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253系の編集履歴

2022/05/09 22:31:29 版

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概要

1991年3月に成田空港へのアクセス特急「成田エクスプレス」用にJR東日本が新製・投入した直流特急形電車2002年まで増備が行われ、計111両が製造された。翌年には鉄道友の会ローレル賞及び第4回ブルネル賞を受賞している。

車体は普通鋼製で、デザインはGKインダストリアルが担当、欧州を意識したデザインとなっている。

制御装置は当時のJRグループでは一般的だった界磁添加励磁制御を採用、主電動機も205系と同じMT61を採用している。

また、前面貫通扉を有し複数編成を連結した場合でも通り抜けが出来る構造になっているが、非常時以外は乗務員しか通行できなかった。

車内設備は空港輸送に特化しており、フランス製のクロスシートとハットラック式の荷物棚、さらには各編成の車端部に大型の荷物置き場を設置、グリーン車は定員4名の個室と解放グリーンの2つを備えていた。……ここまでは良かったのだが、普通車には何を考えたのかボックスシートを導入。日本では特急=進行方向に向いたリクライニングシートのイメージが強い上にこれでA特急料金(あのスーパービュー踊り子(現サフィール踊り子と同じ料金体系)を取るのでたちまちボッタクリ認定されてしまった。

世界的に空港連絡鉄道は最新最高の設備を入れるのだが、その逆をやったのは珍しい。

2002年ワールドカップ用に増備された200番台の2編成は、205系の転用改造の際に不用となった走行機器類を流用して落成した。これは当時既に界磁添加励磁制御自体が時代遅れと化していた上に在来車と併結する必要があったためである。内装は普通車・グリーン車共に座席は一般的な回転リクライニングシートに改良され、ハットラック式の荷物棚も廃された。

その後、在来車についても内装を200番台に近づける改造を実施、グリーン車は一般的な2+1列のシートとなり、普通車もまともな内装になるかと思いきやまさかの集団見合い式のシートを採用、しかも回転もリクライニングもしないため実質座席の向きが変わっただけである。

向い合せや集団見合いなどは、頭端式ターミナル駅が多いヨーロッパでよく採用されているタイプの並びであるが、日本では頭端式ターミナル駅で方向転換するような運用がごくわずかのため、ケチりたかったというのが本音と思われる。

成田エクスプレスからの撤退

2009年10月、新型スカイライナーへの対抗として後継車両のE259系が登場し、「成田エクスプレス」の運用からは2010年6月末で終了した。

このうち、車齢が若い200番台の2編成は、東武鉄道への直通特急「日光」・「きぬがわ」用に改造された。詳しくは253系1000番台の記事を参照。

また3両編成の2本は長野電鉄へ譲渡され特急「スノーモンキー」用の2100系となった。デザインこそ変わったものの、内装は特に手を入れられていないためもし乗車する機会があれば(かえって貴重になった)座席を体験してみるのも良いかも知れない。因みに特急料金は100円、個室はそれに+1200円と大変リーズナブルである。

これら18両以外は新製から最大20年足らずでの廃車された。(クロ253-1のみは解体を免れ長野総合車両センターにて10年近く放置されている。)

一部の鉄道ファンからは「せめて185系の置き換えにでも使えばいいのに」という声もあったが、ボックスシートや固定クロスシートで185系の回転リクライニングシートよりアコモデーションが劣る上、空港輸送に特化し、実験要素を多く含んだ設計のため、長編成運用前提で汎用性が重視される185系の運用に適合させるには、編成最小単位から接客設備まで大規模な改造が必要で、新造に近いコストが必要であっただろう。

……そもそも185系も国鉄型特急が目に見えて減った2010年代後半まで253系と似たような理由でボロクソ言われてたことは気にしちゃだめだ(1995年頃から改造が実施され現在の内装になった)。

ちなみにあまり知られていないようだが埼京線で160km/h走行試験をやったことがある。

ちなみにこの試験は単純な速度向上ではなく試作品のレールブレーキのテストがメインであり、253系を使った理由は「160km/h走行が十分可能な性能だったから」というものだそうで。

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