概要
久我虎徹が所属している京極組の五代目組長。推定60代と見られる。
組長ではあるが、本人は組員達がシノギで稼いだ金を勝手に使って道楽三昧の日常を過ごしており、実質的な組長業務は若頭(カシラ)の五十嵐に丸投げしている。
かつては任侠集団であった京極組が血も涙もない暴力団に変貌し、相良を始めとする多くの組員が外道に成り下がった全ての元凶と言われている。
人物
容姿
黒い筋が入った灰色の短髪オールバックの髪型、いかつい鷲鼻に酷薄そうな吊り目と全体的に顔立ちは鬼や獄卒を彷彿とさせる。
服装は大抵灰色のスーツと複雑な模様が入った黒いワイシャツを着用して金の喜平ネックレスを首に掛け、鰐皮と思われる革靴を履いているなどいかにも「ボス」という感じの豪華なものである。
性格
京極組の外道構成員の例に漏れず、血も涙もない品性下劣な外道。常に公私混同しており組の予算を無断で使って豪遊し、組の主力であった構成員が殺されても調査や報復には乗り出さないにも関わらずシマ荒らしをしていた息子の(むしろ組の損失になるような)護衛は強要する等、組長としての責務を完全に放棄している。それだけならまだしも、「親の言う事は絶対」という組長の権限だけは好き勝手に振りかざし、自らに対する反論も反対も注意も一切許さない絵に描いたような暴君。更には組員達が自らの為に身を粉にして働くのは当然だと思っているフシがあり、自身の失態の尻拭いをした末に重傷を負った久我にも感謝の言葉一つすらかけなかった(無論、作中で日下個人がしでかした失態は、京極組という組織には一切関係も責任もない無駄な業務である)。そして短絡的な部分も非常に強く他の組織の構成員に対し充分な調査をせずいきなり殺害を指示している。
これらの度重なる無責任な振る舞いから、五十嵐や一条など良識派の組員達からは全く慕われておらず、中でも久我からは「何処かで死んでくれないかな」とその死を願われている。白武や海瀬をはじめとする外道の組員達からも完全に舐められたりスルーされたりしている。事実、任侠を重んじていた先代組長の後釜として内定した際、それを疑問に思う者が後を絶たなかったという。
それと同時に、彼は組員同士の争いに対しても我関せずの姿勢を貫いており、久我や一条など良識派の組員達が外道の組員達をいくら制裁・粛清しようとも、これらの件について良識派の組員達が処罰されたことはただの一度もない。彼としては、組員達が自分に逆らわなければそれで良いのであって、組員同士の間で内部抗争が発生しても全て本人達の自己責任という考え方なのかもしれない。そのおかげで、久我など良識派の組員達は水面下で組織改革のための準備を着々と進めることができているのだから、久我達もこの点だけは彼の怠慢に感謝をするべきであろう。
その一方で
とある回で京極組の幹部構成員である別府が娘のために組からの脱退を申し出た際は、「上の人間が簡単に抜けたら下に示しがつかない」と厳しい表情で告げ、彼が500万円を納めると申し出ても「金で抜けられては組は存続できない」と発言する等、感情や金に流されない極道組織の「組長」らしい態度をとっていた。
その後、彼が両手の小指を切断し土下座までした際は、静かな声と表情で別府の除名を認めるなど最低限の情と良識も存在する様子を見せた。
そして意外かもしれないが、彼は人道に外れたシノギを容認している一方、京極組のシマである黒焉街では薬物の取り扱いを一切禁止している。その為、天羽組傘下のブラジル系マフィアがシマ内で薬物を売り捌いていた事を知った際は、「ウチのシマでそんなことは許さんぞ」と言い放ち、マフィアを取り仕切っていた天羽組の北岡を粛清するよう部下に命令を出した。もっとも、彼は薬物の取引による利益を独占するために、京極組以外の者が黒焉街で薬物の取引をすることを禁止しているだけで、京極組の関係者が薬物の取引をすることは自由なのかもしれないが、彼の性格から考えて義侠心などではなくただ余所者にシマ荒らしをされた事に腹を立てただけなのかもしれない(事実、相良は外道に墜ちていた時期に薬物中毒者の女性を風俗で働かせていた)。
また、天羽組との抗争が始まった際には小峠華人を戦線離脱させるように久我に命令を下していた。
