経歴
初登場は、漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム外伝(スカルハート)』中の1エピソード「最終兵士」。時系列的には木星帝国の地球侵攻作戦失敗の後から、神の雷計画以前の、宇宙世紀0133年~0136年のどこかの話である。
トビア・アロナクス達の経営する運送業・廃棄物回収処理業者「ブラックロー運送」に客として現れた初老の男。地球~木星間を往復し木星のヘリウムガスと地球の物資を運搬する木星船団公社のリーダーであり、自らを「木星じいさん」と称する。
登場時点ですでに、ブラックロー運送の正体がコロニー間の面倒ごとを請け負う宇宙海賊であることを見抜いており、アムロ・レイの戦闘データをインプットしたバイオ脳をオートパイロットとして搭載した木星帝国軍の新型試作モビルスーツ(後に名称は「アマクサ」と判明)の破壊工作を依頼した。
自らもレストアMS「ガンプ」を駆るパイロットであり、老境にありながらボロボロの旧式MSで木星帝国残党軍の一般兵MS程度なら蹴散らす腕前を保持している。
その後の木星帝国軍による神の雷計画(『鋼鉄の7人』)時には、ヘリウム船団の目を盗んで再軍備を進めていた木星帝国に出し抜かれたことを憤る1コマのみ登場。『機動戦士Vガンダム外伝』にも登場し、スペースコロニーを改造して冬眠船を建造し、太陽系外へ旅立つ企画を立ち上げている。
経歴には謎が多い。そもそも「グレイ・ストーク」という名は小説『ターザン』の主人公の本名(グレイ・ストーク卿ジョン・クレイトン2世)であるため、偽名ではないかとウッソ・エヴィンから推測されている。
小型MS全盛の時代にあってわざわざ旧世代の大型MSと思われるガンプを修理に修理を重ねて使い続けている理由も不明である(ストーク本人はガンプを「60年付き合った兄弟」と評している)。老いてなお達者な操縦技術から、相当の戦歴をくぐり抜けてきたパイロットとは思われるものの、軍歴なども明かされていない。
またアムロ・レイについて「俺にとってもあの人は憧れだった」と評する(ただし、本物のアムロに会ったことはない、とも)。年齢についても不明だが、ウモン・サモン(一年戦争に16歳の新兵として従軍した経験すらある老パイロットである)から「若造」と怒鳴られており、彼よりは年下のようである。
推測
まず、以下の事項はファン間で漫画中の描写や状況証拠をつなぎ合わせて囁かれているものであり、作者の長谷川裕一氏をはじめ公式言及はないことを留意されたい。
その上で、「ストークの正体は老年期のジュドー・アーシタではないか」とする説がある。以下はその傍証の数々。
- 『機動戦士ガンダムZZ』のラストにおいて、ジュドーは木星圏を目指して旅立っていく。その後のジュドーについてはいくつかの漫画作品で言及されているが、おおむね木星船団公社の一員としてヘリウム交易に従事しているという点は共通しており、ストークの職業と一致する。
- 愛機「ガンプ」は各所がレストアによりつぎはぎだらけではあるものの、ベース機はZZガンダム(またはそのパーツをかき集めて再現した機体)と思われる。同機の主兵装ダブル・ビーム・ライフルも所持している。頭部はふだん外装により隠されているが、その下には額にハイメガキャノン(経年劣化により著しく出力が低下している)を装備したガンダムタイプの頭部がある。
- ストークに初めて声がついたのはPS2用ゲームソフト『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』であるが、ジュドーと同じ矢尾一樹氏が担当している。
- カードゲーム「ガンダムウォー」のストークのカードには「このカードは、「ジュドー・アーシタ」が場にいる場合、場に出せない」という但し書きがある。