「来たか、キュウレンジャー。我こそはドン・アルマゲ様より地獄の門を任されし門番、ミナミジュウジ座系カロー・サザンキングである」
「強い者が全てを支配する。弱き民は奪われ、虐げられ、従うだけだ」
データ
役職/カロー(ミナミジュウジ座系担当)
出身/惑星ミナーミ(ミナミジュウジ座系)
身長/230cm
体重/207kg
装備/サザンクラッシャー
分類/幻覚宇宙人
概要
宇宙幕府ジャークマターの幹部の1人で、ミナミジュウジ座星系を掌握するカロー。自身の支配星系に属する惑星・ミナーミ出身。巨大な十字となっている頭部に、金色とロイヤルブルーで塗り分けられた豪奢な外見が特徴。
現在はジャークマターの本拠地がある支配星系内の惑星・サザンクロスを防衛する施設『ヘルズゲート』を守護する任務を与えられている、宇宙の門番(※後述する過去の経歴からして、皮肉としか言えない肩書である)。
また、本編において最後に登場したカローとなった。
ミナーミ星人特有の頭部『マボロジュウジ』から放つ光線を浴びせた者へ、味方との同士討ちをする幻覚を見せる事が可能。大半の敵対者はこの幻覚から抜けられずその場で悶え苦しむ事になるが、逆に強い信念を持ってそれを耐え、幻影空間を破壊すれば逃れられる。
重要拠点の門番を任されるだけあって戦闘力も高く、両腕より伸びる剣『サザンクラッシャー』は空間すら切り裂く事が可能で、その際の断裂に飛び込む事で行える瞬間移動も駆使して戦闘する。
これまでのカローと比べても格段に支配者然とした外見だが、これはかつて自身がミナミジュウジ星座系を統治する王であった為。しかし、星系を侵略して来たジャークマターの強さには敵わないと判断し、守るべき民を見捨てて自分一人軍門に下ったと言う経歴を持つ。
しかも当人はそれを恥じる所か上記の台詞から完全に開き直っており、あまつさえ困難を乗り越えて自らの元へ辿り着いたキュウレンジャーにジャークマターへの寝返りを持ち掛ける等、最早王としての信念は無く心身共々ジャークマターの一員と成り下がってしまっている。
キョダインロウは右腰に下げている。
ある目撃証言によると、サザンキングの好きな方角はやはり南だったと言う。
防衛施設『ヘルズゲート』
ジャークマターの本拠地がある惑星サザンクロスを防衛するバリア、その発生装置が置かれた施設。発生装置自体を守るガードを解くにはその周辺四方に立ち、ケフェウスキュータマ・カシオペアキュータマ・ペルセウスキュータマ・アンドロメダキュータマの力を同時開放して浴びせる必要がある。
ミナミジュウジ座全体を覆っていたバリアは装置ガードの大型版で、キュウレンジャーは四方にある中継地点の衛星へスペースロボ達を送り込んで4つのキュータマを同時使用。バリアを破壊しミナミジュウジ座へ突入した。
活躍
ミナミジュウジ座を覆っていたバリアを破って侵入、その流れでヘルズゲートも破壊しようと乗り込んで来たキュウレンジャー5人(ラッキー・スティンガー・ナーガ・ハミィ・ツルギ)に反応して出現。
バリア発生装置の目前で、「ここまで来るだけはある。どうだ?我と同じくジャークマターに寝返り、ドン・アルマゲ様に忠誠を誓わぬか?」と自身の経歴を滔々と語りながらドン・アルマゲの傘下に加わる事を勧誘するも当然に5人に断固拒否される。
すると「寝返る意思がないのなら、本当の地獄を味わえ‼︎」と叫んだサザンキングはマボロジュウジより光線を浴びせ、5人を同士討ちの幻覚内へ引き摺り込む。
幻覚にツルギ等4人は悶え苦しむ物の、ラッキーだけはその場で立ち尽くす。彼の前に現れた幻覚は仲間達を次々手に掛ける父・アスラン王だったが、幻覚の父が語る言葉上記のサザンキングが語った事とほぼ同じだった為違和感を覚えていた。
