カイザーブルドント
かいざーぶるどんと
「愛だと！？そんなものがあるから人間は弱いのだ！地獄へ行けオーレンジャー！！」
CV：関智一
概要
マシン帝国バラノイア第三代皇帝。
皇位継承の決闘に敗れて死亡した皇子ブルドントが、皇帝バッカスフンドのエネルギーによって復活した姿。
一度は自分を破ったボンバー・ザ・グレートを打ち倒し、新皇帝となった。
絶大な戦闘力と冷徹な頭脳を併せ持ち、いとこでもある妻・マルチーワとの連携攻撃でオーレンジャーを苦しめた。
成長前は2頭身だったが、成長後はナポレオンを思わせるスマートな外見になり、サーベルを使うようになった。幼稚だった性格も冷酷かつ執念深いものに変わり、自分を破壊したボンバー・ザ・グレートに対しては、「身体の自由が利かない」という苦しみを味わわせるため洗脳をわざと不完全にするような陰湿な復讐を行った。
また当時の視聴者を戦慄させたボンバーの手首を切り落とした後、妻と共に両腕を武器に改造し一時期的に正気に戻るようプログラムするという他作品の組織でも類を見ないレベルで残虐な行為をしている。
プライドも高く負けを認めない。体は成長しても心は子供のままで、言動にも若干幼さが残っている。
あくまでも彼の策士としての一面を強調する演出のためか、これといったチートじみた技はないが「ゴッドスラッシュタイフーン」を思わせる風属性の攻撃（妻は火属性がメイン）があり緑色のオーラに包まれながら忍者のように高速回転して敵を切り裂く。
サーベルからビームを放ち妻が持つマルチアローと共に連携攻撃を繰り出す事も可能。二人が光弾となって体当たりするラブラブペアアタックも使用頻度が高いが決して万能ではなくボンバー以外には通じずガンマジンを含めたオーレンジャー達によって何度も阻止され破られている（にも関わらず、二者のAIの仕様なのかラブラブペアアタックが強化されるという事は無かった。もっともこれが功を奏したとも言えるが…）
終盤、オーレンジャーが暗黒素粒子の手違いにより奇跡的に超力の故郷に行っている間、地球侵略を成し遂げる。
しかし最後には勇気の源で自動変身したオーレンジャーたちに追い詰められ、自ら巨大化をして決戦を挑むが、キングピラミッダーのスーパーレジェンドビームによってマルチーワ共々破壊されて砕け散った。
愛に気付けなかった存在
冒頭のセリフの通り愛を否定していたにもかかわらず、妻のマルチーワとは最終的に子供まで作ったほどのラブラブバカップルであり、最期も抱き合い自分から地面に倒れる形で爆散するなどあからさまに発言と行動が矛盾していた。彼の出自を考えるに"よく分からないけど両親が積極的に否定したがっていたから否定するべきものだと思っていた"、つまり本当の愛の意味を知らなかっただけという解釈が出来なくもない。
そもそも彼が復活出来たのは思想を植え付けた側であったはずの父親の自己犠牲のおかげであり、母親もまた次期皇帝の座椅子を巡る動乱や孫の誕生を通じて愛の本当の意味に気づくことになる一方で、彼らだけは最期まで気づくことが出来ずに散っていく形となったのはどこか皮肉的であると同時にある種のやるせなさを憶える結末であった。
余談
パワーレンジャー版での名称は「Prince Gasket」。
原作とは異なり、Prince Sprocket（皇子ブルドント）の兄という設定で登場している。また、Princess Archerina（マルチーワ）とは従兄妹ではない。
90年代前半の平成戦隊では『ジェットマン』から「敵の首領または黒幕の子供が強敵やラスボスとして登場する」という流れが続いていたが、カイザーブルドントでこれが途切れた。
