概要
1971年におけるルパン三世PART1(ルパン三世1st)より始まったシリーズ。
後述するが、アニメ版において作風やイメージが固まった、あるいは知名度をあげたのが第2シリーズとなるPART2からという珍しいアニメでもある。
シリーズ一覧
「ルパン三世(パイロットフィルム版)」
TVアニメ放映の前に作成された試験的な作品。次元大介を除く全てのキャストが後のPART1と異なる。
かなり原作の雰囲気を意識した内容であり、絵柄こそかなりマイルドにされているがこれ以降のルパンのアニメとはかなりイメージが異なる。
後に本作で製作された映像はPART1のOPで一部改良されて採用されたり、またはそのまま声だけ再録・再編集してOPとしてそのまま利用された。
「ルパン三世PART1」
記念すべきテレビシリーズ第1弾。全23話。
このシリーズのルパンのジャケットは緑。
「ルパン三世」という作品及びキャラクターを世に広く知らしめる切っ掛けとなった作品であり、当初は事実上の処女作という事もあって評価は振るわなかったが、その後5年間続けられた再放送によって人気が高まり、長きにわたるシリーズものとしての地位を確立した。
詳しくはリンク先を参照とするが、前半と後半では作風が大きく違うのが特徴的。
前半は大人向けを意識した原作漫画寄りのピカレスクロマン、後半はテコ入れとしてコメディ色の強いスラップスティック怪盗劇が展開され、より視聴率が高かった後者の路線を現在まで継続していく事になった。
どちらのクオリティも決して低くはなく、当時から現在に至るまで前者の作風を支持し、後者の支持者と対立するファンや制作陣も少なくなかった。
近年では時代の変化で視聴者の嗜好も多様化してきたのに伴い、ルパン三世シリーズも始めの作風に寄せた作品等が製作されるようになっている。
「ルパン三世PART2」
全155話、1977年~1980年までの3年間とアニメシリーズで最も長く、日本テレビがメインを務めた最初のシリーズである。
このシリーズのルパンのジャケットは赤で、TVスペシャルでもこの色が多かった結果、お馴染みの衣装として定着するようになる。
ファミリー向けの作品として当初から製作されており、かなり万人向けな内容である。
メインテーマとなる楽曲「ルパン三世のテーマ」もこの作品で生まれたものであり、現在に至るまでのルパンの一般的な作品イメージが確立された。銭形がICPO所属になったのもこのシリーズから。
本作で脚本家デビューした浦沢義雄によるドタバタコメディから、ハードボイルド調のドラマまで、長期シリーズだけあって非常にバラエティに富んだエピソードが存在する。いくつかパターンがあるとはいえ基本的に毎話工夫をこらしたアプローチの話が多いことが特徴。
故に「スーパーマン」や「ベルサイユのばら」といった既存作のパロディも少なくない。
黎明の一話完結型長期アニメという事で、エピソードごとの設定の不一致・不徹底も目立っており、それを嫌うファンも居るものの、こうした施策が功を奏して三年間という長期に及ぶ放送を乗り越えることができた面は否定できず、功罪どちらもあると言えよう。
あまり知られていないが、代表的な劇場版にして今も続く長編の原点でもある「ルパンVS複製人間」と「カリオストロの城」が公開されたのは、ちょうどこの第2シリーズの放送が継続していた頃の事である。つまりそれら二作はPART2の劇場版ということである。
「ルパン三世PARTIII」
ややアダルト風となった第3弾で、他のシリーズとは作画タッチが大きく異なるのが特徴。
全50話が1984年~1985年にかけて放送され、製作はPART1の読売テレビへと回帰した。
このシリーズのルパンのジャケットはピンク。元から「赤以外」という厳命があり、当初は白の予定だったが、第2シリーズのイメージからも離れすぎないようこの色となった。
また前述の第二シリーズと放送局が異なるため、著作権の関係で「ルパン三世のテーマ」を含んだ全ての楽曲がされていない。
当初は全26話の予定だったが、シリーズの人気も合わせた高視聴率を受けて2クール追加で延長され、全50話で終了する。
本来であればもっと放送期間を伸ばせる試算があったが、当時人気のあった野球と放送枠が同じに設定されたために放送休止が相次ぎ、後半から視聴率が徐々に低下していった不遇の作品でもある。
結果知る人ぞ知る雰囲気が強いが、近年ではDVDコレクションに収録されたり、再放送や配信サイトによる全話視聴可の効果も加わり、以前より再評価されるようになっている。
