「世界一の殺し屋 桃白白だじょー」
解説
世界一と名高い殺し屋で、ドラゴンボールでは初となる明確に人を殺したキャラクター。孫悟空を倒した最初の悪役でもある。
初登場時はレッドリボン軍に雇われ、ドラゴンボールを奪う任務とそれの邪魔をする者の抹殺を依頼される。手始めにイエロー将軍率いる部隊を壊滅させたボラと対決し、ボラを虚空に打ち上げてから武器を投げて殺害し、そのまま孫悟空と戦う事になる。
世界最高と謳われるその暗殺術はまさに凄腕で、圧倒的な力を持つ殺し屋。レッドリボン軍幹部のブルー将軍を予告通り舌だけで殺せちゃったりする。
悟空との再戦で手榴弾を蹴り返されて敗北するという皮肉な末路を辿った。その時に爆発四散したかに見えたが…。
リメイク劇場版『摩訶不思議大冒険』においても登場しており、鶴仙人と共に暗躍。
基本的に原作準拠の展開だが、その後も翻弄される様子が描かれている。
同じくリメイク劇場版『最強への道』では、尺の都合で未登場となっている。
初期キャラだがそれ故に却って色々印象深く、後述の飛行法や初めて悟空に土をつけた強敵という実績もあってファンは多数いるようだ。
容姿
厳めしい表情と長い三つ編みに束ねた黒髪(弁髪)が特徴。
外見は中年程度に見えるが、実年齢は291歳と、実兄の鶴仙人と然程変わらない高齢者。
桃色を基調とした中華風の拳法着を着用しており、左胸部分には『殺』のロゴ、背中には英文の『KILL YOU』の文字が描かれている。
人物像
現在の彼からは想像も付かないが、初登場の20年前まではサラリーマンであった。脱サラ後に鶴仙人に師事し、彼を超える武術家へと成長。裏社会へと進出した彼は殺し屋として順風満帆な活動を続け、富と名声をほしいままにしていた。
後述するようにジョークを飛ばしたりユーモアを交えたりとなかなかお茶目な一面もあるが、やはり一流のアサシンだけあって素は冷酷かつ非情。標的と定めた相手はおろか、その時の気分次第で無関係な者でも手に掛ける。
窮地に立たされればどのような手段も辞さない卑劣さを持ち合わせており、実力も含めて極めて危険な人物である。
その評判は裏社会だけでなく一般人にも知れ渡っており、名前を聞いただけで恐れおののく者もいる様子。
DRAGONBALLフルカラー少年編6巻によると、酒場にいたところをミスター・サタンとその師匠に遭遇。師匠の方に髪型をからかわれたことで殺害し、その場にいたサタンにも重傷を負わせた(鳥山明談)。
その一方で、印象に反したジョークやユーモラスな発言も多く、初登場時には周囲が彼に畏怖の念を示す中で「殺し屋さん20周年記念キャンペーンで半額セールを実施する」という話を切り出し、依頼主であるレッド総帥が呆気に取られる場面がある。そのギャップには、同席していたブラック補佐も「……本当に桃白白さん?」と思わず訊ねてしまった程。
また意外なところで絵心があるようで、悟空との初戦でボロボロになってしまった服を調達するために訪れた町にて、仕立て屋に服の注文をする際に自分で同じ服のデザイン画を描いて渡している。画風もどこか愛嬌があり、更なるギャップを醸し出している。
彼の私生活は不明だが、独立後もしばしば鶴仙人と会っていたようで、アニメ版には、少年時代の天津飯の修行に立ち会っている回想場面がある。
殺し屋としての活動と技能など
依頼を受ければ老若男女、人種や身分を問わずに殺害。仕事料は一人につき一億ゼニーと、本人が言う通り法外かつ一般人では到底目の当たりにする事の無い金額である。
初登場時は殺し屋家業の20周年記念という事で半額セールを実施しており、ある場面では直筆と思われる広告ポスターまで貼り出している。
技能としては暗殺拳である鶴仙流の達人であり、指先や舌先だけで人を死に至らしめる他に、三つ編みに束ねた髪でさえ強力な武器にもなるという全身凶器。切り札は同流派の気功系の技「どどん波」。
なお、鶴仙流の使い手の中では彼のみ舞空術を使用しない。
専ら拳法による暗殺が主流のようだが、体術だけでなく爆発物の扱いや剣術にも精通しており、実際にはオールマイティーな殺し屋と言える。
