概要
CV:荒川美穂(リメイク版)
『LIVE A LIVE』の中世編のヒロインであり、物語の舞台であるルクレチア王国の姫君。徹底した箱入りで育てられてきた為に世間知らずで純真。またその美貌でも知られ、国中の注目を集めていた。良くも悪くもいわゆる典型的な「お姫様」であり、テンプレなファンタジーのヒロインとしての設定・性格を備えている。
オルステッドとの関係
ルクレチア王国では武闘大会が開かれており、優勝者にはアリシアに求婚する権利が与えられる事になっていた。そして、武闘大会はオルステッドが優勝し、オルステッドに求婚されたアリシアはこれを快諾した。その夜、宴の後オルステッドと2人でテラスに出たアリシアはオルステッドに「誰よりもあなたを信じます。」と誓い、親密になっていく。
しかし、その直後、突如襲来した魔物によりアリシアは拐われ、東の魔王山に連れ去られてしまうのであった。
そして……
結末
魔王山でストレイボウに先んじて救われたアリシアは一命を取り留めていた。そして、必死の思いでオルステッドが彼女を助けに魔王山に頂上に到着したとき、待ち構えていたのは魔王ではなくストレイボウだった。
全てはストレイボウの謀略で、死闘の末ストレイボウを倒し、悲嘆に暮れながらも愛するアリシアに近づこうとするオルステッド。
だが…!
「近寄らないでッ!」「あなたには負けるものの気持ちなんて分からないのよ!」
「ストレイボウ… もう何も苦しむことは無いわ…」
「私が… ずっと一緒にいてあげる!」
彼女はストレイボウを擁護し、オルステッドを拒みその後、短剣を自分の胸に突き立て、ストレイボウの後を追って自害した。
オルステッドは信じていた仲間を失い、王殺しの汚名を着せられ、親友には拒絶され、愛する人に裏切られる……と完全に心の支柱を失い魔王オディオとなってしまった。
そしてアリシアはオルステッドが魔王になる最後の引き金を引いた、魔王誕生の鍵となる。
こうして人間は滅ぼされルクレチアは崩壊した…
最終編にて
最終編にある心のダンジョンの最深部にて、自害した彼女の魂に会う事が出来るのだが、そこで彼女は「お願いです···止めてください…オルステッドを」※とプレイヤーに頼んでくる。ストレイボウは自らの行動がオルステッドを狂気に走らせてしまった事に「俺の…せい…なのか……」と後悔している節があるが、アリシアは「オルステッドを追い詰め、魔王の引き金になった事に気づいていない」、または「他人事なのではないか」等の意見もあり、これも悪女認定に追い打ちをかけた。
だが、このアリシアの請いは皮肉な事に魔王オディオからすれば「助けを請うばかりだっただろう?」と、人間の身勝手さとして唾棄すべきものと看做されているのである……。ちなみにこの「助けを請うばかりだっただろう?」のセリフはバルコニーから魔物によって魔王山へ拐われた時にオルステッドに助けを求めた彼女のセリフと照らし合わせると魔王オディオにとってアリシアに対する失望にも見えてくる。
※この時のアリシアは泣きグラで、時田氏も開発ウラ話にて「ちょっと最後のメッセージで(アリシアの)フォローしたつもり」と明言している為、アリシアにも(一応)自責の念はある模様。
彼女の評価
俗に言われている「スクウェア三大悪女」の1人に数えられるキャラとして知られている。
実際には、彼女自身に悪女としての性格や態度は皆無に等しいのだが、オルステッドの非業を体験したプレイヤーたちからの評価はすこぶる悪い。
オルステッド(≒プレイヤー)からしてみれば、あらゆる苦難を乗り越えるも親友に裏切られ、その挙句が恋人の心変わりなのだからさもありなんと言うものである。
