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サイコパスの編集履歴

2022-08-28 05:21:09 バージョン

サイコパス

さいこぱす

共感性や良心が欠け、他人を無意識に操ろうとする人の事。「反社会性人格障害(反社会性パーソナリティ障害)」とも呼ぶ。

同名のアニメについては『PSYCHO-PASS』を参照。


■注意■

この記事は特定の悪役・キャラクター・人物の名称を記載または誹謗中傷する項目ではありません。


概要

反社会性な人格やその持ち主のこと。このような人格(質)のことはpsychopathyといい、これを日本語に訳した「精神病質」といい、精神病質の持ち主を「精神病質者」とする表現が用いられることがある。

精神疾患、またはパーソナリティ障害の一種(もしくは精神疾患と健常の間)として扱われる。パーソナリティ障害としては反社会性パーソナリティ障害と呼ばれ、スペクトラムとして「完全なる」サイコパスでない人もグラデーション的に分布していると考えられる。

パーソナリティ障害に分類される以前は、精神病質人格・社会病質人格と呼ばれていた時代もあった。


犯罪心理学者のロバート・D・ヘアは、サイコパスを以下のように定義している。


  • 良心が異常に欠如している
  • 他者に冷淡で共感しない
  • 慢性的に平然と嘘をつく
  • 行動に対する責任が全く取れない
  • 罪悪感が皆無
  • 自尊心が過大で自己中心的
  • 口が達者で表面は魅力的

このように、「良心や共感性の異常なまでの欠如」、「強大な自尊心からなる自己中心的な言動」という、まさに「人を人とも思わない」ような思考・言動がサイコパスの特徴といえる。


しかし、実際のところは誤解が多い概念である。

何となく自分やその所属する共同体、一般常識の価値観から外れた人間に貼るレッテルとして「サイコパス」と安易に呼んだり、時には自らが異端であると感じた時にサイコパスを自称したりする人も多い。

基本的に真のサイコパスは、自分をサイコパスだとアピールしたりしない。むしろ多くの人が「優秀だけど周りと少し違う面白い考え方をする人」のように思っているポジションにいることもある。

また、多くのサイコパスは自分がサイコパスだと悩むこともない。そもそも、自身が「サイコパスである」と理解し、その性質を自覚的に利用しきれている人は決して多くないと考えられている。


サブカル・創作を中心に(特にインターネット上では)、本来の意味から逸脱して「狂気」「ヤンデレ」「犯罪者」「過激」「二面的」などのキャラを全部「サイコパス」と呼ぶ誤用が多く、もはや第二の意味として定着している。


歴史

最初に提唱したのは、19世紀初頭のフランスの精神科医であったフィリップ・ピネル医師であり、彼は「譫妄(せんもう)なき狂気」という言葉を使い、良心慈悲心による呵責や自制心の一切が欠如している行動パターンを説明しようとした。


解説

サイコキラーなど「サイコ」という言葉のイメージから誤解されがちだが、「サイコパス=殺人鬼」というわけでは必ずしもない…というか、ほとんどのサイコパスは(少なくとも目立つ形で)殺人などしない。また、犯罪者やその予備軍として取り上げられることも多いが、これも同じであり、大半のサイコパスは傍目には一般人として社会に溶け込んでいると思われる


心理学者の原田隆之は、精神病質の人は(※「マイルド・サイコパス」と呼ばれる、性質がそれほど強くない人も含めて)人口の1%〜数%に分布し、これは「クラスに一人くらい」という割合であると著書で言及している。またサイコパスは他人を騙し、取り繕うのも得意なため、専門家でなければその性質を見極めるのが困難であるという。


共感力が低い一方で口がうまく、闘争心・支配欲が異常に強いサイコパスは、競争の過酷な政治の世界やビジネスの場でもストレスを感じにくい。また集団が共感能力があるがゆえに流されてしまったり、判断が遅れてしまうような場面において的確で冷静な判断ができるなど、強みになる場合もある。


組織の長や、優秀な仕事ぶりの人にもサイコパスは数多く、中には慈善事業に関わったり、そのような団体への寄付を行っていたりする者もいるであろう。

しかし、それらが解決しようとする社会の根本的な不条理や不公平、その原動力となる人間の精神の機微や本質には一切関心を示さず、福祉や社会運動、身を切るような善行に何の見返りも求めず関わるサイコパスは皆無と言っていい。


このような特徴は「高圧的で権威的な上司あるいは共同体のリーダー」にも当てはまることは多いのだが、サイコパスは彼らとは違い魅力的であり、いちいち感情の昂りを見せず、相手を打ち負かすより利用することを考える傾向が強い。