作中では孫悟空を最初に打ち破った悪役として有名であり、初戦時において亀仙人に大善戦した悟空を赤子同然(殆ど瞬殺)にあしらい、かめはめ波も防御して大したダメージに至らなかった実力は当時大きな衝撃を与えた。
とはいえ自身の手榴弾を弾き返された時は重傷を負っていたので、単に悟空が手榴弾を跳ね返したことへの驚愕と絶望と恐怖で固まって防御が間に合わなかったのか、手榴弾自体が高威力な特別製だったと思われる(後に山を消し飛ばす威力のミサイルなどが登場したため、後者の可能性も充分ある)。
悟空を倒すが、悟空は四星球で命拾いしており、そのまま悟空はカリン塔で修行。
桃白白は悟空を始末しドラゴンボールも全て集めたつもりで本部に戻ろうとするが、悟空が隠し持っていた四星球に気付かなかったため、服を直した後、聖地カリンに戻りウパに悟空の居場所を聞く。ウパを始末しようとしたところ、間一髪でカリン塔から悟空が戻ってきたため、悟空と再戦する。
しかしカリン塔で修行した悟空には全く歯が立たず、逆に赤子扱いにされ、自身が投げた手榴弾も跳ね返され敗北した。
悟空世代が生まれる前は天界の人々や封印されていたピッコロ大魔王以外では、地球で一番強かったのかもしれない。
悟空に対しても効果を発揮する超能力使いであり、かつ修行によってレベルアップを果たしたチャオズを易々と倒し(この時のチャオズは動揺していたのでメンタル面で全力を出し切れてないが)、アニメ版においては同じく超能力を持つブルー将軍に金縛りを仕掛けられても平然としていた事から、超能力そのものに対し強い耐性を持っているようである。
カッコイイ飛行方法
舞空術を使用しない桃白白が用いる、特殊な飛行方法。
主に柱や大木などを上空へ投げ飛ばし、それに飛び乗って移動する。
その速度はジェット機以上、計算すればマッハ7.52(秒速2555m)以上であるという。
その見た目などのインパクトは現在でも注目されており、Pixiv内では様々なキャラクターがこの飛行方法を実践したパロディイラストが多く投稿されており、こういった作品に「桃白白」のタグが付けられる事も多い。
また、一部の個人サイトや動画サイトでは、この飛行方法を空想科学よろしく難解な物理計算や数式を用いて分かり易く解析・解説した、とんでもない方々が御座すようである。
なお、ドラゴンボールゼノバース2では、これを再現した乗り物が登場する(地を走るだけで飛行はできない)。
鶴仙流でありながら舞空術を使わないことに対して疑問の声もあるが、実は初期の舞空術はただ浮遊できる程度のもので、長距離移動に用いるにはスピードが遅く気の消耗も激しかった。
天津飯も、ピッコロ大魔王との戦いに赴くときには舞空術ではなくジェット機に乗っていた。
ラディッツ戦ではピッコロから「貴様らの情けない舞空術」呼ばわりされ、実際にこの頃の悟空も長距離移動に筋斗雲を使い、蛇の道で舞空術を使った時、すぐに「余計な体力を使った」といって後悔しているほど。
第22回天下一武道会でも、天津飯とチャオズが舞空術を使ったのは場外落ち対策と爆撃の時だけで、格闘にはほとんど使っていない(せいぜい空中で静止して間合いを外した程度)。
ということで桃白白が舞空術を使わなかったのは単に使う必要がなかったため(試合ではないため場外負け対策をする必要もないし)とも考えられる。
身も蓋もないことを言ってしまえば、舞空術が登場したのは桃白白より後であり、鶴仙流との繋がりも後付設定に過ぎないからなのだが。
なお、Sparking!シリーズなど一部のゲーム作品では、桃白白が舞空術を使える場合がある。
担当声優
大塚周夫…初代担当声優。後述のアニメ版ドラゴンボールZ再登場時以外の大半の関連ゲームでも同役を長年演じた。
岸野幸正…当初はドラゴンボールZの第170話と第174話に於ける代役としての登板(この話の前後に発売された一部ゲーム作品でも担当)だったが、大塚氏没後の各種メディア作品にて正式な二代目として再登板。
関連イラスト
(左画像:初期、右画像:サイボーグ化後)
関連タグ
タオパイパイ、鶴仙流、どどん波、鶴仙人、チャオズ、天津飯、サイボーグ桃白白、マッスルインフェルノ
ヒット ・・・こちらも『ドラゴンボール』作品に登場する一流のアサシン。ただしヒットは公私混同せずターゲットのみを純粋に狙う正統派。