概要
キャンサー杯とは、2021年7月に開催されたウマ娘チャンピオンズミーティングである。
レース概要
リーグ選択 | 7/20(火)12:00~7/27(火)11:59 |
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ラウンド1 | 7/23(金)12:00~7/25(日)11:59 |
ラウンド2 | 7/25(日)12:00~7/27(火)11:59 |
決勝登録 | 7/27(火)12:00~7/27(火)23:59 |
マッチング | 7/28(水)0:00~7/28(水)11:59 |
決勝ラウンド | 7/28(水)12:00~7/29(木)11:59 |
チャンピオンズミーティング キャンサー杯
場所 | 距離 | バ場 |
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東京 | 1600m(マイル) | 芝・稍重 |
コース | 天候 | 季節 |
左 | 晴れ | 夏 |
余談
目まぐるしいメタゲーム
今回のチャンピオンズミーティング開催前の動きとして特筆されるのは、ルームマッチ機能の追加によってイベント開催前から試走が盛んに行われたこと、そして試走が繰り返されることによりメタゲームが目まぐるしく入れ替わったことが挙げられる。
キャンサー杯開催前夜・予想外の太公望
ジェミニ杯終了後、次のチャンピオンズミーティングは安田記念の東京芝1600mだろうと推測されていたことから、東京芝1600mを舞台に(本来は適正のないウマ娘を魔改造したものも含めて)様々なキャラが試験的に投入されシミュレーションされていた。しかし、ある程度ルームマッチの回数がこなされていくと、逃げたセイウンスカイがそのまま逃げ切ってしまうという勝ち筋が非常に強力であることが発覚。
このような事態が起こったのは、固有スキルの効果である「終盤のコーナーで先頭にいると加速力を上げる」という効果にある。東京芝1600mは最終直線が長い影響で、終盤開始地点(=十分なスタミナがあればスパートを開始する地点)が第4コーナー終盤付近となるのだが、これはつまりセイウンスカイの固有スキルは終盤開始と同時に発動することを意味している。結果、他のウマ娘より圧倒的に早く最高速に到達、セーフティリードを作って逃げ切ることが可能となる。
一見すると、逃げ~先行脚質で同じような固有スキル(第4コーナー~レース終盤で追い抜きをトリガーとせず速度or加速力が上がる)を持っていれば同様のことが可能……と思われるのだが、
- 第4コーナー発動の加速アップスキル持ちは発動タイミングが早すぎてスパート開始前(=速度そのものがアップしない)となって無意味(マルゼンスキー、タイキシャトル)
- 第4コーナー発動の速度アップスキル持ちはセイウンスカイが固有発動前に追いつける可能性があるが、そもそも持ち主のマイル向け育成がセイウンスカイ以上に厳しい(メジロマックイーン、ビワハヤヒデ)
- 最終直線で発動する加速アップスキルはそもそも存在しない
- 最終直線で発動する速度アップスキルはスパート開始直後に発動するため、(速度アップスキルは最終的な速度目標を上げるだけというゲームの仕様上)肝心の加速に寄与しない
といった具合に、狙ったかのように東京1600mで逃げ切りを図るセイウンスカイを捕まえられる固有スキル持ちが存在しないのである。
メタゲームの始まり・太公望vs芝の『砂のサイレンススズカ』vs蓋
強力な戦法が発見されれば、当然それを対策する動きも活発になる。真っ先に考案されたのはセイウンスカイの前を取って固有を発動させないという至極当然の作戦で、特に道中で発動する固有スキルで1位をキープできれば理想的とされたのだが、そこで筆頭として上がったのはスマートファルコン。こちらも初期適性はダートEと一見すればセイウンスカイ以上に東京芝1600mには不向きなのだが、
- 育成の都合から芝因子を大量に継承した両刀仕様とするケースも既に多かった
