのコラボが行われるなど何かと縁が深い。