概要
幼い頃からマンハッタンカフェだけに見えている謎の存在。周りの人々と自分の見えているものの違いによって閉じこもっていた彼女を、その走る姿で外の世界へ導いた。
カフェによると彼女に非常に良く似た容姿をしている。
また凄まじいスピードを誇っているようで、特にコーナーリングと体の柔らかさについてはウマ娘としてかなりの才能を持つカフェ自身も驚愕する程。
ちなみに、カフェと温泉旅行に行った際、お友だちは風呂で溺れていたらしい。
特徴
その速さゆえカフェがお友達に追いつけたことは無く、お友達の顔はカフェすら見たことがない。お友達に追いつき、追い越すことが彼女の目的である。
お友達にとってもカフェのことは大切な存在であるようで、常日頃からカフェとおしゃべりをしており、彼女が見たいものや欲しいものがあればそこへ案内したり、彼女に目標となるものを告げたりしている。
ある程度であれば物理的な干渉も可能なようで、カフェのトレーナーに対しても要所要所で(容赦なく)背中を叩いたり押したりといった形で行動を促している。
また、会話は出来ずともある程度の意思を伝えてくることがある。トレーナー曰く、「声でもない、言葉でもない、ただ感情の塊のようなものが耳元で囁いたような」感じらしい。
また、カフェによく似た容姿ということ以外にも
- 非常に速く走る。
- コーナーで驚くほどに加速する。
- 柳のように柔らかい走りができる。
ということが判明している。
正体
その正体については公式からの明言は無いものの、育成実装に伴い、見えない「お友だち」について多くのことが判明した。
それはマンハッタンカフェというウマ娘個人だけではなく、ウマ娘という不可思議な存在についての示唆をも投げかけるものである。
ただひとりの「お友だち」
まず前提として、マンハッタンカフェにとっての「お友だち」は、他の「周りの人々には見えないなにか」達とは明確に区別された、唯一の存在である。カフェという少女は基本的にすべての霊的な存在に対して誠意を以って接する(こちらに危害を加えかねない危険な相手であっても悪し様に言うことはしない)が、彼女が信頼を寄せて「お友だち」という名称で呼ぶのは、自分と瓜二つの容姿を持つ「あの子」だけである。
「お友だち」がカフェをとくに気に掛けるのも、自分を知覚し、会話さえできる彼女の特異さからであろう。
しかし、「カフェに瓜二つであり」「カフェだけが知覚でき」「カフェが絶大な信頼を寄せる『他者』である」。これらの事実は、後にある一つの齟齬を生んだ。
以下は、その正体についての考察である。
サンデーサイレンス
前述の
- 非常に速く走る。
- コーナーで驚くほどに加速する。
- 柳のように柔らかい走りができる。
- カフェによく似た容姿。
といった特徴から、「お友だち」の正体がサンデーサイレンスであるということはほとんど確定的であり、シナリオにおいてもそれを印象付けるようにスペシャルウィーク、サイレンススズカ、ゼンノロブロイなどサンデーサイレンス産駒をモデルとするウマ娘たちが関わってくる。やたらトレーナーをド突き回してくるのも、気性難で有名だった彼の特徴を表していると言えよう。
しかし一方で、「お友だち」は一見矛盾したような挙動を起こしている。
特に顕著なのが、凱旋門賞への挑戦と、それに向かう空港でのもの。カフェに精神的干渉まで加えて凱旋門賞行きを強行させたかと思えば、カフェの身体を拘束してでもそれを断念させようとする。
最終的にはトレーナーとアグネスタキオンの説得によりカフェが翻意。「お友だち」はその姿が消滅するような錯覚をカフェに憶えさせながら断末魔のような悲鳴を上げ、以降海外遠征を促すことはなくなった。……が、その後もカフェの前を楽し気に走る姿は健在であり、トレーナーも変わらずドつき回されていた。このことについてはタキオンも訝しがったほどである。
カフェが故障し、競走バとしての生涯を終える可能性が目に見えていようとも目標へと駆り立てる意思と、カフェの身を案じ、その安全を守ろうとする意志。一度完全に消滅しながらも、当たり前のように再び姿を現す。あたかも「お友だち」が複数存在するかのようであった。
ここで重要なのは、「競走馬のサンデーサイレンス」と凱旋門賞には因縁など無い、ということ。そしてあの場には、このレースに強烈な因縁を持つ存在が一人、いや一頭いたのである。
もう一人の「お友だち」
競走馬としてのマンハッタンカフェは国内GⅠ三勝を挙げた後、凱旋門賞へと挑戦するも13着と大敗、レース後に屈腱炎を発症してその競走馬生命を終えている。そしてその姿は、自らの父であるサンデーサイレンスに瓜二つであったという。
すなわち、凱旋門賞へと向かうあの場では、
- カフェの走る目標であり、その保護者のような意志を持つ競走馬「サンデーサイレンス」
- ウマ娘「マンハッタンカフェ」の基となった存在であり、その衝動のまま彼女を走らせようとする競走馬「マンハッタンカフェ」
この二つの魂が、少女マンハッタンカフェを間において綱引きをしていたと考えられる。
「方向性」
ウマ娘という物語において、名馬と呼ばれる競走馬の魂を宿したほとんどのウマ娘は史実の競走馬が歩んだ途、その生涯をなぞろうとする。
このウマ娘の内から来る衝動について、研究により客観的に把握しかけているタキオンは「ひとつの方向性」と表現した。それがどんな結果になろうとも、向いている方向が上か下か、北か南というもので、そこに善悪は無いのだと。
実際、カフェを苦しめた体調不良や爪の負傷、再起不能になりかねなかった凱旋門賞遠征などはかつて「マンハッタンカフェ」が駆け抜けた道であり、そこにカフェという少女に対する害意や悪意は無い。そして、基になった競走馬の歴史を知らぬウマ娘たちにとって、「どこかへ走り続ける」という衝動と情熱はどこまでも彼女たち自身のものである。
ワタシは……ダレ?
