プロフィール
真名 | ドン・キホーテ(アロンソ・キハーノ) | サンチョ・パンサ(+色々) |
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クラス | ランサー | ランサー |
性別 | 男性 | 女性 |
身長 | 148cm | 169cm |
体重 | 50kg | 54kg |
出典 | 『ドン・キホーテ』 | 『ドン・キホーテ』 |
地域 | スペインを始めとしたヨーロッパ全域 | スペインを始めとしたヨーロッパ全域 |
属性 | 秩序・善・地 | 混沌・中庸・地 |
好きなもの | 騎士道 | 読書と執筆 |
嫌いなもの | 臆病な自分 | 特に無し |
ILLUST | 村山竜大 | 村山竜大 |
CV | 飛田展男 | 新井里美 |
「あと20cmくらいサバ読んでもいい?」
「無謀です旦那様」
概要
メインクエストの第2部6.5章死想顕現界域トラオムにて登場するランサーのサーヴァント。
身の丈以上の槍を持つ非常に小柄な老人騎士と、そんな彼にメイド従者として付き従う獣耳のメガネ女性。
直前スペシャルの生放送で流れたプロローグにて、カール大帝としてシルエットで登場していた二人組の正体。
シルエットの時点で、『大帝にしては小さくね?』といった理由で別人と(ほぼ)断定されていた。
ひょんな事から王道界域を支配する立場になったが、正体がバレたらヤバい状況な為、結構綱渡り状態であった。また本人いわく、『カルデアには借りがある』らしいが?
真名
その名はアロンソ・キハーノ。
スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスの小説「ドン・キホーテ」に登場する主人公。
「ドン・キホーテ」という小説は、このアロンソ(50歳)が騎士道物語(今でいう所のヒーローもの)の読みすぎで現実と物語の区別がつかなくなり、「遍歴の騎士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」を名乗って旅に出る、という物語である。
「ドン・キホーテ」は現在でいう所の「短編集」にあたる形式のお話であり、ボケ役のドン・キホーテとツッコミ役のサンチョ・パンサがそれぞれの話でドタバタ劇を繰り広げる以外に特にあらすじはない。なんなら文中でメタネタに言及することも。
ただ、農夫のサンチョ・パンサを従者にしていること、ドン・キホーテのまたがる馬はロシナンテという名前でガリガリに痩せていること、ドン・キホーテの旅の目的が「騎士として世直しをする」こと、そしてドン・キホーテ自身は武勇伝を何一つ持たない「ただの人」であり、この物語に竜や悪魔や巨人といったファンタジックな存在は一切登場しない、という大筋は各話で共通している。
アロンソ改めドン・キホーテはあちこちで騒ぎを起こしては痛い目に遭うコメディリリーフなのだが、豪農の家出身で読書家だっただけあって、意外にも賢い人物。
しかしなぜか自分が騎士だという思い込みだけは一切曲げることはなく、結果、彼は三回も「世直しの旅」をやりとげることとなる。
ドン・キホーテが正気に戻ったのは三度めの旅の後、病気にかかり床にふせってからようやくのこと。
だが歳もあって快方に向かうことはなく、彼はそのまま亡くなるのだった。
ジキル&ハイドやホームズ同様に文学出典サーヴァントだが、型月では実在の英霊として成立している。
作中でも世界一有名な騎士で下手をすればアーサー王よりも認知されているかもしれないという位置付けの為、サーヴァントが成立するために必要な信仰面は問題ない模様。
功績面は原典記事の項目に語られているような、古くからの英雄譚や英雄像に一石を投じた人物であるからと推測される。
人物
小さい男性がドン・キホーテ本人。十二勇士達に対して大帝と偽り操っていたが、言動が怪しく普通にボロを出している。
世間一般では哀しいほどに前向きな狂った老人として描かれる存在だが、英霊としての彼は夢から覚め亡くなった所までの全てが「全盛期」とされているらしい。