また既存の権威や常識を絶対視せず、あくまでそれらを自分の利益を守るために活用する傾向がある。


サイコパスへの誤解

先述のとおり、サイコパスの言葉が一般に広まったことで「ネタ」としてただの変人、社会的に言動がマイナーである者をサイコパス扱いすることも多い。


しかし、実際にはサイコパスは「見てわかるようなもの」とは言い難い。多くの人の共感と良心によって形成される常識そのものの象徴たる一般大衆には、そもそも「非常識」である人は視野の範囲外であり、その存在について熟考することもまずない。そのため、「サイコパス」をなんとなく「常識はずれの人」と捉えて定型化し、サイコパスでない人も一括りにして茶化してしまう。


サイコパスは一般大衆とちょっとおかしな言動をしている人を「サイコパスだね」と茶化すような話にも乗っかり、ここぞという場面以外では問題行動を見せず擬態している。そして、そのように「擬態している人がいる」という発想自体、一般的な人間にはなかなか出てこない。故に誤解する。


サイコパスが多い人種・職業

イギリスの心理学者ケヴィン・ダットンによると、サイコパスは欧米に比較的多く、東アジアでは比較的割合が低いそうであり、前者に関しては企業経営者の何パーセントかは. サイコパスだったという。

同氏による「サイコパスが就きやすい職業トップ10」では上から順に

  1. 社長
  2. 弁護士
  3. テレビ・ラジオマン
  4. 販売員
  5. 外科医
  6. 新聞記者
  7. 警察官
  8. 聖職者
  9. シェフ
  10. 公務員

となっている。


また、アメリカの心理セラピストマーサ・スタウト博士によれば、サイコパスの割合はアメリカでは25人に1人(約4%)とされ、アジア地域の国々では割合が低いと言う事になっている。

ただし注意点として、これは出身国とそれ以外の国で同程度のデータを取れていない状態である事とアジア、アフリカ出身者などへの人種差別になりかねない問題など配慮などもあるので本当に低いのかは分からないと言うのが実際である。

また、欧米諸国では伝統的に個人主義思想が根付いているのに対し、それ以外の国では伝統的に集団主義、全体主義が根付いている国もあることから、個人主義思想と重なる部分のあるサイコパスの言動が明確に区別されているかは疑問が残る。


先述のヘア博士によると、サイコパスは次のような職業に多いと推測されている。


  • 金融商品関係者(投資家、金融プランナー、アドバイザーなど)
  • 政治家
  • 警察関係者
  • 中古車営業
  • 傭兵
  • 弁護士

これは上記の「サイコパスが就きやすい職業」とも一部共通し、いずれも「人前に立つ仕事」、「大きな決断を連続して行わなければならない仕事」が多いと言える。


英国国立医療技術評価機構の調査によれば、一般人口における有病率は男性が約3%、女性が約1%となっている。

しかし、ヘア博士とポール・バビアク博士は上記の結果について、「同じ性質・症状を示していても、女性は自己愛性人格障害境界性人格障害など、別のパーソナリティ障害と混同されている可能性が高い」としている。これには「『女性のサイコパスはいない』と無意識にバイアスがかかっているのではないか」とも指摘している。


2011年にアメリカで行われた実験では、参加者やその家族・友人らへのインタビューによって、その人の「ダーク・トライアド」(※後述)の傾向を調査・数値化した。また、参加者たちの顔を合成して平均値を出した「ナルシスト・サイコパス的な傾向が強い顔のプロトタイプ」を制作し、参加者にも見せたところ

  • 顔を見るだけでもなんとなく「サイコパスっぽい」というような雰囲気はわかるという人が多かった
  • 特に女性が見分けるのを得意としていた

という結果があったという。→論文の掲載ページ(英語)


ソシオパス

サイコパスとソシオパス

詳細はソシオパスを参照のこと。


サイコパスが先天的な性質であるとされる一方で、生育環境(虐待貧困など)やいじめ、犯罪被害、戦争経験といったトラウマなどによる後天的な反社会性質は「ソシオパス」と呼ばれる。

ただし、ソシオパスとサイコパスは精神医学上は両者とも反社会性パーソナリティ障害に分類される。


同じく反社会的な人格を持ちつつも、ソシオパス(やその傾向のある人間)は


  • ナルシストであっても理想とのギャップに苦しむ
  • マキャベリスト(ここでは、目的のためなら手段を選ばない思想)だが昔はそうではなかった
  • サイコパシー傾向だが、身内に対する愛着はある

