概要
『仮面ライダーエグゼイド』の主人公である宝生永夢が時々…いや、定期的に見せる虚無の表情の事。
過去の経験から患者の事を第一に考える好青年で、時々毒舌も吐くが基本的にはほとんどの相手に敬語で接する礼儀正しい性格…というのが彼の表向きの姿だが、その代わりに彼は悪意に対してはかなり容赦がない。それこそ水晶の様に善意には善意を、悪意には悪意を跳ね返すのである。
そんな彼が嫌な事に直面するとかなり嫌そうなチベットスナギツネの様な険しい目つきをするのである。
その通称:「チベスナ顔」に対して、作中アイテムであるライダーガシャットと合わせて作られた言葉がこの「ガシャットスナギツネ」である。
彼がこの表情を見せるときは大体、本当にいやがっている時か、悪役を演じている時なので、この状態の永夢は非常にラスボスムーヴ。特にパラド相手に第39話で見せた「次なんてない」にまで至る数々の無慈悲な行動はチベスナネタとは別に「ハイパー無慈悲」なんて言われたりもする。
そんな彼の「虚無の表情」が生まれた理由は……。
考察(ネタバレあり)
小説で明かされた設定や描写が余りにショッキングな為目を背けたくなるが、端的に言えば生物がだれしも持つ『死に向かう感情(デストルドー)』を生きている身で引き出した状態があの虚無の表情である。
本来この感情は老化や病気・怪我等で生命力が著しく低下、もしくは生きようとする意欲を失う程の心のダメージを負った時等の極限状態でしか引き出されないのだが、永夢はそれを低い段階の精神状態で引き出せる様になった特異な存在と言える。
他作品で言うと、第3次スーパーロボット大戦Zに登場する勢力『鬼宿』が同じ存在に当たる。彼等は死の感情=虚無を操っての異能で生者の魂をあの世へ送る“生き死神”とも言うべき者達で、異能を使うべく生きながらにして虚無を引き出す術を特異体質として一族間で受け継いでいる。
そして、この特異体質の大本である『鬼宿』の太祖が永夢と似た経験を持った人物であり、自らの特異体質を他者でも行使出来る異能へと昇華、それを子孫達に伝え残した人物であるとも考える事が出来る。
『仮面ライダー』で、『SDガンダム』風の目と『ウルトラマン』のカラータイマーへ似た設定のライダーゲージを持つエグゼイドは、ゲーム『コンパチヒーローシリーズ』その物をオマージュしたと言われる事がある。そのコンパチヒーローシリーズから派生したのがスーパーロボット大戦シリーズなのだが、そこにエグゼイド主人公の精神面を説明出来る設定があったと言うのは大変奇縁かつ興味深い。
関連タグ
宝生虚無 空洞虚無 - 小説『マイティノベルX』発売後に特に言われるようになった永夢のあだ名。水晶のように透き通っているということ。
ファントム(仮面ライダーウィザード) _ “強い心のダメージにより虚無の感情に飲まれる=絶望”をトリガーに魔力のある人間から誕生するライダー怪人。しかし前述の様に生きている人間が絶望=虚無の感情に支配される事はそうそう無い為、彼等が仲間を増やすのには手間がかかり失敗する事の方が多い。
エグゼイドの怪人であるバグスター達はより低い段階のマイナス感情=ストレスで活性化する生態を持つが、永夢の中で生まれた世界初のバグスターが上述の経験を永夢を通して得た結果、より実体化し易くする為に成長方法を進化させた可能性が有り得る。
尸空 _ 前述した『鬼宿』の長。虚無を“理想の優しい人格”で抱え込んでいる永夢に対し、こちらは生者としての感情を「虚無であろうとする」意志の力で抑圧して異能を行使している。
まさかの公式…化?
その数年後である仮面ライダーリバイスのアイテムであるバイスタンプのエグゼイドが偶然にも狐と同じイヌ科のジャッカルであった。
狐とジャッカルは少し遠い関係ではあるのだが、スタンプの意匠はかなり近いものがあったため、一部で話題となった。