- 元がマイル~中距離向けのウマ娘なので、セイウンスカイよりもマイル向け育成がはるかに容易。
- 「中盤の直線で1位から抜かれそうになると速度アップ」という彼女のスキルは、直線の長い東京芝1600では安定して発動するため、セイウンスカイの前を確実に塞げる
といった要素から、瞬く間に対セイウンスカイへの対策筆頭として台頭。中にはセイウンスカイの固有を継承してそのまま逃げ切り勝ちを狙うという者さえ現れた。
こうなるとセイウンスカイ以外の逃げウマに対しても継承固有を発動させないのが大前提という形になるわけだが、道中発動する固有スキルで1位を持っていればファル子以外でも似たようなことは可能なので、ダイワスカーレットやサクラバクシンオーを道中速度に関わるパワーと賢さに極振りさせて出走させて最低限対策する、といった戦法もメジャーに。こういった「セイウンスカイの固有を発動させないための逃げウマ娘」は最終的に「蓋」という名称で呼ばれることとなった。……身も蓋もない、フフッ。
地固めは大事、古事記にもそう書いてある
当然のことながらスカイ側もこれらの対策をする形となり、固有の数少ない弱点、すなわち「序盤は固有が発動しないので、この段階でファル子の前を塞いでしまえば良い」ということで対策が練られた結果、ある1つのスキルで対策可能なことが発覚する。
そのスキルは「序盤にスキル3つ発動すると加速力が上がる」という効果の「地固め」。序盤に3つのスキルというのは一見条件を満たすのが難しい上にタイミングも安定しないように見えるが、開幕と同時に発動する緑スキルもカウントされるので、レース場・天気・馬場が固定となるチャンピオンズミーティングでは開幕地固め発動させて一気に前に出ることが可能。スカイ側は自力で「逃げのコツ○」を習得することもあって、あと2つ緑スキルをあわせることで開幕飛び出してファル子他の逃げに先んじるというプランが考案される。
……当然のことながら他の逃げウマも「地固め」を習得すれば同じことをできるわけで、ここにおいてもファル子は「自前で『逃げのコツ○』『道悪○』の2つの緑スキルを覚える」「地固めのヒントをくれるSSRオグリキャップを採用しやすい」とここでもスカイ以上の適応力を見せることとなった。
なお、「地固め」を取ればいいだけなので簡単…に見えるのだが、
豪脚ガチャ
- 終盤発動する金スキル(特にマイル専用の金加速スキルである「豪脚」)を積んだ差し~追込脚質で強引に差し切る。覚醒スキルで豪脚を習得するウオッカのほか、豪脚+他の覚醒スキルとの併用でさらに爆発力を発揮するグラスワンダー(覚醒スキル「乗り換え上手」)やナリタタイシン(覚醒スキル「迫る影」)あたりが候補だが、固有スキルでない以上発動タイミングは運に左右される。
98世代の世界最強
固有スキルが「最終直線で2位以上で」「速度と加速が上がる」という効果のエルコンドルパサーで逃げ切りに入るセイウンスカイの直後に喰らいつく。賢さを高めて道中前に出るようにする+道中コーナー発動の速度アップスキルを大量に積んでおけば、最終コーナーで逃げウマに並びかけてこのパターンに持ち込める。
といった対策が有力視されている。とはいえ、セイウンスカイ不在となった場合どうなるかが未知数ということもあり、一種のメタゲームの様相を呈している。
ここまでの記述を見てカンの良い方は気づくだろう、セイウンスカイの固有が強いだけなら
(効果は弱体化するとはいえ)他の逃げウマに継承しても普通に強いのでは?と。
……実際その通りで、セイウンスカイを潰す逃げウマに固有を継承してセイウンスカイ本人を機能停止させつつ逃げ切るという戦法も十分に強力。そのため、セイウンスカイの固有を絡めた戦法を取らない場合も、相手の逃げウマを潰すための逃げウマを用意するのが推奨されるほど。
もっとも逃げウマ側も前を塞がれた際の対策(兼逃げ切りを盤石にするための補助)としてエルコンドルパサーの固有を継承して逃げ差しをしてきたりするのだが……。