彼女の評価値を下げている最大の要因は、言うまでもなく180度と断言して良い程に立場を変えて、完全にストレイボウの擁護に回ってオルステッドを責めた上に拒絶した事。スタッフをして「怖い女」と言わしめている※。その為、彼女に関しては多くのゲームファンが罵詈雑言を並べ、酷いと「男を簡単に乗り換える女」とさえするほど荒れる傾向にある。
また、そうしてオルステッドが魔王化する要因を作ったにもかかわらず、心のダンジョンでは反省の色もなく(とプレイヤーに取れる態度で)「オルステッドを止めてください」と願うのみ、と言うのも、批判の要因である。
※本作をプロデュースした時田貴司氏は、自らが嫌いな人間像をしたキャラクターを作ることがあるが、後年に時田氏はファンからの質問でアリシアは悪女ではなく「籠の中の鳥」を意識したと語っている。
しかし、この扱いには多くの懐疑派・アリシア姫擁護論も存在する。
そもそも、オルステッドとアリシアは愛し合っていたのか
まず、彼女とオルステッドが結婚する事になったのは、オルステッドが武闘大会に優勝したから、でしかない。
2人は武闘大会の場が初対面である(優勝時、アリシアは「オルステッド様とおっしゃいましたね」と言っており、名前すら知らなかった事が分かる)。
確かに、宴の夜には「よろこんで……あなたの妃になりましょう」「誰よりも……あなたを信じます」とは言っているが、それはせいぜい出会って半日と言うところ。
アリシアに好意的に見ても姫の責務を果たしているだけ、悪意的に見れば恋に恋しているだけと考えるのが自然で、真実彼を愛していたのかには疑問が残る。
そしてそれは逆に、オルステッドの側からも同じ事であり、武闘大会の栄誉として得た姫との結婚や汚名を着せられた後の、最後の縋り所以上の事を考えていたのか。
本当にアリシアと言う一個人を愛していたのかは、やはり疑問である。
お互いがあくまで立場として婚約しただけで、実際に愛し合っていなかったのであれば、その破綻が容易に訪れるのも、当然の事であろう。
アリシアの持つ情報の不足
プレイヤーにとっては、オルステッドは濡れ衣で嵌められただけ、ストレイボウに裏切られただけ、と分かる。だがそれは、あくまでプレイヤーがオルステッドの視点でプレイして来たからである。だが、アリシアの立場からして見ると、そんな事は一切分からない。
「なぜ……来てくれなかったの? 私は待っていたのに…… この人は……ストレイボウは来てくれたわ!」と言う台詞から見ると、アリシアの認識では、一向に助けに来てくれない婚約者が、ようやくやって来たと思ったら命の恩人を殺害したと言う事になる。
これでは、オルステッドに恨みを抱くのは当然である。
もちろん、その状況であっさりとストレイボウを信じて騙され、オルステッドを信じなかった、と言う点はアリシアの瑕疵と言える。
ただ、ストレイボウはオルステッド到着の前に、アリシアにいろいろと嘘を吹き込む事が出来た。それも、命の恩人としての立場で、である。
この嘘を、箱入り姫であるアリシアが疑うのは難しいだろう。
ストックホルム症候群説
2人きりでいる相手と険悪な関係になる事は、特に生殺与奪を握られている弱者の側にとって生命の危険につながる。
そのため、関係性を良好に保つべく、被害者が加害者に好意を抱きやすくなる、と言う臨床心理学の学説。PTSDの一種とされる。
アリシアとストレイボウは、魔王像内部で長時間2人きりでいたと考えられる。
もしストレイボウがアリシアを害しようと思えば、アリシアになす術はなかっただろう。
そうした状況下で、ストレイボウに嫌われないよう好意を向けるのは、心理学上、決して不自然な話ではない。
魔王像原因説
中世編において、ストレイボウがオルステッドへの復讐を目論んだのは、全て魔王像に触れた後からである。
「その(魔王像の仕掛けに気づいた)しゅんかんおれの……いままでおさえていた気持ちが爆発した!」と言う台詞もある。