など、いわゆる「人間味」に溢れている。


故にソシオパスはサイコパスのように賢く自分を偽ることができず、周囲との諍いを起こしやすい。

そのため一般人からすれば「ボロが出やすい」ソシオパスをサイコパス=常識はずれの変わり者と誤解しやすい。


サイコパスの三要素

サイコパスの特徴をわかりやすくまとめると三要素挙げることができる。

これらは正確にいうと「ダーク・トライアド」と呼ばれる。


①ナルシシズム

自分に自信を持っている。そのため周囲からも魅力的に見える。


相手を操作しようとする意欲や闘争心も強い。また一般的なナルシストと比べ、自己愛だけではなく自尊心・自己肯定感も強い。そのためプライドが崩壊しかけても、心が折れることなく目的達成まで我慢できる才覚もある。


②マキャベリズム

何でも利用して目的を達成する。


サイコパスは賢いため、社会一般にタブーとされることはバレないようにやる、犯罪などリスクの高い行為は最後の手段にしておく、など一線を弁える。一方で詐術や嘘は積極的に使う。中にはナルシシズムと相まって虚言癖があるものもいる。行動に対する責任を取ることもなく、誰かにうまく押し付けるのは得意。


③サイコパシー

心に浮き沈みがない。


良心が欠如しており、他者に同情しない。故に(特に対人の場における)ストレスを感じることも少ない。嗜虐的な趣味を持つものもいる。

感情表現が苦手な人間や、内向的で思考型の人間が周囲から誤解されることは多いが、「一見人好きするような人間に見えるものの、実は他者のことなど本気で考えたことはない」人間がサイコパシーである。



サイコパスの種類

サイコパス、ソシオパス、そして人格障害など全ての反社会的な人格の3タイプを挙げる。これらの特徴を二つ以上持っている人も珍しくはない。


暴力型

最も解りやすいタイプ。非常に攻撃的かつ衝動的で、少しでも口論になると、逆上してすぐ暴力に走ろうとしたり、物を壊す、脅迫といった悪質な嫌がらせを行う傾向が強く、場合によってはナイフなどの凶器まで使う形で攻撃するなど、殺人沙汰になることも辞さないほどの自制心の欠如を見せる。

このタイプの人間は常に凶暴で攻撃的な者もいれば、普段は大人しくとも突然激情を爆発させる者もおり、自分が嫌だと思った人間を殺してしまうこともある。また、動物虐待を行っているものも多く、これが暴力が快感のサディズムと結びつくと非常に危険である。


「気に入らない」、「邪魔だと思った」といった極めて思慮の浅い動機から暴力に移る為、一般的な正論や常識論はまず通用しないと思った方が良く、極力関わらないように注意するのが最も無難な対処法である。このタイプの人間に何らかの形で目をつけられてしまった場合は、間違っても話し合いの場を持とうとするなど、独力で解決したりはせず、自分の身を守るべく、早めに周囲や警察に相談すべきである。


実在のサイコキラーやホラー映画などに登場する猟奇的な殺人鬼等に、このタイプが比較的に多い。


サイコパスでなくとも、感情のコントロールが苦手、あるいは過去の不幸から他罰的になっているだけという人がこのような傾向を示すことがある。


暴力型の中でも「巧妙に嗜虐のために暴力をバレないように行う」「昔は暴力行為が目立ったが、世渡りを覚えて更生しただけ」のタイプなどがサイコパスと言える。


寄生型

他人に取り入って自分の利益や保身の為に利用しようとするタイプ。他人が自分の為に尽くすことを当然のように思っており、また物事に対する解釈は常に自分本位で自分の行動や言動に関しても非常に無責任である為、それらが原因で問題が起きたとしても、全く意に返そうとしない。

常に自分の都合を第一優先している為、当然ながら他者への共感は皆無であり、利用する人間の気を引こうと、慢性的に嘘を吐いたり同情を引こうとする演技をする事が多い。利用している者のへの愛情もなく(あったとしても一方的な押し売り)、せいぜい止まり木程度の感覚しかないので、自分が満足であれば利用する人間がどうなろうと気にもしない。それ故に、利用価値が無くなったり居心地が悪くなれば、すぐさま切り捨てて別の人間に乗り換えようともする。


