CV:能登麻美子
概要
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の前日譚、『機動戦士ガンダム 水星の魔女 PROLOGUE』の登場人物。
オックス社から出向しているナディム・サマヤとは仲の良い夫婦で一人娘のエリクトがいる。
ヴァナディース機関の研究ラボ・フォールクヴァングの研究員。
ガンダム・ルブリスのテストパイロットも務めており、所長のカルド・ナボには「あんたで出来なければ他の誰にもできない」と評されるほど優秀であるらしい。
しかし評議会から課された期日が近づいてもルブリスの稼働条件、「レイヤー33」をどうしても突破できず焦りを募らせていた。
右腕はGUND技術による義手となっており、搭乗時は外して接続することもある。
この体になることで命を長らえていたらしく、恩人であるカルドを「先生」と呼んでいる。
娘・エリクトが4歳の誕生日を迎えたその日。ラボは突然の敵襲を受け、ルブリスのコクピットに籠城していたエリクトと共に脱出。自分の知らぬところで娘が機体に認証されていたことを知って戦慄したかと思えば、4歳の子供が無邪気に敵を撃墜するのを目の当たりにして愕然とする事に。直後、動揺する暇もなくベギルベウの襲撃を受けるも、ルブリス量産試作型で救援に来たナディムに強く促されて逃亡することとなり、愛する夫に「愛してる」と告げて何処かへ落ち延びた。
彼女に開発されたガンダム・エアリアルの独白を記した『ゆりかごの星』では「お母さん」と表記されており、現在の顔立ちや名前は不明。
ベネリットグループ下の水星軌道上資源採掘基地「ペビ・コロンボ23」に匿われ、そこでスレッタを育てた。仕事面ではかなり優秀なようで、水星と地球圏を忙しく行き来して働く立場にまで出世している。同時に、娘に寂しい思いをさせながら年月を重ねてもいる。
かつて夫と恩師と仲間達が皆殺しにされたことを忘れていない復讐鬼と化しており、エアリアルはスレッタが過酷な運命に巻き込まれるのを危惧していた。
地球圏では「魔女」と呼ばれ忌避されているらしいが、その辺りの詳細は同作中では語られていない。
アスティカシア高等専門学園には復讐の足掛かりとして、エアリアルと何も知らない娘を送り込んでいるが、同学園への入学にはベネリットグループ傘下企業の推薦が必須であるため、それなりの人脈や取引関係を築いている事になる。虐殺の黒幕であるデリングの娘とスレッタが婚約関係を築けば、標的に大きく近付けるため、十年以上を雌伏して掴んだ念願の好機だったのだろう。
エアリアルが禁忌に触れる技術を用いた「ガンダム」と見なされ、スレッタが尋問を受けた際には母はラグランジュ1(月と地球の間)にいると供述しているが……。
水星の魔女本編には、水星のシン・セー開発公社CEOにしてエアリアルの開発責任者を名乗っている、頭部をヘッドギアで覆ったプロスペラなる女性が登場。右腕がエルノラと同じ義手であることや、CVも同じであることも相まって視聴者の間では同一人物かと見られているが……。
余談
- ガンダムシリーズにおける復讐鬼キャラとしては、シャア/キャスバルやフリット等が居る。
- 能登麻美子が演じる母親キャラということで、一部ファンから「能登ママ子」と呼ばれるキャラクターの系譜に含まれる。中でもかのんママやマザー(暴太郎戦隊ドンブラザーズ)は放送時期にも部分的ながら重なりがある。
- 復讐鬼といえば、そのきっかけとなる出来事で身体部位の欠損を伴うのも定番。……が、彼女の場合、元からGUND技術の恩恵を受けていた身であり、そういったキャラクター達とは少し毛色が異なるだろう。