この事から、魔王像には悪意を増幅する仕組みがあるのではないかと言う考察が存在する。
事実、中世編ラストにおいてオルステッドが「わが名は……魔王……オディオ……!」と名乗ったその瞬間、魔王像の瞳が輝くと言う描写もある。
魔王像が何かしら、特別な力を秘めている可能性は高い。
そしてアリシアも、この魔王像によって、オルステッドへの悪意を増幅されたのではないか、と言う説である。
中世編のメタ構造
そもそも中世編は王道的なヒロイックRPGのアンチテーゼとして作られた作品である。
そのため、(おそらく意図的に)キャラが非常に薄い。
アリシアも一個の人格を持つ女性と言うよりは、攫われて主人公の助けを待ち、助けられたら惚れると言う、いかにもな典型的ヒロインでしかない。
アリシア以外も、大して姫とつながりがないのに、命がけで救い出しにいこうとする勇者オルステッド、友と言うだけでオルステッドの危険な旅に付き合う相棒ストレイボウなど、テンプレート的な、薄い描写と設定しかない。
ところが、そのテンプレートである筈のキャラクターが、友でありながら裏切って立ちはだかる、姫でありながら勇者を拒絶する、と言うように次々と役割を放棄し、最後には主人公ですら、勇者でありながら魔王となってしまう。これこそが中世編を衝撃的なストーリーたらしめている仕組みである。
ドラクエ型で台詞のない主人公であったオルステッドが、最後の瞬間、自ら台詞を述べる事でプレイヤーの手から離れてしまう、と言うシーンがあるのも、その証明だろう。
その衝撃から逆算してアリシアのキャラが作られたと考えるなら、つまりアリシアとは、プレイヤーに衝撃を与える為だけの存在である。
だとすれば、そもそも、アリシアに悪女と呼べるほどの人格があるのだろうか?
そもそもの描写不足
前節で述べた通り、中世編は王道RPGを模しているがゆえに、意図的にキャラや設定が薄い。
アリシアが今何を思っているのか、何故そんな行動をしているか、などと言う説明はほとんど存在しない。
そのため、叩こうにも、擁護しようにも、描写が足りなすぎて根拠に欠ける。(極端な話、初代ドラクエのローラ姫を救出する際、持ち物がいっぱいだとアイテムを欲しがるイベントが挟まるが、それを以て彼女を「クレクレ女」と決めつけるのと同じレベルの描写、根拠不足)
はっきり言ってしまえば、アリシアが善良な姫か悪女であるかなど、劇中の描写からは一切分からないのである。
にも関わらず今日、アリシアは悪女と決めつけられる事が多い。
その典型的な例が、心のダンジョンでの台詞である。アリシアはここで、「お願いです……止めてください……オルステッドを……」としか言わない。
この事から多くのプレイヤーに、オルステッドが魔王になった元凶にも関わらず反省の色が無い、と取られている。
しかし、本当にそうだろうか。反省しているからこそオルステッドを止めて欲しいと言ったのかもしれない。
もちろん、全く反省せず言っているのかもしれない。だが、この台詞からは、どちらであるのかなど、全く分からない。
また、この心のダンジョンのアリシアは、真相をどこまで知っているのか。
ストレイボウに騙されたと気づいているのかいないのか。そういった描写も一切ない。
そもそも、プレイヤーは先程までオルステッドの立場でプレイしていたが、心のダンジョンに侵入したのは通りすがりで初対面のアキラ達である。
オルステッド本人に対してはまた別の感情や思いを抱いている可能性もある。
かくも描写が少ないにも関わらず、プレイヤー達は、たった一言の台詞をもって『反省がない』と言う。
憎しみを向けたいから、叩きたいから、反省していないと決めつけてはいないだろうか?
相手の事情も状況も考慮せず、一方的な視点や主観で相手を非難し、拒絶するというアリシアの行ってしまった過ちをプレイヤー自身が犯していないだろうか?