しかし、その霊感によって自分自身に宿った競走馬さえ「お友達」……すなわち他者として知覚してしまう少女にとって、この事実は深刻な問題となり得る。
自分の「走りたい」という情熱は、果たして自分自身のものなのか?
走った時に感じる喜びは、果たして自分が感じているものなのか?
自分がやりたいと思ったことは、果たして「自分」のやりたいことだったのか?
いま、こうして考えている「自分」は、果たして「誰」なのか?
ワタシは……ダレ?
「サンデーサイレンス」と、「競走馬マンハッタンカフェ」の二頭を一人の「お友だち」としていた少女の誤認は、この事実からカフェの目を逸らさせるものでもあった。言い方を変えれば、サンデーサイレンスはカフェの前を走り続けることで、彼女の心を守っていたといえる。
「少女マンハッタンカフェ」
競走馬の魂を宿すウマ娘たちは、同時にその世界を生まれ生きる一個の人間でもある。
彼女たちはウマ娘としての「方向性」が指し示すまま走り、また人間として育んだ個性と周りの人々のつながりによって、衝動とそれがもたらすものを乗り越えてゆく。
ところが人間としてのカフェが生まれ持った個性は、かつての競走馬がたどった途へと彼女をいっそう招き寄せ、引きずり込みかねないものだった。
それを防ぎ、新たな可能性へと彼女を導けるかどうかは、少女マンハッタンカフェが人間として紡いだ関係と、トレーナー諸氏の精神力に掛かっている。
余談「アグネスタキオン」と「憩いの場」
- ウマ娘の身体能力の限界を目指すタキオンにとって、それをもたらす根源ともっとも近しい(親しい)存在といえるのがマンハッタンカフェであり、彼女がカフェをモル……実験の協力者にしたがるのはある意味必然といえる。しかし、二人が現在の間柄になったのは多分に成り行きであり、タキオンがカフェに対し「私の求める全てを持っている」と言うのも、カフェの能力や「お友だち」の存在に対してではなく、マンハッタンカフェという少女そのものに向けたことばである。
- 周囲から拒絶され、また自ら孤立していたカフェであるが、それは自分が不気味がられることに対してではなく、「お友だち」を含めた自分にしか見えない「なにか」たちを悪く言われることを悲しんだため。霊障による壮絶な体調不良・負傷も当たり前のものとして受け入れ、夜を徹して彷徨うものたちの未練を聴き解決するなど、その心は並外れた忍耐強さと寛容さを持っている。
- レースで活躍し、後輩を先導する立場になってからはその人格が大いに慕われ、かつてタキオン以外訪れるものとてなかった彼女のスペースは後輩たちとの穏やかな憩いの場になっている。これは、1990年代から2000年代初頭にかけて長年圧倒的な成績でリーディングサイアーの座に君臨し続け、その血を拡げた「彼」の後継者として、史実のマンハッタンカフェも後にリーディングサイアーとなった歴史を物語っているとも考えられる。
異説
先述したように、お友だちはサンデーサイレンスである可能性が非常に高く、もしそうでなかったとしてもサンデーサイレンスを意識してストーリーが展開していることは間違いない。
しかし、それ以外の説もトレーナーたちの間ではとなえられている。
前述の通りお友だちは複数人いる可能性も指摘されており、以下はその他の説である。
実馬のアグネスタキオン説
アグネスタキオンの育成最終目標の有馬記念でのカフェの発言で、走るタキオンの姿がお友だちに似ていたというところから。
しかし、タキオンはカフェと違って髪が茶色かつショートカットで、とても容姿が似ているとは言えない。実馬もマンハッタンカフェやサンデーサイレンスとは毛色から違うため、やはり似ていない。だが、アグネスタキオンもまたサンデーサイレンス産駒ではあり、タキオンの走る喜びに満ちた姿に「お友だち」の面影を感じたのが「似ていた」発言につながるのかもしれない。
ニューヨークカフェ説
ニューヨークカフェはマンハッタンカフェの全弟で、姿も兄のマンハッタンカフェ、父のサンデーサイレンスと非常に似ている。
ニューヨークカフェは競走馬引退後、宮城県の乗馬クラブで乗馬として活躍していたが、大震災の時に牧場ごと津波に流されて亡くなってしまった馬の一頭でもある。
元々アドマイヤベガの初期設定に見えない妹が見えるという設定があった。今ではその設定は無くなったようだが、それが現在カフェの設定の中に入っているのではないか。
というもの。
元ネタ?
