CV:小林清志
「この映画の主役は俺だ… お前たちではない」
「まだ終わりじゃないぃぃぃぃ…」(映画の終わりを嘆いていたセリフ)
概要
『夕陽のカスカベボーイズ』のボスキャラクターで、「映画の世界」にある西部劇のような町・ジャスティスシティの知事。
名前を直訳すると正義・愛……意訳すれば「正義を愛する者」とでもなるのだろうが、その名前は何かの皮肉かというくらい非道かつ冷酷な男であり、住民には強制労働をさせ、自らが定めた法に触れた者は毎日馬で引きずり回して罰する恐るべき独裁者。
こういうヤツなのでギャグ要素は皆無であり、『夕陽のカスカベボーイズ』は歴代でも有数のハードでシリアスな作品になっている(前作がギャグ全開だった事もあると思われるが、ここまでハードな路線なのは珍しい)。
目的
自身の住まう世界そのものである映画を「終わらせない」事。
その為に「おわり」の文字をどこかに封印している。
劇中繰り返し「自身が主役」であると自信満々に主張していることから、恐らくは彼こそが映画の本来の主人公であると推測される。そして彼が住まう映画の世界とは「彼が主役の映画」そのもの。つまり映画の世界は主人公であるジャスティス・ラブが「映画が完結し、自身の活躍がなくなる(消えてしまう)」事を頑なに拒んで生まれた世界であると思われる。
一方で野原一家や映画オタクのマイクなどカスカベの人々=「現実世界の住人」である彼らが映画の世界にやって来たのは、「おわり」の文字を封印されて終わらなくなってしまった『映画そのもの』が映画を終わらせられるヒーローを求めて彼らを引き込んだから。自身を永遠に活躍させようとおわりの文字を封じ、その上で「映画は既に完結している」と述べたジャスティス・ラブだが、それほどに執着した映画そのものにはすでにヒーローではないと見放されていたのだ。
戦闘力
ムチの達人で、ムチのみでクーデターを起こしたリーとハリー・ラックの銃を落とすだけでなく、(不完全とは言え)パワーアップしたしんのすけ達すらも寄せ付けなかった。
切り札としてジャスティスロボというカウボーイ型の巨大ロボットを所有しており、いくつか重火器を内蔵している。
また作中「絶対に倒されない根拠がある」と嘯くだけあってカスカベボーイズの攻撃を生身で受け続けても全く動じないタフネスの持ち主。その根拠とは「おわり」の封印の事であり、主人公は負けないという自負の表われである。(カスカベボーイズが新たな主人公になって映画が動き出した後は「巨悪が倒されるまで映画は終わらない」≒「映画が終わりに近づくまで巨悪は倒されない」という一種の逆主人公補正もあったかもしれない。)
いずれにしろ「おわり」の三文字が唯一の弱点。
終幕を拒んだ男
風間くんを保安官に招いており、一応上司ということになるがその理由は暇つぶし。また招いたみさえをあざ笑い、それに対し激怒したしんのすけ共々ムチでしばき回し、ゴミ同然のように処分した。
彼のやり方にひろしや、映画オタクのマイク達の反感を買い、彼に反感を抱くレジスタンス集団「アンチ・ジャスティス」を集結させる要因を作っている。
物語終盤でオケガワの発明した道具により、パワーアップしたしんのすけ率いるかすかべ防衛隊に追い詰められ敗北。
封印から解き放たれた「おわり」の文字が空に輝く中、映画の終わりを嘆いていた。
余談
シリーズでも有数のヒール役となったジャスティス・ラブ。
しかしクレしん映画にも完全悪のキャラ自体はおり、アナコンダ伯爵とかヒエール・ジョコマンなどがその面々。
……が、コイツのように「シリアス一辺倒の完全悪」なのは非常にレアで、他には『金矛の勇者』のアセ・ダク・ダークくらいのもの。
シリアスなヤツは大抵同情できる要素があり(いわゆる哀しき悪役。四膳守・グルメッポーイ・黒岩仁太郎など)、そうでないタイプもマカオとジョマ・スウィートボーイズの構成員たちのように「悪人だが変人・イロモノキャラの成分が多くてある程度中和できている」事が多いからだ。
関連タグ
金有増蔵…こちらも劇場版では珍しい完全な悪役。