小峠は天羽組の中でも中堅を張る切れ者であり、組内で最も高いポテンシャルを持ち、現在進行形で急成長している人物である。
天羽組には他にも大勢の実力者達がいる中で、その実力を見抜き「天羽組のキーマン」と断定して個人を排除しようとするのは中々着眼点が良いとは言えないだろうか。
しかもその重要な実行役を久我に任命していることから実は日下も他の改心した兄貴たちと同様に久我を大いに評価している可能性が高い。
更には、昔は任侠を知る人物であり、ある理由で狂気と金に走ってしまい、現在の姿となったことが判明。
能力
公式から明言されている事ではあるが、組織の長としては全くの無能。指揮官としての能力は皆無で組にとって全く意味の無い私用に子分の命をかけさせるという行為や外道構成員を放置して悪質なシノギの無法地帯を作ると言ったカリスマ性を疑うような描写が嫌という程存在する始末。それと同時に、前述の通り組員同士の内部抗争についても全くの放任状態で、久我など良識派の組員達が外道の組員達にいくら制裁や粛清を加えても、彼自身はあくまでも我関せずの姿勢を貫いており、これらの件について良識派の組員達を処罰することはない。そのおかげで、皮肉にも良識派の組員達による組織改革のための準備は今のところ順調に進められている。
とはいえ、武闘派組織で殺し合いが日常だったであろう徳島組や京極組で長年命を落とすことなく頭角を現して良識派だった先代組長の後釜に座り、その後も京極組を腐敗させたとはいえ、関東有数の極道組織としては機能させている他、久我も「組の清浄化は容易ではない」と判断している事、何より前述の通り組の一大事となれば部下に対して的確な対応や指示を行うというヒューマンバグ大学公式や敵対派閥の「日下はトップに立つ器ではない」「無能」という評価から想像もつかないほど「組長」として京極組の為に動く事もある。
これらの事を踏まえると、方針や性格は邪悪の極みではあるが、彼自身の単純な技量と能力はかなり高いのかもしれない。
人間関係
敵対勢力を作り始めている革命家ヤクザ。どれ程彼の強さを買っているか不明だがかなりの頻度で久我に命令を出している。
無能な自分に代わって組を指揮している、本来なら大恩人とでも言うべき人物。しかしその関係性は最悪で日下が五十嵐に逆ギレを行う事が非常に多く更には降格処分を明らかに自分の過失でチラつかせた。更には全面戦争でも自分は狙われてないという常軌を逸した見当違いをした挙句に指揮を丸投げするという暴挙に出た。
自分が持つ手札で最強の男。(冤罪で)シマ荒らしを始末する際には命令を聞いていたため利害の一致では従うくらいの関係ではある。
日下の実子にして無能を引き継いだ虎の威を借る狐またの名をバカボン。正式な組員ではないものの、父親の権威を振りかざして組に迷惑ばかりかける(正確にはシマ荒らし)京極組のガン細胞のような存在だが、日下は組員達にお守りを強要するほど息子を溺愛している。
経歴
かつては徳島組という極道組織の組員であった。この徳島組には、後に天羽組の組長になった天羽や飛龍連合会の最高顧問になった伊賀、天羽の戦友で狂気の武闘派として知られた福留、そして彼らの兄貴分で任侠の鑑と呼ばれた大村など、名だたる構成員が揃っていた。だが、大村の組長襲名式の襲撃を端に発する内部の派閥争いによって、ただでさえ資金難に苦しんでいた徳島組は崩壊。組員達は散り散りになってしまい、それぞれ別の組織に移籍する羽目となった。その時、日下は京極組に移籍し、後に出世して組長まで上り詰め、京極組を現在の冷酷な暴力団へと変貌させた。
因みに、大村の襲名式において日下は全く姿を見せておらず、当時の徳島組の派閥は大村を筆頭とする任侠集団と、大村の人望を妬む集団(恐らく仁義も何も無い外道連中)の二つに分かれていたためどの派閥に属してたかは不明。