そんなマンハッタンカフェの「お友だち」だが、もちろん史実のマンハッタンカフェに対して霊障とかそういう話は無い。
が、史実マンハッタンカフェにはオカルトじみた逸話がある。
俗にいうサイン理論という奴であり、これは「レースの勝ち馬や勝つ騎手はレース前の時点で決定しており、特定の者に主催者または競馬の神様がサインを出して教えている」という理屈の元で馬券を購入する方法の一種。
大抵の場合は世相や直近で起きた事件や話題になったニュースが反映されることが多く、オカルト分析の域を出ないが、競馬では度々サイン馬券だとされるレースが発生する場合もある。
競走馬人生の中で1回起きれば珍しいサイン馬券だが、マンハッタンカフェは短い競走馬人生の中で2度もこのサイン馬券とされるレースが発生している。
サイン馬券であるとされた1つ目のレースは、2001年の菊花賞。
このレースでは、逃げるマイネルデスポットをマンハッタンカフェが差し切って勝利しており、直近で起きていたアメリカ同時多発テロから連想してサインではないかとされた。(デスポットは独裁者の意。また、同時多発テロが起きたワールドトレードセンターの所在地はアメリカのマンハッタンである)
2度目は同年の有馬記念。
この時は、マンハッタンカフェとアメリカンボスの1,2フィニッシュとなり、菊花賞の結果と合わせて911を連想させる名前の馬が勝利したことで話題となった。
上記のように、史実のマンハッタンカフェのレースでは「サイン」があったとされるレースが2度発生しており、これが「見えないお友だち」の元ネタではないかと推測されている。
ちなみに、実装済みウマ娘のうち、ゴールドシップとダイワスカーレットの有馬記念も「サイン」があったと言われている。
二次創作ネタ
「アグネスデジタルの幽体離脱をカフェが察知する」内容のイラストがちょくちょく投稿されている。
このネタ自体はデジタルの幽体離脱イベントが元となっているが、イベント内でカフェとの絡みはなく更に夢オチの可能性がある為(ウマ娘の尊みで失神し保健室で寝ていた)、実際に幽体離脱していたとしてもカフェがデジタルの生霊を察知出来たかは不明である。(少なくともタキオンの計測器には察知されていたが)
またいわゆるカップリング(トレーナー×ウマ娘)ネタでは二人の仲を進展させようと心霊現象を使ってあれこれ背中を押そうとするものも多い。
シナリオ中の「お友達」も、カフェを「頼む」と告げるなど彼女の導き手としてトレーナーを信頼しているようだ。ただし、トレーナーがカフェにとってマイナスになるようなことを選択しかけたり、その好意をはぐらかしたりする(バレンタイン)と即座に物理的に修正する。
クリスマスのイベントなど、空気を読んだのか一切手を出してこないときもある。温泉イベントも2人きりの時間を作るためにわざと沈んでいった……のかもしれない。
関連イラスト
公式でビジュアルが出ていないため、容姿は描き手各々の想像にゆだねられている。しかし後ろ姿はほぼほぼカフェそのものである。
今のところ、マンハッタンカフェをベースにし、サンデーサイレンスの気性難を表すもの(柵に噛みつく、ギザ歯)などを盛り込むことが多い。
実馬は
- 母系がいわゆる雑草血統
- 出生時は足が曲がっており、見栄えが悪くデビューまで冷遇され処分されかける
- 青年期までに事故と病気で二回死にかけるも、奇跡的な回復を見せる
- エリートたち相手に大立ち回りを演じ、年度代表馬に選出される
- 本国では種牡馬として成功しないと考えられたことから高額なシンジケートを敬遠され、日本に渡る
- 相当に攻撃的な気性難であり、その二つ名は運命に噛み付いた馬
と、波乱万丈にして西部劇のアウトローを思わせるかのような生き様である。
そんなサンデーサイレンスだが、一度威嚇するも無視を決め込まれてからはその目の前では大人しくなる姿を見せたエピソードからメジロマックイーンに執着するというネタも見られる。ただし実際の育成ストーリーではマックイーンは一切絡んで来ない。
スタンド的なものとして描写されることもある。
シルエットで表現した場合
直接ビジュアルを描かず、文字のみで表現されたり、単に心霊現象に落とし込んだ場合
関連タグ
スペシャルウィーク(ウマ娘):カフェとの朝食での会話で登場したさい、たくさん食べたいと言ったスペシャルウィークを拳骨(?)した。元馬は(お友達がssであれば)実子でssがなくなるまでG1最多だった。またssとは種牡馬として社台入りした際の馬房が隣同士だったという。
サイレンススズカ(ウマ娘):カフェの育成に登場。シナリオの内容的にスズカも認識できてる描写がある。元馬は実子であの秋天のフレーズは父親の名前を日本語呼びしたもの。
(たまに忘れられるが)名前の一部に父の名がある。