その為、精神性は村人アロンソに近く、己が「妄想に憑かれていた凡人」である事を自覚しており、臆病で自己評価も低い。
しかし人や仲間を助けようとする善性自体に偽りはなく、ある場面ではあまりにも無謀、しかし本物の騎士の如き意地を見せている。
女性の方はサンチョ・パンサを名乗り、理知的でドン・キホーテを旦那様と呼び慕いサポートする。
どうやら相棒のサンチョ、愛馬ロシナンテ、姫ドゥルシネーアといった、彼の空想譚を構成するものが集合した存在らしく、姫の要素が表に出てくるとドレス姿に変わる。
これはマテリアルによれば、サンチョそのものは幻霊に近い存在だからであるとの事。
彼女はあくまで主の安全が最優先であり、そのためならドン・キホーテの意志を無視してでも仲間を裏切る事を躊躇わない一面もある。
ただし彼女の立ち位置で考えると、ドン・キホーテは『戦場に放り込まれた一般人』に等しく、主を守る為に形振り構わない姿は決して責められるものではない。結局裏切った陣営に戻る羽目になった時も後ろめたさを感じる描写がある。
霊基再臨も他のサーヴァントに無い特徴があり、ドン・キホーテは黄金の鎧からどんどんボロボロの現実寄りの姿に、逆にサンチョは煌びやかな幻想寄りの姿に、まるでドン・キホーテの人生をなぞる様に変化していく。
しかしサンチョの叱咤激励もあり、老人の姿のままで現実という名の「巨人」へ勇気を振り絞って立ち向かうのであった。
能力
知名度・信仰という点では英霊の中でも上位だが、出典の関係上、どこにでも居るようなただのお爺さんであることに意味を持つサーヴァントであるため、戦闘能力は対して高くなく、宝具による強化・弱体化でそれを補う支援タイプ。
戦闘スタイルは主に自身よりも巨大な槍を振り回し、跳び跳ねる様に、というかドン・キホーテ自身が放り投げられる形で突撃する。
ステータス
筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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C | C | C | C | EX | EX |
保有スキル
対魔力(E) | 魔術に対する抵抗力。Eランクでは無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する程度。 |
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騎乗(E) | 乗り物を乗りこなす能力。騎乗の逸話がある者の中では破格の低ランクであり、もはや普通の馬さえ乗りこなせるのか定かではない。 |
同行従者(B) | 二人一組のサーヴァントの特殊形式。ドン・キホーテが斃れた場合はサンチョも消えるが、サンチョが消えてもドン・キホーテは消えない。 |
遍歴騎士の大冒険(EX) | ドン・キホーテの大冒険。愛しいドゥルシネーア姫の美しさを世に知らしめるため、彼があらゆる場所に赴き、正義と善を振りまいた。…という大冒険の逸話をサンチョが語る。 |
開くは夢想の扉(EX) | 扉を開くことにより夢想の騎士へ。閉じることにより現実へ。現実との境目を曖昧にする「狂化」スキルの亜種であるが、凶暴化するのではなく、あくまで騎士として勇敢になる。しかしそれはやはり向こう見ずな存在になるという事で、具体的に言うと風車に向かって突っ込む位の行為は平気でやる。 |
閉じるは現実の帳(E) | 現実へ帰還する。それは無力な老人に戻り夢を捨てるということである。しかしそれでも、老人は現実で戦わなければならないのだ。 |
宝具
嗚呼、愛しき姫に捧ぐとも我が槍を!(ヴァリエンテ・アサルト・デディカド・ア・ラ・プリンセッサ)
- ランク:D++
- 種別:対巨人宝具
- レンジ:1~10(突撃距離含む)
- 最大捕捉:1人
「我が宝具、お見せしよう!」
「騎士たる者の勇気、今こそ見せる時!」
「それでは参りましょう!」