他のタイプと同様、対処の仕方は難しいことに変わりはないが、前述の通り標的にした人間に対する執着心は希薄なので、何かを求められてもこちらが毅然とした態度で拒否し続ければ、次の獲物を見つける為に勝手に離れていくこともあり、基本的に他力本願な為、頼る相手がいないと無防備になりやすい。このタイプは、いくら相手にした所で自分が損をするだけなので、少しでもその傾向があると見たら、まず「相手にしない」のが無難である。ただし、当人にとって何が何でも欲しいと思っている物を持っていたり、相手がストーカーだったりすると、逆に異常なまでの執着心で付きまとってくる可能性もあり、冷静に状況を見て身の危険を感じたのなら、やはり周囲や警察に相談すべきである。


ペテン師ストーカーといった犯罪者等にこのタイプが多いようで、暴力型と同様、後天的に生じるケースが多い。


境界性や自己愛性、演技性などの人格障害が似た傾向を示すこともある。


支配型

その名の通り、他人への支配欲が異常なまでに強く、3つのタイプの中では最も判断が難しく、またそれゆえに非常に危険なタイプである。知能が高く、暴力型のように人や動物に暴力を振るうことや、寄生型のように無責任な言動や振る舞いを見せることは少ない。ただし本質は狡猾そのもので「人を動かすには、自分を善良な人間に見せるのが良い事」を本能的に理解している為、社交的で口先や要領の良さを見せることで魅力的な人間の印象を与えるのが非常に得意。実際、このタイプには、「真面目で勤勉な人間」か「社会的成功を収めている人間」が多く、企業の社長や政治家、弁護士、医者などといった信頼や羨望を得やすい役職に就いている者もいる。


頭が良く人を動かすのに長けている分、その内側に秘めている自惚れやプライドも非常に強い上に、自分が特別な人間と本気で信じている傾向がある。感情を剝き出しにする事は少ないが、内側に秘めた自己顕示欲に関しても強烈で、極端に自尊感情の乏しい者もいるが、自身の歪んだ正義感や思想を絶対視した価値観の為、結局考え方が身勝手であるのには変わらない。


一方、自分以外の他人に対し物同然の認識しか持たない事から、邪魔する者、あるいは自分にとって邪魔な者に対しては、容赦なく排除しようとするが、自分の手を汚すような直接的手段は好まず、むしろ他人を扇動する形で間接的に攻撃を行おうとし、時には普段の様子からは想像の出来ないほどの陰湿で残忍な手段に出ることもある。


冷静に見えて本質的には暴力型と同等の凶暴性や衝動性も窺えるのだが、嘘や演技などにおいて寄生型以上に巧妙で、上記のタイプの厄介な特徴だけを併せ持っていると言えなくも無い故に、大抵の人間はその本性を見抜けないことが多い。事実、過去にこのタイプであると診断された犯罪者達の多くは、逮捕されるまでの間、周囲から本性に気付かれる事が少なく、仮に何らかの形で本性がばれかけても、それまでの功績等を利用して冷静に誤魔化すか受け流してしまえるので、3つのタイプの中でもその対処は非常に難しい。また、自分以外の価値観を認めない事から、暴力型と同様に説得はまず不可能と言え、寄生型のように相手にせず無視するといった対処法もプライドの高さから屈辱を感じさせ、逆恨みを買ってしまう危険性もある為、注意すべきである。


ここでは個人名は伏せるものの、歴史上の独裁者とされる指導者がこのタイプであったという推測が多い。このタイプは先天的であるケースがかなり多いようである。


サイコパスの悩み

孤独

意外なことに、サイコパスは孤独に悩むことが多いという。

彼らは自分がサイコパスであることを他人に知れてしまうと不利になるということを理解しているため、嘘をつき常人のように振る舞う。しかしいくら良心と共感力があるように振舞っても、彼らは根本からそれを持ち合わせていないため、どこかでボロが出て人が離れやすい。(高い知能を持つサイコパスであれば巧妙に擬態ができるためこのようなことは少ないと考えられがちであるが、ミズーリ州セントルイス大学の研究によれば、サイコパスの知能は平均よりも劣る傾向にあるという)

そして新しい人間関係を作るために嘘をつき破綻することを繰り返すうちに「誰も自分を理解してくれない」と孤独感を感じやすい。


また、サイコパスは人を騙し利用しようとすることが多いため、他人も自分と同じように、自分のことを騙し利用しようとしていると思っている。そのため他人に対して懐疑心が強く、信頼関係を築くことができない。彼らは常人が持っている良心や共感力を自分は持っていないことを成長していくうちに気づくため、社会に対して疎外感を感じやすい。普通の人間が感動するものをサイコパスは感動しなかったりその逆のことがよく起こるため(サイコパスでも感動はする)サイコパスには普通の人間のことを理解することが難しい。そのため自分と同じような人、つまり他のサイコパスに対して好意を抱きやすいという。


