ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴
王将戦の編集履歴2022/02/24 00:20:39 版
編集者:ベネディクト
編集内容:図解の挿入

王将戦

おうしょうせん

毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社が主催、綜合警備保障(ALSOK)が協賛する将棋棋戦であり、将棋の八大タイトル戦のひとつ(序列7位)である。

概要

システムについて

一次予選二次予選挑戦者決定リーグによって挑戦者を決定する。

王将戦挑戦手合七番勝負

王位と挑戦者が七番勝負を戦い、先に4勝したほうが新たな王位となる。七番勝負は全国各地の旅館料亭などで催されることになっており、2012年からは第1局を静岡県掛川市掛川城二の丸茶室)で行うことが恒例となっている。また、栃木県大田原市でも2006年から14回連続で開催されている。持ち時間は各8時間(2日制)。

挑戦者決定リーグ

  • 二次予選通過棋士3名とシード棋士4名(前期王将戦敗者と残留者3名)の計7名による総当たりのリーグ戦を行う。成績最上位者が王将戦の挑戦者となる。成績最上位者が複数出た場合は、原則としてシード順位で上位の2人によるプレーオフが行われる。持ち時間は各4時間。
  • 成績上位者4人が次年度の挑戦者決定リーグに残留し、その順位に従いシード権を得る。勝ち星が並んだ場合は当年度のシード順位が優先される。二次予選通過者同士で勝ち星が並んだ場合は、リーグ残留の場合は次年度も同順位となり、4位で並んだ場合は残留者決定戦が行われる。

二次予選

  • 一次予選通過棋士とシード棋士による計18名が、3ブロックに分かれてトーナメントを行う。持ち時間は各3時間。

【シード条件】※順番は優先順位

  1. 前期挑戦者決定リーグ陥落者(二次予選2回戦からの参加)
  2. タイトル保持者(上位3名は二次予選2回戦からの参加)
  3. 順位戦A級在籍者(タイトル保持者が3名以下の場合、上位棋士は二次予選2回戦からの参加)
  4. 永世称号呼称者(資格保持者は除く)
  5. 一次予選通過者(下記シード人数を差し引いた人数)

一次予選

上記シード棋士を除く、順位戦B級1組以下の棋士がトーナメント形式で行われる。各組のトーナメント勝者が二次予選に進む。持ち時間は各3時間。

永世王将

王将位を通算10期獲得した棋士には、永世称号である「永世王将」が与えられる。2020年4月1日現在の永世王将は大山康晴十五世名人、永世王将資格保持者は羽生善治九段である。またその条件の厳しさから、最も永世称号を取りずらいタイトルのひとつである。

余談(エピソード)

指し込み制

  • 王将戦は、発足当初に「指し込み制」が適用されていた。これは3勝差がついた時点で王将戦の勝負が決定し、次の対局から香落ちと平手戦を交互に行い、必ず第7局まで実施するシステムである。当初将棋連盟内では升田幸三八段を筆頭に「名人が指し込まれる可能性がある」と慎重論があった。最終的には木村義雄名人の「名人が指し込まれることはあり得ない」という発言により主催側の提案通りに施行する事となった。
  • しかし皮肉にも、第1期王将戦で、升田八段が木村王将(名人)を4勝1敗で指し込むこととなった。その後升田は香落ち戦となる第6局の対局を拒否し、事態を重く見た連盟から一時1年間の対局禁止の裁定も下された(直後に取り消される)。この「陣屋事件」は将棋界のみならず、世間の大きな注目を集めた。
  • なお、現在も規定上では「指し込み制度」は存在しており、制度変更後以降で名人在位者に対する「指し込み」を達成したのは羽生善治と藤井聡太のみである(羽生の場合は1999年度佐藤康名人と2004年度森内王将(名人)の2回でともに4連勝で防衛・奪取であり、藤井の場合は2021年度渡辺王将(名人)に4連勝で奪取となり、史上4人目の五冠を達成した)。

勝者罰ゲーム

  • 番ごとの勝者はスポーツニッポン紙面掲載用に記念撮影を行なう。パティシエに扮してロールケーキをつくったり安来節を踊ったり海岸で将棋を指したりとユニークな写真が多く、「勝者罰ゲーム」の異名を持つ。しかし当のスポーツニッポンは「決して罰ゲームではありません」と否定している。
  • しかし第67期は両対局者から「緩い」との指摘があり、これを受けたスポーツニッポンは第68期での企画強化を宣言したが、その68期がこの手のことにノリノリで応じる渡辺明のストレート勝ちであったため、半ば肩透かしに終わっている。69期は藤井聡太が挑戦にリーチを掛け、初タイトル戦があわや罰ゲームつきになりかけたが、挑戦ならずだったため次期70期以降に持ち越しとなっている。

七冠独占達成

  • 羽生九段による七冠独占の偉業は、王将戦によって達成された。第44期(1994年度)王将戦では谷川浩司王将に3勝4敗で敗退するも、翌年全てのタイトルを防衛した上で第45期(1995年度)王将戦の挑戦権を獲得。シリーズも谷川王将を圧倒。4連勝のストレートで王将位を奪取し、七冠独占を達成した。

最年長タイトル獲得

  • 永世王将の大山十五世名人は、第29期(1956年度)王将戦で加藤一二三王将から4勝2敗で王将位を奪還、第31期(1981年)まで王将位3連覇を果たした。58歳のタイトル獲得は、2020年時点において史上最年長記録となっている。

第71期王将戦

※結果は2021年1月30日現在

挑戦手合七番勝負

王将/挑戦者第1局第2局第3局第4局第5局第6局第7局結果
渡辺明王将※事実上の指し込み
藤井聡太竜王奪取

挑戦者決定リーグ

※◎は挑戦権獲得・△は残留・▼は陥落

順位氏名/順番対局結果勝敗結果
1永瀬拓矢王座○羽生●豊島○糸谷○広瀬●近藤○藤井4勝2敗△残留(来期2位)
2豊島将之九段●広瀬○糸谷●羽生○永瀬●藤井●近藤2勝4敗▼陥落
3羽生善治九段●永瀬○近藤○豊島○広瀬●藤井○糸谷4勝2敗△残留(来期3位)
4広瀬章人八段○豊島●藤井●羽生○糸谷●永瀬●近藤2勝4敗▼陥落
5藤井聡太竜王○糸谷○広瀬○豊島○羽生○近藤●永瀬5勝1敗◎挑戦
5糸谷哲郎八段●藤井●豊島●近藤●広瀬●永瀬●羽生0勝6敗▼陥落
5近藤誠也七段●羽生○糸谷○広瀬○永瀬●藤井○豊島4勝2敗△残留(来期4位)

関連タグ

将棋 将棋タイトルホルダー一覧 将棋タイトル戦の進行状況

毎日新聞 綜合警備保障(ALSOK) …主催企業・協賛企業

大山康晴 羽生善治 …永世王将(資格保持者含む)

坂田三吉 …昭和の大棋士。王将を獲得していないが、彼の生き様が「王将」として数多くの創作物の題材となったため死後、名誉名人と共に名誉王将が贈られた。

藤井聡太 …現(第71期)王将位

関連記事

親記事

王将戦の編集履歴2022/02/24 00:20:39 版
編集者:ベネディクト
編集内容:図解の挿入
王将戦の編集履歴2022/02/24 00:20:39 版