「「『嗚呼、愛しき姫に捧ぐとも我が槍を!(ヴァリエンテ・アサルト・デディカド・ア・ラ・プリンセッサ)』!!」」
ドン・キホーテの最も有名な逸話。風車を巨人と思い込んだ突撃を宝具にしたもの。
サンチョが光と共に愛馬ロシナンテに変身し、ドン・キホーテが騎乗して突撃する。
ただしサンチョいわく『軟弱』な宝具で、数多の攻撃宝具に比べた場合凡庸と言わざるを得ず、物語としても風車に弾き飛ばされたオチがあるため、自分の方に多大なデメリットがある。
しかしこの宝具の肝は、巨人と信じ込みながらも臆さず突貫したという逸話から、周囲に強いバフをかけつつダメージを与える支援効果のほうにある。
嗚呼、この惨たらしくも優しい現実を(トリステ・スアペ・アロンソ・キハーノ)
- ランク:EX
- 種別:対人宝具
- レンジ:1
- 最大捕捉:10人以内
「ドン・キホーテ」を構成する夢想のヴェールを自ら捨て去り、彼が暮らしていた現実の田舎を疑似再現する事で、周囲の魔力や神秘を減衰させていく現実回帰宝具。対象がいかに強い神秘を持っていても、それを17世紀スペインにおける現実社会レベルにまで希釈させる。
ただし自分を対象に相手を巻き込むものなため、使いすぎるとサーヴァントたる自身が真っ先に消滅しかねない、ある意味文字通りの壊れた幻想。
この宝具はサンチョ側の権限が強く、2人揃っていれば彼女だけでも発動できる他、致命的な減衰が及ぶ前に止める事も可能。
基本的には自他への強烈な弱体化宝具であるが、スキル『閉じるは現実の帳』と関連付けられており、様々な不可能を現実的な願望として実現させることができる。
初登場の『死想顕現界域トラオム』の副題「或る幻想の生と死」に相応しい宝具であると言えよう。
ゲーム上の性能
遍歴騎士の大冒険(EX) | 自身のQuickカード性能をアップ(3ターン)&Busterカード性能をアップ(3ターン)&ガッツ状態を付与(1回・3ターン) |
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開くは夢想の扉(EX) | 自身の攻撃力をアップ(3ターン)&毎ターンNP獲得状態を付与(3ターン)&毎ターンスター獲得状態を付与(3ターン) |
閉じるは現実の帳(E) | (自身のNPが30%以上ある場合のみ使用可能)自身のNPを0%にする(デメリット)+自身を除く味方全体のNPを増やす+スターを獲得 |
宝具性能は「敵単体に超強力なQuick属性「巨人」特攻攻撃+自身のHPを1000減らす(デメリット)+味方全体の攻撃力をアップ(3ターン)&クリティカル威力をアップ(3ターン)」。威力も他者のそれと見劣りはしない上に味方の支援もこなせる、なかなかに優秀な代物である。
関連人物
生前
ミゲル・デ・セルバンテス
16-17世紀前半のスペインの作家で、「ドン・キホーテ」の作者。
サンチョ・パンサ
ドン・キホーテ宅の近所に住んでいた農夫。「パンサ」は太鼓腹の意味で、その名の通り見かけは太鼓腹のおじさんである。
ドン・キホーテは「島を手に入れたらそこの統治を任せる」というご褒美で彼を釣り、従者に仕立て上げた。
ドルシネア・デル・トボーソ
ドン・キホーテの想い人。先にもある通り、彼の妄想の産物である。
が、誕生の経緯は意外にあっさりしており、「騎士をやるからには想い人が必要では?」と考えたアロンソが、近所の娘であるアルドンサ・ロレンソをドルシネアだと思い込むことにした、というもの。
つまりは騎士というロールプレイをする為に生み出された人物であり、ドン・キホーテは(想い人という設定にはしているものの)ドルシネアにそこまで入れ込んでいるわけではない。
Fate/Grand Order
彼の持つ宝具『銃士達よ、風車に挑め(マスケティアーズ・マスカレイド)』は銃士達がデュマの著書である「三銃士」、風車に挑めはこのドン・キホーテのエピソードから来ていると思われる。
契約したマスター。
ただの老人でしかなかった自分を信頼してくれることに感謝している。
サンチョは6.5章クリア後の台詞で自分というサーヴァントの成り立ちについて打ち明けている。