そしてそのスタンスを崩さず、自分の心を乱そうとする言動を繰り返す幻覚への違和感が大きくなった事に憤ったラッキーはキューソードを振り回してサザンキングを痛手を与えて空間を破壊。幻覚を打ち破った。
そして幻覚から解放された他のキュウレンジャーが発生装置へ向かう一方、「俺は父さんを信じてる!お前みたいな、民を簡単に見捨てて、自分だけが生き残る… 父さんはそんな卑怯な王じゃない!!」と叫んだラッキーのチェンジしたシシレッドオリオンと交戦。マントを伸ばしての拘束を瞬間移動でかわすが、同じく瞬間移動を使える相手に追い付かれてしまう。
ならばと、再び幻覚を見せて苦しめるべくマボロジュウジから光線を放つが、その瞬間シシレッドオリオンは空間操作を使い自分とサザンキングの位置を入れ替えられた事で自ら放った光線を浴びた結果、軍門に下り忠誠を誓った筈のドン・アルマゲに攻撃される幻覚に囚われてしまう。
そして幻覚に苦しみながら、他のキュウレンジャーの手でガードを解かれた発生装置の前に立った所でインフィニッシュブラストを喰らい、「もう一度キュウレンジャーを倒す機会を…!」と叫びつつ敗北、自身の幻覚から解放される事も無くヘルズゲートの発生装置を巻き込んで爆散。
かつての統治者でありながら、身勝手な理由で民を見捨てた卑怯者に相応しい最期を迎えた。
なお止めの一撃でキョダインロウも壊された為、ヒカエオローも出来ずに戦死した。
余談
一目瞭然だが、スーツは黒十字王のマントを外してリペイントした物。改造元の設定的に前話の舞台であるカシオペア座に出て来ても良さそうだが、“統治者の責任を投げ捨てて強大な存在に擦り寄った”経歴を考えると中々に皮肉が効いた外見でもある。
なお、名前から言っても「サザン(クロス)キング」=南十字王となる。
またその経緯上、ミステリーモチーフは特に設定されていない模様。
分類の「幻覚宇宙人」は夕日が日本一似合う某宇宙人と一緒だったりする。
保身の為ジャークマターに寝返った経歴を滔々と語り、キュウレンジャーも自らと同じ道に引き込もうとしたサザンキングだったが、彼の現在の境遇は侵入者以外の人物が来ないだろう僻地に籠っているだけのあまりに孤独な環境で、かつての裏切り行為で人々より凄まじい憎しみと恨みを買い過ぎ表舞台に立てなくなった経歴が推測出来る。加えて、彼の居るミナミジュウジ座は最終的に宇宙破壊の起点として真っ先に消滅する予定であったので、結局アルマゲからも捨て駒としてしか見られていなかった。
ここからキュウレンジャーを誘惑したのは、自己保身に走った結果現在の惨めな境遇に陥ってしまっているのを自身でも内心解っていて、それを慰め合う為に同じ境遇の人物を欲したからなのかもしれない。最も、サザンキングと違って立ちはだかる困難と対峙して乗り越える事をずっと続けて来たキュウレンジャーがサザンキングと傷の舐め合いをするつもりも無く、あえなく誘惑を退けられそのまま倒される末路になった。
関連項目
イカーゲン:ミナミジュウジ座系出身の刺客で、かつてサザンキングが見捨てた民の一人。また、ラッキーにとっては自分を精神的に追い詰めた唯一の存在でもある。彼はカローに傅く立場である自身の地位へ内心不満があり、カローの指揮下に入る事を拒んでいた様な所があったが、その原因は自分達の王が取った卑怯過ぎる態度を目の当たりにした事からだと考えられる。イカーゲンからして見れば、かつて自身が倒し掛けたラッキーによって出身星系の卑怯な元王が倒されると言う結末はこの上無い皮肉だろう。