退屈

サイコパスは共感能力が低いため人生において大きなウェイトを占める「人と人の関わりの中で生まれる幸せ」を感受することが困難である。彼らからすればこの世に存在する人間は自分一人だけであるため、友達や恋人が出来たこと自体を喜ぶことができず、仲間と協力して何かを達成したときの喜びを分かち合うこともできない。そのため常に強く退屈している。

サイコパスが嘘をついて人を操ったり、犯罪を犯したり、危険に突っ込んでいったりする理由は利益を得るためというのもあるが、退屈を紛らすためでもある。直接的な快楽につながる酒やドラッグやセックスに溺れることも多く、彼らの人生は底なしの退屈との戦いであるという。


余談

サイコパスの研究をしていた神経学者ジェームス・ファロンは、自分自身がサイコパスだったことを研究中に発見してしまったエピソードの持ち主である。

ファロンは自己分析を行い、サイコパスなことに今まで気づかず、悪の道にも走らなかったのは家庭環境に恵まれ、両親の深い愛と厳格な躾を受けて育ったことに加え、サイコパスとしての攻撃性を論戦という暴力以外の方向で昇華しているためだという結果に至った。


一般的に、サイコパスには知能が高いイメージが強い(ハンニバル・レクター神話)が、実際にはそうとは限らないという研究結果がある。

2017年にミズーリ州のセントルイス大学で行われた研究では、刑務所にいる犯罪者やキャリア的に成功した一般人を含めて9000人以上の被験者を対象に性格・行動傾向とIQの調査を行った。その中で、精神病質的(つまり、サイコパス的)な傾向が高かった者は、IQのスコアが低い傾向があったことがわかっている。

参照→「実はサイコパスの知能指数は平均より低いことが最近の研究で明らかに(米研究)」(カラパイア)


また、日本の脳科学者である中野信子が発表した具体的な特徴に、

  • 飽きっぽく、物事を継続したり、最後までやり遂げることは苦手。
  • ネット上で「荒らし」行為をよくする。
  • サークルクラッシャー
  • 長期的なビジョンを持つことが困難なので、発言に責任を取ることができない。

と、インターネット文化に関連付けられる。当然、ピクシブ百科事典を編集するpixivユーザーの中にも存在する。飽きやすい特徴から作成よりも編集を好み、編集内容の記述は「行動に対する責任が取れない」傾向と、「自分が悪くても反省をせず、責任転嫁する」傾向が多い。


対策

サイコパスは退屈を紛らすために他人を利用する性質があり、もし定義や特徴に該当する相手に遭遇した場合は

  • 話(文面)を鵜呑みにせず、嘘を含むことを想定すること
  • 速やかに関わり合いを避けること
  • 意図的にIQを下げ、論議が通じない演技をする

が主に挙げられている。ただし、演技に関しては逆上を招く危険もあるため、使う際は注意すること。


関連項目

精神病質:サイコパスを日本語訳したもの。

サイコ サイコホラー サイコスリラー:「狂った」、「精神病的な」という意味で「サイコ」が用いられるが、「サイコパス」はあまり関係がない

サイコキラー:サイコパス的な思考に基づく殺人者


ソシオパス:後天的な反社会性パーソナリティ

デミサイコパス:基本的にサイコパス的な思考だが、良心や共感、愛情は持っている。しかしそれを向ける相手が非常に偏っていたり、精神状態によって全く発揮できなかったりする状況。境界性人格障害自己愛性人格障害の傾向があると推測されている

スキゾイドパーソナリティ障害:「他人に関心がない(ように振る舞う)」という特徴が類似するパーソナリティ障害。実際には全く別の行動原理である


外部リンク

サイコパスとは - はてなキーワード

サイコパスとは (サイコパスとは) - ニコニコ大百科

Eテレ 心と脳の白熱教室 第3回「あなたの中のサイコパス」

企業経営者には強いサイコパス気質がある オックスフォード大科学者の調査結果- 東洋経済

Smithonian magazine - The Neuroscientist Who Discovered He Was a Psychopath(英文)

サイコパスとは何か?-私たちが知っておくべき善意を持たない人々-

サイコパスという名の怖い人々

~サイコパスとは何か?~イジメやDVを受けている方が知るべき「良心」を持たない脳機能発達障害者

ネットを徘徊する荒らしはサイコパスなナルシストで、サディストであることが判明(カラパイア)

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