また、過去に天羽組と京極組が選挙で敵対した際、天羽が「京極組か……良いじゃねぇか!」と言っていたことから、少なからず日下と知って放った言葉だと思われるため、どうやら天羽とは何かしらの因縁がある模様だが、詳細は謎に包まれたままである。しかし、2022年3月15日付の動画で、一条が日下の命令で天羽組の北岡を殺害したことにより、怒り狂った天羽は「京極組の親分…日下のタマ…取ってこい…」と組員全員に命令しており、日下は完全に天羽組から殺意を向けられる形となった。この動画では、北岡の死体が正式に確認されたわけではないのだが、少なくとも天羽組の側は北岡が死んだものと確信している上、万が一北岡が死ななかったとしても、日下が天羽組に弓を引いた事実は変わらないため、粛清対象にはなっていると思われる。
活躍
- 2022年1月7日付の動画(久我虎徹)
実質的な初登場。日下が護衛も付けず一人で趣味のドライヴに出ていた際、自身の不注意でお気に入りの高級車を盗まれてしまい(この車も組の予算を勝手に使って購入した疑惑がある)、怒った日下は鬼の形相で「何としてでも探し出し、犯人を始末しろ!」とカシラに命令した。しかし、日下の命令をカシラが組員達に伝えた際、外道の組員達は日下の命令を屁とも思わず、この任務を若手の久我に押し付ける始末で、久我は不本意ながらも出世のためと割り切って任務を引き受けることにした。後日、久我は犯人の手榴弾で重傷を負いながらも何とか車を取り戻したものの、日下は久我に感謝の言葉一つすらかけず、久我の見舞いもせずに再びドライヴに出かけていく始末。この無神経ぶりにはカシラも呆れ果てた様子であった。
「俺を誰だと思ってるんだァ! ブチ殺せェ!」
- 1月20日付の動画(久我虎徹)
ムショ帰りの菱山に京極組のシマを荒らす半グレ集団「亜濡琵栖(アヌビス)」の中核メンバーを粛清する鉄砲玉になる事を命令。しかも反論は一切許さないという横暴ぶり。もともと日下は、長いムショ生活のせいで勘が衰えて役に立たなくなった菱山を厄介者扱いしており、菱山を体よく始末する目的も兼ねて鉄砲玉として送り込んだのである。そして日下の思惑通り、菱山は亜濡琵栖中核メンバーと相討ちになって死亡してしまった。
余談だが、日下が動画の本編で久我の前に直接姿を見せたのはこの回が初めてである。
「菱山ァ……お前、その馬鹿供のトップ、殺してきてくんない?」
「おう、親の言う事は、絶対だよなぁ」
- 1月22日付の動画(状況整理)
任侠を重んじていた四代目組長の教えに背き、京極組内でカタギを平然と食い物にする悪辣なシノギを横行させた張本人であると紹介されている。後にその悪辣なシノギに毒されて特殊警棒の相良や金砕棒の海瀬の様に良識派から外道に堕ちた者が居る事も判明した。
- 2月13日付の動画(久我虎徹)
闇カジノで大負けした上、八つ当たりにも等しい態度で無関係の五十嵐(カシラ)に「闇カジノを潰せ」と理不尽な命令をした。しかもその掛け金は例の如く組の予算からくすねたものであり、その事を五十嵐から注意されるや、逆上して一方的に五十嵐を殴り倒す始末(その一部始終を五十嵐から聞かされた久我も、五十嵐に深く同情した)。無論、今回の闇カジノの件も高級車盗難事件と同じく日下個人の失態であるため、本来であれば組員達が命令に従う義理などはない(実際に久我だけでなく五十嵐も乗り気ではなかった)。
しかし、調査の結果、その闇カジノは黒焉街を荒らす半グレ集団が経営する闇金とグルである事が判明した為、正式に「シマ荒らし」と認定され、久我と相良によって潰された。なお、闇金の方も西園寺と国生と野島の三人によって同時に潰された。
「テメェはカシラだろうが! 若いの使ってあの裏カジノを潰してこい!!」
- 2月26日付の動画(久我虎徹)
組の幹部である別府が家庭の事情で組から抜けることを申し出たため、五十嵐と共に対応。普段は組の仕事を五十嵐に丸投げしている無責任な日下だが、下っ端の組員はともかく幹部が組抜けをするとなるとさすがに放ってはおけないのか、今回は珍しく組長として筋の通った意見を語り、五十嵐と共に別府の組抜けに強く反対していた。とはいえ、別府がケジメをつける形で両手の小指を自ら切り落とした上に土下座をした為、その覚悟に折れる形で除名を認めた。
だが、その別府は、以前から彼を恨んでいたシマ荒らしの丹波に襲われ、咄嗟に包丁を握って抵抗を試みるも、上記の通り両手の小指を失っていたために握力が低下しており、不覚にも包丁を取り落として呆気なく殺されるという、最悪の結末を迎えてしまった。