ストーリー中では彼の名を騙っていた。
アーサー王とは違って、騎士道物語に語られる英雄譚は存在しないものとして扱われ、こちらも英雄的な騎士道に憧れながらも、現実主義の下に国を治めたと伝わる。
一応、Fateではそちらの物語におけるカール大帝も登場する。
そしてストーリー中に共演した幻想の大帝。
現実から逃げずに立ち向かったドン・キホーテに対して、「カッコイイ」と発言し、力を解放すれば48時間後に消滅するリスクを無視して助太刀する。
一方サンチョは彼に対して思うところがあるようで、マイルームでは「騎士避けスプレーとかないでしょうか?」と発言している。これはドン・キホーテがかつて愛読した騎士道物語にシャルルマーニュと十二勇士の冒険譚が含まれるためと思われる。
因みにドン・キホーテを救った第16節のタイトルは、『勇敢なる騎士のために王が来た』。
ドン・キホーテが正真正銘の騎士と成った事が分かるタイトルである。
サンチョがカルデアで目撃した結果、「ロシナンテ要素が耳と尻尾だけに留まって本っ当に良かった」とコメントしている。
下手すりゃ「ドン・キホーテを名乗るケンタウルス」に仕上がると考えれば当然の反応である。
余談
その知名度ゆえ以前より登場を予想されていた英霊で、逸話から傍迷惑な星1バーサーカーだろうと考えるファンも多かったようだが、実際は正気に戻った後に成長した姿という、意外な形での実装となった。
ドン・キホーテを演じた飛田氏はアニメ版『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』の第0話にてロード・エルメロイⅡ世の命を狙った魔術使いを演じており、またサンチョを演じた新井氏は『世界征服~謀略のズヴィズダー~』にてホワイトカルガモを演じている。
この2人を演じたのが飛田氏と新井氏という事で、一部では劇場版のこの作品を連想したプレイヤーもいた。
その為か「スイカバー」と呼ばれる事もある。
偶然にもドン・キホーテ実装時に「青いスイカバーの発売が決定した」という情報がネットで流れている。
なお、あちらの2人は「TV版では戦いの果てに狂ってしまった主人公」と「主人公が帰還すべき現実の象徴であり、劇場版で精神崩壊しなかった一因となった(狂ってしまったTV版でもなんやかんやの末に現実へと帰還させた)ヒロイン」である。
関連タグ
Fate/GrandOrder サーヴァント ランサー(Fate)
ウマ娘:サンチョの中にロシナンテが混ざっているため、ある意味では同類と言えなくもない。
この先本編中盤以降のネタバレ注意
従者であるサンチョの回想によると、彼はアトランティスで自主退去したサーヴァントの一人であったという。
神代の魔術師であるメディア・リリィを筆頭に、多くの魔術師がありったけの加護をかけたギリシャの大英雄が主神でもないたった一柱の神の攻撃二発で蒸発してしまい、その強大な力を目の当たりにしてしまったドン・キホーテの心は恐怖で折れてしまったらしい。
実際にそれでもなんとか海を越えた先遣隊(破神同盟)は、その先のオリュンポスで待ち構えていた神たちの前に手も足も出ず全滅している。
そして逃げるようにアトランティスの海から退去したのだが、その際使った第二宝具が異聞帯という環境と何らかのバグを起こしたのか、気づいたら特異点トラオムに転移していたという。
転移後も何らかの形でその後の第五異聞帯で起こった出来事についての情報を入手しており、その際に異聞帯攻略を成し遂げたカルデアのことも知った模様。
またアトランティスから退去したサーヴァントは彼一人ではなく、他にも何人かいたらしい。
シナリオクリア後の追加ボイスで判明するのだが、実はサンチョを構成する要素の中には『ドン・キホーテ』の物語の最後にてアロンソを苦しめた「熱病や"現実という概念"」までもが含まれており、彼に対し献身的に尽くすのはその罪悪感もあっての事。
宝具『嗚呼、この惨たらしくも優しい現実を』の権限をサンチョ側が持っているのも同様の理由だと思われる。