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CV:小林清志

「この映画の主役は俺だ… お前たちではない」

 

※この項目は映画本編のネタバレを含みます。

注意

このキャラクターは、その所業故にアンチが非常に多く、時折過剰なキャラヘイト表現や、「似たような人物」など本来の記事内容の趣旨からズレた書き込みが行われる事があり、それが原因となって編集合戦へと発展する事も多々あります。

原則中立性のある記事を保つ為、そして無益な編集合戦及び、演者への風評被害を防ぐ為にも、そういった悪意を含んだ書き込みは極力控えるよう、お願い致します

概要

夕陽のカスカベボーイズ』のボスキャラクターで、「映画の世界」にある西部劇のような町・ジャスティスシティの知事。

名前を直訳すると「正義」……意訳すれば「正義を愛する者」とでもなるのだろうが、その名前は何かの皮肉かというくらい非道かつ冷酷な男であり、住民には強制労働をさせ、自らが定めた法に触れた者は鞭打ちをはじめとした暴力で無理矢理従わせたり、毎日馬で引きずり回して罰したりする、恐るべき独裁者

ギャグ要素は薄く、『夕陽のカスカベボーイズ』は歴代でも有数のハードでシリアスな作品になっているが、その大きな要因となっているのが彼である(前作がギャグ全開だった事もあると思われるが、ここまでハードな路線なのはシリーズ通しても珍しい。他に例を挙げるなら『アッパレ戦国大合戦』ぐらいか)。

風間くんを保安官に招いており、一応上司という事になるが、その理由は単なる暇潰しに過ぎなかった。

また、自身の屋敷に招いたみさえをあざ笑い、それに激怒したしんのすけ共々ムチでしばき回し、気絶した2人をゴミ同然のように川に流して処分した。(このシーンはバイオレンスな描写が多いこの映画の中でも特に後味が悪いショッキングなシーンと言われる)

彼の非道なやり方はひろしや映画オタクのマイク達の反感を買い、やがて彼に反感を抱くレジスタンス集団「アンチ・ジャスティス」を集結させる要因を作っている。

一方で、本作のヒロインであるつばきちゃんを屋敷で雇っており、自身の秘密の場所にも連れて行くなど、彼なりに信頼を置いていた模様。しかし、彼女に靴を履かせないなど扱いは良いとは言えず、終盤で彼女の裏切りを知った時は平然と殺そうとした。

 

目的

その目的は、自身の住まう世界そのものである映画を「終わらせない」事。

その為に「おわり」の文字をどこかに封印し、映画を終幕させないようにしている。

劇中繰り返し「自身が主役」であると自信満々に主張している事から、恐らくは彼こそが映画の本来の主人公であると推測される。

そして彼が住まう映画の世界とは、「彼が主役の映画」そのもの。つまり本作の舞台である映画の世界は、主人公であるジャスティスが「映画が完結し、自身の活躍がなくなる(消えてしまう)」事を頑なに拒んで生まれた世界であると思われる。

元から自己顕示欲の強い歪んだ性格だったのか、それとも当初は正義感溢れる主人公だったのが何らかの原因で歪んでしまったのかは不明だが、いずれにしろ「映画を終わらせたくなかった」事が動機なのは間違いない(一応、作品における正義の存在なので少なくとも見返りがあれば善行も働いていた可能性もある)。

 

一方で、野原一家や映画オタクのマイクなどカスカベの人々=「現実世界の住人」である彼らが映画の世界にやって来たのは、「おわり」の文字を封印されて終わらなくなってしまった『映画そのもの』が映画を終わらせられるヒーローを求めて彼らを引き込んだ為。

自身を永遠に活躍させようと「おわり」の文字を封じ、その上で「映画は既に完結している」と述べたジャスティス・ラブだが、皮肉にもそれほどに執着した映画そのものには既に「ヒーローではない」と見放されていたのだ。

戦闘力

ムチの達人で、ムチのみで三対一の決闘でも銃を叩き落とし、逃走した三人もあっさりと仕留めた。後半でもクーデターを起こしたリーやハリー・ラック等の手練れのガンマンを圧倒し、(不完全とは言え)パワーアップしたしんのすけ達すらも寄せ付けなかった。

切り札としてジャスティスロボというカウボーイ型の巨大ロボットを所有しており、いくつか重火器を内蔵している。ロボット搭乗時でもコクピットまで近づいてきたしんのすけ達数人を瞬く間にムチ捌きで一蹴するなど殆ど付け入る隙がない

また、作中「絶対に倒されない根拠がある」と嘯くだけあって、カスカベボーイズの攻撃を生身で受け続けても全く動じないタフネスの持ち主。その根拠とは「おわり」の封印の事であり、「主人公は負けない」という自負の表われである(カスカベボーイズが新たな主人公になって映画が動き出した後は「巨悪が倒されるまで映画は終わらない」≒「映画が終わりに近づくまで巨悪は倒されない」という一種の逆主人公補正もあったかもしれない)。

いずれにしろ、「おわり」の三文字が唯一の弱点(映画を完成させる方法)となる。

終幕を拒んだ男

物語終盤、オケガワの発明した道具によりパワーアップしたしんのすけ率いるカスカベボーイズとジャスティスロボで戦うも、次第に追い詰められ敗北。

ボロボロになり凄まじい顔芸を披露しながら最後まで悪足掻きをするが、願い虚しく封印は解かれる。この悪あがきを見たしんのすけは「根性あるなー知事のおじさん」とこの状況では盛大な皮肉としか言いようがない感想を述べている。

封印から解き放たれた「おわり」の文字が空に輝く中、彼はもはや「まだ終わりたくねぇぇぇぇ…」と惨めに嘆く事しかできないのだった。

 

余談

シリーズでも有数のヒール役となったジャスティス・ラブ。

しかしクレしん映画にも絶対悪のキャラ自体は存在し、アナコンダ伯爵ヒエール・ジョコマンなどが該当する。

 

だが、ジャスティスのように「シリアス一辺倒の絶対悪」なのは非常に少なく、他には『金矛の勇者』のアセ・ダク・ダークくらいのもの。

クレしん映画ではシリアスな敵には大抵同情できる要素が存在し、(いわゆる哀しき悪役四膳守グルメッポーイ黒岩仁太郎など)、そうでないタイプもマカオとジョマスウィートボーイズの構成員達のように「下劣で同情の余地がない連中だが変人・イロモノキャラの成分が多くてある程度中和できている」事が多い。

後にクレしん劇場版での「極悪人」は金有増蔵、『新婚旅行ハリケーン』の仮面族が登場している。

ただしジャスティスのよう設定と立場は正義の味方だが、心が邪悪というのはかなり珍しい。

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