「上の人間が簡単に抜けたら下に示しがつかねえ」
「金で抜けられては組は存続できねえぜ、別府」
「わかった…別府は今日付けで除名処分にしておく」
- 3月15日付の動画(小峠華太)
敵対組織、天羽組の北岡がブラジル系の海外マフィアの取引で、言葉が分からず海外マフィアが「空龍街以外でヤクを売る」という条件でマフィアが交渉を進めてしまい、マフィアが京極組のシマである黒焉街でシマを荒らしてしまう。
これに対して日下は天羽組の京極組への宣戦布告であるとみなし(小峠曰く「天羽組を舐めてる」)、即座に北岡の粛清を一条へ命令した。その結果、北岡は一条にやられてしまい、日下と一条は完全に天羽組の怒りを買って命を狙われる身となった。
「ウチのシマでそんなことは許さんぞ…これは宣戦布告だ…一条!粛清してこい!」
- 3月26日付の動画(久我虎徹)
直接の出番はないが久我と海瀬のセリフにて言及されている。海瀬に病院での悪質なシノギを指示した元凶であることが明かされた。これ以降海瀬は悪質なシノギに辟易とするようになり脚を洗い、その後久我からの誘いで任侠に返り咲いた。
動画の最後に久我は「あとは親父が機能するかだな」と不安げに思っていた。真っ先に死にそうな状況でも無能を晒すと久我に考えられているあたり如何に信用が無いかが見て取れる。
- 4月5日付の動画(久我虎徹)
久しぶりに直接登場。日下には晋平という名前の息子がいたのだが、その晋平が明らかに父親に似て無能な暗君気質であると発覚。そして日下本人も晋平を溺愛して懸命に擁護するという強烈な無能ぶりを見せつけることとなった。
晋平は、京極組の組長である父親の名前を好き放題に振りかざし、水商売の店を荒らして回る常習犯だったのだが、その過程で彼は正当な理由なく河内組構成員を卑劣な方法で殺害。久我に死体処理を強要する等々の愚行で久我と野島と五十嵐をキレさせただけに留まらず、折しも京極組が天羽組との戦争を控えている状況下でさらに河内組までも敵に回すという甚大な被害を与えかける。河内組は当然キレて、晋平を抹殺するために動き始めるが、これを知った日下は晋平の愚行を叱るどころか、あくまでも晋平の尻拭いを他の組員に押し付けるため、やらなくていい晋平の護衛を久我に強要。晋平は河内組の龍本に追われて久我に助けを求めるが、久我は最初から晋平を見捨てており、むしろ龍本に晋平を体よく射殺してもらうことで河内組の怒りを収めることに成功した(なお日下親子の無能ぶりに龍本は流石に同情した)。
その後、日下には「晋平を助けに行ったが間に合わなかった」と言い訳をしたものの、久我の不手際が原因で息子を殺されたことに怒り狂った日下は、久我と五十嵐が正当防衛どころか回避すら出来ないのをいいことに、ガラス製の灰皿をつかんで二人をさんざんに殴り倒し、降格をチラつかせて去っていった。この一件で、久我と五十嵐はもちろんの事、二人への理不尽な仕打ちに他の多くの組員からもより反感を買う事になった。
「晋平が河内組に狙われている。お前らはアイツを守れ」
「うるせぇ! 追手が来たらどうする!? 組で守るのが安全だろうが!」
- 4月23日付の動画(久我虎徹)
北岡殺害の指示を出したことに関して全面戦争になるという当たり前の事実を把握していなかった模様。木っ端1人殺した位でなんで殺されなくてはならないんだと理不尽極まりない逆ギレで喚き散らした。このことから天羽組の実力と結束を全く理解していなかったことが確定した。そして、日下は狙われると知ったことでガラをかわし、居場所は組員にすら明かさなかった。
「何ぃ!? 狙いは俺だと!? 木っ端一人殺っただけだろうが! それが何で組長殺しになるんだ!?」
「標的になっているなら俺はガラをかわす! 組の指揮は五十嵐! お前が取れ!」
「チッ! ガキ一匹殺したくらいで目くじら立てやがって!」
関連タグ
天羽桂司:同じ徳島組の組員であり敵対組織天羽組の組長。日下の殺害を狙っている存在。劇中で個人の失態を組員に尻ぬぐいさせようとしたことがある点、刑務所あがりの人間をヒットマンに命じた点は共通しているが、それ以外は全く真逆でありお飾り扱いされている日下とは対照的に天羽のほうは組員から慕われている。