彼女は清廉潔白ではないかもしれないが、1から10まで拒絶されて然るべき破綻者でもないのだ。
ただ一つだけ言わせてもらえば中世編は何もかもが一方的で、そもそもプレイヤーがオルステッドを操作している時点で何一つこちらから反論させる余地も無いのである。
トロフィーワイフ問題
『功績を上げた勇者が、助けた姫と結婚する』と言うのは、古来より定番の物語である。
だがそれが転じて、逆に『姫は勇者が功績を上げた時に与えられる賞品である』『賞品はおとなしく、勇者に従うべきである』と言う思い込みが生じがちである。
アリシアが悪女と憎まれている事に、主人公のモノとなる筈だったヒロインが、それに逆らったからと言う理由は無いだろうか?
実際、そもそもオルステッドを嵌めた元凶は、ストレイボウである。
(先の魔王像原因説をとりあえず無視すれば)情報不足もなく、完全に自らの意志で、友としての信頼を裏切り、直接オルステッドを嵌めた張本人である。
心のダンジョンでのセリフも「俺の……せいなのか……あいつが……こんなになってしまったのは……」と言うもので、悪意的に見れば当たり前だろう、反省が無いのか、と批判する事もできる。
にも関わらず、中世編の裏切りでもっとも批判されるのはアリシアであり、ストレイボウが批判の最前線に立たされる事は少ない(リメイク版では「俺の……せいなのだ……あいつが……魔王になってしまったのは……」と、声優の演技力も相まって自分がやってしまった事への自覚があり、より後悔している様子がはっきり見られるようになっている)。
そこにヒロインのくせにと言う思いは無いだろうか?
はたしてそこに、アリシアと言う一個人、一キャラクターを尊重する気持ちはあるのだろうか。
ただし
こうして文章を連ねて来たが、先にも述べたとおり、アリシアについては描写不足である。
それはつまり、ここまで述べて来た擁護も、アリシアが悪女ではないと言う擁護ではなく、アリシアが悪女とは限らないと言う擁護でしかない。
劇中の描写から確定する事など、ほとんど存在しないのだ。
あるいはだからこそ。
見る者によって悪女ともそうでないとも取れるからこそ、こうして今も語られている、とも言えるだろうか。
セントアリシア
ピュアオディオ戦で彼が繰り出す攻撃であり、異空間から金色の女性の顔と手が現れ絶叫と共に骸骨の姿に変貌して石化+眠り+酔い+Lv100%ダウン+ダメージを与える。アリシアとの関係は不明であるが、その名とは裏腹に人間に牙を剥いてくる凶悪なものである。
サントラでの「PURE ODIO」で楽曲のフェードアウトにセントアリシアのSEが重なり絶叫で終わる。この絶叫は果たして何に対する叫びなのであろうか・・・?
なお、リメイク版PVの一つで短いながらも叫び声共々堂々と出てくる(おそらく叫び声は新規収録)
リメイク版ではさらにオリジナル版よりもエフェクト共々長めでしかも生々しい絶叫と共に赤い瘴気を円状に拡散した上に火柱のように噴き出す。
実はリメイク版だとピュアオディオのルーチンが変更されたらしく、正確な条件はよくわからないがピュアオディオのHPが半分を切った状態かつ味方が複数固まっている状態でピュアオディオの正面あたりにいないと使わないようだ。散開していると、キャンセラレイやデスパースペースやライブイレイザーの頻度が多くてセントアリシアを一度も見る事なく倒してしまったというケースが結構ある様子。
FF4イージータイプ版のゼロムス(通称・ゼロムス:EG)が使ってくる石化攻撃『抱擁』が元ネタではないかと推測される。
余談
魔王山で偽魔王を倒した後、オルステッドが夢を見るのだが、その内容は『魔王がアリシアを襲う』と言うものなのだがこの時、アリシアは「来ないで!」と言っている。
また、オルステッドが倒れてゲームオーバーになった際も、上記の夢の中と同じ状況下でオルステッドに助けを求めている(ストレイボウとのラストバトルに敗北した際も同様である)。果たしてこれは末路からしてどういう事なのだろうか…?ただの夢に過ぎなかったのだろうか?