「LUPIN the Third -峰不二子という女-」
テレビアニメ40周年記念、27年ぶりの第4弾。2012年放送。
峰不二子を主人公としたスピンオフ作品であり、ルパンが登場しない回がある初めての作品。
また、声優入れ替え後初のTVシリーズでもあり、長年二代目ルパン役を担当してきた栗田貫一にとっても初の連続TVシリーズとなっている。
深夜に放送された原作以上のアダルト向けの作品で、不二子を中心とした女キャラの乳首が頻繁に露出されるなどの性的表現もある。全13話。
「ルパン三世PART4」
2014年10月、フランス・カンヌで開催されたエンタテインメントコンテンツの見本市「MIPCOM」において製作が発表された。
番外を除くルパンのTVシリーズとしては30年振りとなる第4弾で、21世紀では始めて正式タイトルが単なる「ルパン三世」となった作品でもある。
日本以外の国で最もルパンが評価されていたイタリアを舞台としており、作風やストーリーもイタリアの特色を意識したもの。
このシリーズのルパンのジャケットは青で、これもイタリア現地での調査により起用されている。
アニメーション制作は「テレコム・アニメーションフィルム」に移管される事になった。
イタリアでは2015年8月から先行放映され、順次他国でも配給済み。日本では発表から1年を経た15年10月1日から16年3月17日にかけて放送。全26話(日本未放映2話を含む)。
「ルパン三世PART5」
2018年1月16日に突如発表され、同年の4月4日から9月19日にかけて放送。TVシリーズトータルでは第6弾、ルパンが主人公のTVシリーズとしては2年振りの第5弾に該当する。
キャラクターデザインは2015年版と同一の人物が行っているものの、ストーリー等も大きく異なり、過去作を踏襲したシリーズになっている。
世界観もかなり現代的になっており、SNSテクノロジーが発展した世の中で、アイデンティティを脅かされたルパンの生き様を問う様が描かれる。
そのため、このシリーズでのルパンのジャケットは基本的に青(前作とは少し違う)だが、1話完結回では物話によってジャケットの色が変わっており、これまでの作品を意識しそれぞれのルパン像を象徴しているともいえる。
前作と同様「テレコム・アニメーションフィルム」がアニメーション制作を担当し、シリーズ構成の大河内一楼をはじめ、雑破業、野島一成、大倉崇裕、綾奈ゆにこ、時雨沢恵一、西田シャトナーの合計7名が、脚本担当として参加。
なお、年内で放送終了したTVシリーズは、「峰不二子という女」とこの「PART5」だけとなる。
「ルパン三世PART6」
ルパン三世のアニメ化50周年を記念した、2021年10月9日から放送される令和最初のTVシリーズ。
今回はルパンという存在の善悪を問うダーク&シリアスな作風が展開されるらしく、その内前半はミステリーを主題とした、前期同様の2クール構成。
その為か、このシリーズでのルパンのジャケットは緑であり、PART1への回帰を彷彿させる。
幻の2007年版
2007年秋に結界師の次番組として、読売テレビ担当のシリーズが企画されたが、声優等のトラブルで実現しなかった。
もし実現していたら此方がPART-4になった反面、PART2のテーマ曲は、日本テレビ製作で音源の管理会社が異なっていた為使用出来ず、新たなテーマ曲か、主題歌になっていたであろう。その穴埋めで金田一少年のアニメ続編が放送されたという経緯もある。
余談
ルパンシリーズは放送期間の違いこそあれど、地上波放送且つ一話完結で、ルパンファミリー5人以外のオリジナルキャラが準レギュラー的に再登場する事はまず無かった(警視総監やミスターXなど数回登場した例はある)。
しかし平成のPART4以降は、深夜放送且つ2クール放送で再統一され、内容も一本の連続ストーリーを主軸に展開し、オリジナルキャラがそのシリーズに限り準レギュラー的に登場する事になった。
該当するレベッカの他、アミ、アルベール、八咫烏の3名は「以降のシリーズにも続投させうる器として創作した」と、当時存命だったモンキー・パンチ氏が語っており、事実設定や出番が以降の作品に引き継がれる"初の例外"に相成った。
なおヒロインポジションは不二子との区別化の為か、彼女より容姿や性格が小娘的に、服装や露出も控え目に描かれ、当の不二子に対抗意識を持つと言う共通点を持っている。
関連項目
外部リンク
アニメ公式Twitter(※現在は、PART6仕様)