魁!!クロマティ高校
さきがけくろまてぃこうこう
概要
週刊少年マガジンにて2000年34号から2006年24号にかけて連載されたギャグ漫画作品。
作者は野中英次。単行本は全17巻。
野中特有のシュールレアリズム溢れるギャグ展開から人気を博し、アニメ、ドラマCD、ゲーム、実写映画などが制作される。カオス度は遜色ないのでどれから味わってもいいだろう。
あらすじ
真面目な優等生である主人公・神山高志は、とある経緯でワルの巣窟とされる不良校・都立クロマティ高校に入学することになる。神山は、たとえ自分だけでも不良たちを更正し、学園を立て直そうと様々な志向を巡らせるが…
…と、ここまでなら少年マガジン系列の学園漫画ではよく見る設定だが、外国人歌手やゴリラが不良生徒に紛れて高校生活を送っているなど、その世界観はかなりカオスである。ネタ自体は丁寧に組み立てられた脱力系の笑いを主とするが、時にはそれまでの展開をすべてぶち壊すような超展開が発生するなど、結果的に独特の雰囲気を醸し出している。
話数を重ねるごとにどんどん増していくカオスぶりは筆舌にしがたいので、気になる人は実際に漫画を読んで確かめたほうがいい。読んでみておもしろかったら本屋さんに行って新品を買おう。
登場キャラクター
※ キャストはCV(TVアニメ・ドラマCD版)及び実写映画版配役を記載。
また一部のより詳細については該当記事を参照。
クロマティ高校
1年生(作中進級し2年)
3年生
教員
TVアニメ
2003年10月から2004年3月までテレビ東京系列で15分アニメとして放送。全26話。
制作はなんと攻殻機動隊でお馴染みのProduction I.G。
原作がまるで動きのない作品なせいか、終始地味な絵面が続く。このためか、アニメオリジナルで過剰とまで言える程に脚色された部分も多い。また、妙なところで作画枚数が増えるのもシュール。メタいネタもしばしば挿入される。
ナレーションが話数ごとに変わったり(ない回もある)、端役に大御所声優が混ざっていたり、そもそも不良の役も当時の実力派やバイプレーヤーが勢揃い。2話で視聴者を煽っただけあって、キャスティングの本気度はかなり高い。
特にナレーションでは中江真司、立木文彦、田中信夫、来宮良子など日本を代表するナレーション界の有名所や大御所を惜しげもなく起用している。特に中江にとっては晩年にあたる作品であるため、非常に貴重だったりする。
実質10分に凝縮された原作のネタは良くも悪くもアニメ流に演出されており、好みはあるが概ね好評であった。ただいかんせん番組が深夜の時間帯だったことと放送時間の短さから、漫画と比べて知名度は低め。
自主規制で様々な台詞が改竄されている……ように見えるが、これは自主規制を逆手に取ったギャグになっている。実際、1話の冒頭では普通にタバコを吸う不良がたくさん描かれているのにもかかわらず、途中からタバコを別のものに変更しており、ギャグ的な演出となっているのである。
1話はかなり端折られているが、「原作を読んでください」というある意味アニメ=原作の販促という目的に忠実な作品となっている。ただし要望が多かったのか、神山が入学した理由のエピソードはドラマCD化された。
当時としては珍しく大物アーティストとタイアップしており、OPは吉田拓郎、特殊EDとして使われた本作独自の曲「クロマティ高校校歌」をサンプラザ中野が歌うとんでもない布陣。
さらに劇伴と通常EDは美狂乱が担当、ギャグアニメでありながら音楽面はかなりガチである。
また、監督繋がりからデ・ジ・キャラットのキャラがしばしば登場する。ちなみにデ・ジ・キャラットのキャラが出る回はスペシャルサンクスとしてブロッコリーがクレジットされている。さらに制作繋がりで一部で攻殻機動隊のネタが用いられている。
余談
本作に登場する高校は、日本プロ野球で活躍した外国人選手の名前(苗字)を由来としており、タイトルにもなっている元・読売ジャイアンツのウォーレン・クロマティから実写映画が「無断で名前を使用された」として提訴されたことがある。
さらに同じく名前を使われていたランディ・バースやオレステス・デストラーデにも訴訟の呼びかけをしていたが
バース「子供じゃないんだからさwww」
デストラーデ「日本のファンが自分の名前を覚えていてくれているって事だろ?むしろ光栄じゃないか」
……という理由で相手にされなかった。
スピンオフ作品としてコミックボンボンにて『メカ沢くん(作画:ダイナミック太郎)』が連載。
更に派生し児童向け絵本『メカざわくん』『メカざわくんdeus ~メカざわくんとベータくん~』が出版されている。