E6系
いーしっくすけいまたはいーろくけい
概要
東北新幹線のスピ-ドアップに伴い、同区間を東北新幹線車両と併結して走る秋田新幹線「こまち」用に、E5系と同等の320km/hの走行性能を持つ新型車両として導入された。
2010年7月に量産先行車(S12→Z1)、2012年末~2014年春に量産車(Z2~Z24)が製造された。
2013年3月16日ダイヤ改正より列車名を1年間暫定的に「スーパーこまち」としてまずは4本体制で運用開始。2014年春までに7連24編成(含S12編成)が投入され、同じ秋田車両センター所属のE3系0番台を全て置き換えた。
諸元
エクステリア・性能
デザイン監修は奥山清行(ケン・オクヤマ)が担当。
先頭形状はE955形「Fastech360Z」を踏襲した13m級アローライン形状。これと後述のシートピッチ拡大に伴い、定員確保のため7両編成となった。
在来線区間での視界性を考慮してヘッドライトは運転台両斜めサイドに配置。
塗装は秋田の風土に根付いてきた赤色をアレンジした「茜色」、E5系との調和を表す「飛雲ホワイト」、高速運転の風の流れを表す「アローシルバー」で構成される。
12・16号車側面のシンボルロゴは小野小町のシルエット、赤のラインで高速走行、シルバーラインで未来とのつながりを表現したものとなっている。
低重心化のため空調装置は床下に設置され、屋根高さはE5・H5系と同じ3650mm(E3系比で430mm低い)。
(因みに巷では第一印象から「なまはげ」呼ばわりされてしまっていたが、実際この茜色はなまはげをはじめ秋田の伝統工芸に使われる赤をアレンジしたものなので、見方によっては別に間違っt…おや誰か来たようだ)
最高速度は東北新幹線で320km/h(宇都宮-盛岡間。2014年3月のE3系完全置き換えまでは300km/h)、秋田新幹線(奥羽本線・田沢湖線)で130km/h。
E5系同様車体傾斜装置を搭載し、最大傾斜角度は1.5度(在来線区間では作動しない)。R4000mのカーブでも320km/hで走行可能。
パンタグラフもE5系と同タイプの片持ち式シングルアーム形で、遮音板は在来線の車両限界に則した形状のものを装備。Fastech360Zに装備されていたような可動式タイプでは故障時のリスクが非常に大きいため、本系列では固定式を採用。
車体の揺れを検知するフルアクティブサスペンションは、アクチュエータをE3系の空気式から電気式に変更し全車に搭載。
E3系でおなじみの併結装置、新幹線区間で使用するステップもちゃんと装備する。
インテリア
編成あたりの定員はE3系と同じ336名。
グリーン車
定員22名でシートピッチは1160mm。
秋田県の伝統工芸がモチーフで、樽岡焼きの釉薬「海鼠釉(なまこゆう)」のイメージの青、「川連漆器(かわつらしっき)」の漆の茶色、ブナの色合いを配した落ち着きあるもの。
全席にモバイルコンセントを装備する。
大曲方(デッキ側)の1列席は車椅子対応席。
普通車
シートピッチは従来のE3系の一部910mm(485系普通車と同レベル)から全席980mmに統一され、居住性が大幅に向上。
実りを迎えた稲穂をイメージした黄金色のモケットで明るい車内を演出。
コンセントは窓側・妻面に面した席に装備。
東京方の1列席は車椅子対応席。
山形新幹線での運転
2018年10月26日・27日、山形新幹線福島駅‐新庄駅にてE6系による試運転を実施。
将来的には山形新幹線のE3系も秋田新幹線と同じE6系に置き換えると思われていたが、山形新幹線の新車は、新形式のE8系に決定した。