ちなみにこの夢、当然ながらアリシアが魔王にさらわれる前の武闘大会で敗北した際はゲームオーバーになっても一切出てこない。
同じスクウェア・エニックスのブレイブリーセカンドの終盤において、魔王山でのアリシアの降りと非常によく似た展開があるが、こちらではまだ救いがある。
時田氏は「アリシアみたいな女の子女の子してて私かわいいでしょみたいな奴ほど残酷なことするもんです」とも語っており、その辺りを指して作曲者である下村氏は「時田氏の女性観みたいなのが反映されてる」と言う発言を残している。
さらわれた理由の謎
彼女がさらわれた理由についても作中では特に語られていない。先にも述べたように中世編は「王道ファンタジーRPGのパロディ」と言う面もあるので、「魔王は姫を攫うものだから」と言うメタ的な意味合い以上の物は無い可能性は高い。
シチュエーションは城のテラスに手下のドラグノンが出現し、さらに続いて魔王が出現してアリシアはさらわれた。立て続けに2体もモンスターが城に攻め込んできて兵士の1人も出動していないのだから、リアルに考えるなら見張りが機能しておらず、この点からも「アリシアが魔王にさらわれる物語を作るための舞台設定」とでも考えなければつじつまが合わない。
魔王はすべてを憎むものなりと言われている存在であり、アリシアの母もかつての魔王にさらわれたとのこと。しかし、今回アリシアをさらった魔王はそもそも偽者なので、この言い伝えにも該当しない。
ちなみにスクウェア作品のお姫様キャラでアリシアと同じ囚われキャラのままなのはFF1のセーラぐらいで、少なくともFFの姫キャラは揃いも揃って(NPC含む)行動派(中には海賊のおかしらまでいる)である為、アリシアなんぞを目の当たりにしたら彼女は相当どやされるだろう。そもそもその王族も君主自ら行動派揃いだが。
リメイク版
行動自体はオリジナル版と同じ。
宴の後のオルステッドとの語らいでは、互いに心底愛し合っているかのように抱き合っている。
しかし、その直後に魔物が襲ってきた際にオルステッドから離れ、アリシアを庇ったオルステッドが魔物と戦っている間、一切オルステッドの方を見ていなかった(比較対象として、原始編のヒロインのべるは、ざきと一騎打ちしているポゴを応援するような反応をしたり、ポゴがダメージを受けると悲鳴を上げていた)。
そして中世編のラストシーンでは、冒頭の台詞の口調とは異なる、感情が籠もった喋り方になっている(後の回想シーンと比較すると中世編冒頭のアリシアの口調が、淡々としていて業務的な喋り方に聞こえる)。
自害した際も、ストレイボウに覆いかぶさるように倒れる。
しかし、最終編の心のダンジョンでは中世編冒頭と同じ口調でオルステッドを止めるように頼んでいる。他の魂たちは、大臣と兵士たちは魔王に対して憎々しく、少年は頑なにオルステッドが魔王ではないと信じるように、国王は国の滅亡に嘆きながら、ストレイボウは悔みながら、そしてハッシュとウラヌスは魔王に落ちたオルステッドに心を痛めるような声音で遺言を残しているにも拘らずである。
ただ、擁護するなら「一国の姫として初対面のアキラに弱みを見せたくなかった」とも捉えられるが、TIPSによると、アムルクレチアは心のダンジョンを「閉ざされた心」と表現しており、アキラのテレポート事故で偶然心を開き、目的達成後に来れなくなるのは「閉ざされた心は何度も開くものではない」との事らしい(最終編のTIPSはアムルクレチアの証言風になっており、アムルクレチアを撃破することで解禁される)。
この証言を信じるとすれば、心のダンジョンのアリシアの言葉は彼女の本心と捉えることもできる。
