曖昧さ回避
いわゆる「不死者」について
un+deadという綴の通り、既に生命が失われているにも関わらずその肉体や精神の一部などが現世に残り、活動し続ける存在を指して使われる場合が多い。
そのような状況になる理由は様々であり、無念の死を遂げたために成仏する事ができず現世に残ってしまったケースもあれば、死霊魔術師(ネクロマンサー)などが用いる死体や魂に作用する呪術などで人為的に生み出されるというケース、邪悪な力がその地に蔓延ったせいで死者の肉体や魂を捉え変じさせるというケースもある。
代表的なアンデッドとしてはゾンビ、スケルトン、ミイラ、ヴァンパイア(吸血鬼)など。
怪談やファンタジー作品など、広く様々な分野に登場する。
アンデッドは日光や火、聖なる力・聖なる植物などに弱いとされる事が多い。
また、死霊魔術師が操っているアンデッドたちは術者が倒れれば術が消滅し、ただの死体に戻ったり消滅する事もある。
こうした魔物の存在が生み出されるきっかけのひとつとして「早すぎた埋葬」と言うエピソードがある。
医療技術が現代ほど発達していなかった時代、土葬の地域では仮死状態に陥った病人を本当に死んだものと思って埋葬してしまい、後に墓の中で息を吹き返した病人の姿を見て「死者が息を吹き返した」と過剰に恐れた、と言う内容である。
現代でも同様のことがあり、後に何らかの理由で墓を暴いた際に、棺桶の内側を爪で引っかいたあとがあり、もがき苦しんだ遺体となっていた事で実は生存していたことが明らかとなったという事がある。
対策として携帯電話を棺に共に入れたり、生存を伝えるアラーム装置を備えた墓場もある。
上級アンデッド
近現代のフィクションにおいては、「上級のアンデッド」という存在も多く登場するようになった。
これらの上級アンデッドは上で述べたように、ただ使役されている存在や死に損なった存在とは別格とされる場合が多く、自我や知識などを保っていたり、自ら望んでアンデッドとなったというケースが多い。
モデル(元ネタ)は各国の伝説や神話であったり、特定の作品からの引用パターンが多数。
例えば代表的に上級アンデッドであるとされる事が多いのは魔術師や賢者、王などが魔術や呪いにより不死の存在になった結果、古から存在し続けているリッチやワイト、ブラム・ストーカーの作品を筆頭に耽美・貴族的なイメージで描かれる事が多いヴァンパイアなど。
リッチやヴァンパイアの中でも更に強力な個体をデミ(デイモス)リッチ・マスターリッチやヴァンパイアロード・マスターヴァンパイアなどと呼ぶ事もある。
また、自らの使命を未来永劫に渡って遂行し続ける(墳墓や遺跡などを守り続ける等)為に不死の存在へと変じた戦士・騎士、神話的な出自を持つ悪霊・精霊なども上級アンデッドにカテゴライズされる場合が多い。
死神や冥府からの使者などもシステム上、上級アンデッド扱いである事もある。
日本では最近になって不死者の王ということで「ノーライフキング」という種族名が使われるようになったが、これは上記の「リッチ」との商標権等の衝突を避ける為に導入されたもので、元ネタはいとうせいこうの小説『ノーライフキング』からである。
これらの上級アンデッドは下級のアンデッドとは異なり、弱点こそあれど人間よりも遥かに高い能力を持つとされる事が多い。
特に上記のデミリッチ・マスターリッチ等はその強大極まる魔力により、半神的な力を持つと言われる場合もある。