「私は人間より、君たちマシンの方が大好きなんだ」
演:市川勇
概要
人間でありながら、マシン帝国バラノイアに協力するマッドサイエンティスト。本名は黒田セイイチ。
世界的な物理工学の権威で、国立科学アカデミー幹部を務める優秀な科学者だったが、2年前に息子の黒田茂と共に失踪し、栃木県りんどう湖ファミリー牧場近くの家に移住していた。
初登場の第17話にてバーロ兵に成り済まして子供を誘拐し、パトロール中の三田裕司をおびき寄せ、高所から転落しそうな無防備状態にすると、自前の機械を用いて彼の腕からパワーブレスを強奪する。
その後、皇子ブルドントを家に招き入れると『バラノイアが地球を征服した後、日本を自分に引き渡す』という条件付きでパワーブレスを与えるという取引を持ちかけたが、ブルドントからの信用は得られず頃合いを見てバラバキュームを出撃させて裕司を吸収し、ブレスの強奪を試みたが失敗。パワーブレスはオーレンジャー達に奪い返されてしまった。
この時茂が被害を受けたが、その体は機械で動いていた。
実は本物の黒田茂は2年前に交通事故で死亡しており、今いる茂はコンピューターに移植された頭脳を元に作られたロボット人間だった。
第18話では「人間は車にぶつかった程度で死ぬ」「ロボットなら武器だって内蔵できる」「マシンは地球を支配するのにふさわしい」と恨み節を吐きながら茂を修理すると、バラノイアの月面基地に赴き自ら皇帝バッカスフンドと対面。仲間になりたいと語る。
「妻や子供は簡単に死んだ。そんな人間を作った神が憎い」
「地球上の人間すべてを滅ぼし、マシンが神に変わってこの地上を治めればいいのだ!解るかね?この憎しみのパワーが!ハハハハハハ!!」
妻と子供を奪われた彼の強い憎しみにはさしものバッカスフンドも返す言葉がなく、黒田に改造手術を施す。
体内に茂を同化させ、乗り込んできたオーレンジャーを触手と茂をも利用して圧倒。
しかし茂は完全に同化されておらず、父に戦いを止めるよう懇願。それに動揺した黒田を見たバッカスフンドは彼を見限り、蔦植物型のマシン獣バラアイビーであった触手部分を切り離して黒田を攻撃。致命傷を負った黒田はオーレンジャー達に茂を託し、瓦礫の下敷きとなる。
バラアイビーがオーレンジャーに倒されたのち、茂は死を悟って機能を停止したものの三浦参謀長が体から武器を切り離して生き返らせることを宣言。
その宣言通り茂は復活し、ファミリー牧場でオーレンジャー達と元気な姿を見せたのだった。
余談
ジニアス黒田を演じた市川勇氏は昨年の『忍者戦隊カクレンジャー』にてシロウネリの声と人間態を演じていたが、本作を境にスーパー戦隊シリーズとはずっと縁が無い状態が続いている。
そして息子の茂を演じた子役の二見一樹氏は、2年後の『ビーロボカブタック』の主人公カブタックのパートナーである少年、高円寺譲としてレギュラー出演している。
ジニアス黒田が登場する一連のエピソードはバッドエンド版鉄腕アトムと呼ばれる事があるほどにあちらと設定が一致している。また、登場人物はそれぞれ
に対応する。
また、前述のブルドントとの取引ではブルドントから「約束するからパワーブレスを渡すんだ」と迫られた際には、「あぁ、ダメダメ~」と断り「ここでうっかり渡したりなんかしたら、後で世界を征服した時には日本を渡す約束も「約束なんかしてないよ~」でしょう?」と駆け引きというものを熟知しているようで、『バラノイアが世界を征服した時に、信頼に足ると認めた時にパワーブレスを渡す』と条件を上乗せする駆け引きの上手さを見せた。
関連タグ
ガオーン:黒田とは違い、『機械より人間(厳密には動物全般)の方が好き』と言う正反対の性格である。また、スーパー戦隊の一員となったガオーンが敵対する悪の組織も『バラノイア同様首領から戦闘員まで機械である』という特徴がある。
超力鬼:オーレンジャーがモチーフの怪人でこちらも怪人となった人間である。ただし、黒田と違って最終的に人間に戻れた。