なお、リメイク版においてオルステッドは自我すら失っていた事がある場面で判明する。つまりアリシアとの記憶も失われていた可能性も…。
ただし、劇中で赤黒い瘴気を纏っていたストレイボウやオディオ化したオルステッドと違い、彼女は死んでも瘴気を出さなかったことを留意する。しかしそれでも魔王山の山頂での彼女のあの言葉は間違いなく失望と憎悪に溢れていた。赤い瘴気を出さなかった事から、ハッシュ達と倒した偽魔王のような、『オディオ』を作り出すための駒と化してしまったのかもしれない。
見方によっては、「おーでぃーおー」の生贄として捧げられそうになった「べる」、「大隠呼像(御出居)」降臨の為に捧げられた2000人分の60000リッターの液体人間のように、ストレイボウ共々山頂の魔王像に捧げられた生贄…にも見えなくもない。
なお、先述のセントアリシアの絶叫ボイスはおそらくアリシアを演じた荒川だと思われる。そしてリメイク版ではセントアリシアの容姿はよりアリシアに酷似している。だとするともしも、「アリシア=セントアリシア」であるならば、あの攻撃の正体にはこんな推測がある。
- 死してもなお憎しみの力によって繰り返される死への苦痛を攻撃に転化したものである可能性。それ故にオルステッドを止めてほしかったとも想像できる。もしくは考え方によってはある意味彼女に下された最も過酷かつ残酷な罰…でもあるのかもしれない。
- 最終編オルステッドが主人公の場合、オディオ達のHPが半分以下になった時に全てを無に帰す威力のハルマゲドンが発動できるが、ピュアオディオでも実は発動する(ピュアオディオに敗北すると発動する)、先述の通りリメイク版ではピュアオディオのHPが半分以下になるとセントアリシアが発動してくる為、ピュアオディオがこの時発動しようとするハルマゲドンをアリシアが魂を削ってまでも食い止めようとしていたが威力を抑えるまでしかできなかった可能性。
……だが、その後現れた強大すぎる憎悪の力に飲まれた魔王の前に7人は託された彼女の願いも虚しく激闘の果てに次々に倒れ、ついには止める者がいなくなってしまった。
そのような絶望的状況に現れ、強大かつ凶悪な魔王を討ち倒すべく一人立ち上がった者は…
演劇版
2006年に劇団R:MIXにより公演された、時田貴司氏監修の中世編を原作とした演劇『魔王降臨』では、ルクレチア王国の王女であるアリシア=ブルタークが政略結婚を嫌がり、かつての勇者ハッシュのような強い男と結婚したいと願ったため、姫のわがままで闘技会が開かれたという設定になっている(参照)。
もっとも、共通する設定こそ多いもののゲームとはパラレル設定となっているため、演劇版のアリシアの設定がそのままゲーム版の方にも反映されるのかどうかは定かではない。
関連イラスト
関連タグ
べる:原始編のヒロイン。こちらは攫われた後孤軍奮闘する主人公に救われ、のちに決戦ではサポートで事態の打開に貢献するなど王道的なヒロイン。
アニー:西部編のヒロイン。大変気が強く街を荒らすクレイジー・パンチ一味に対抗するために実質的な街の代表ポジとしてヒーローたちに協力を申し出て、街の平和を取り戻したアリシアとはほぼ真逆の存在。
レイチェル・クライン:SF編のヒロインになれなかった女性キャラ。恋人を目の前で失ったという同情すべき点があったとはいえヤンデレ&発狂&協調性皆無等々アリシアほどではないがダメ人間ぶりが目立つ。
ニーナ(ファイアーエムブレム):同じく描写不足故にプレイヤーに賛否両論を巻き起こしている、王侯貴族の女性。