概要
声:永井一郎、岩崎ひろし(ドラゴンボールZ KAKAROT)
ドラゴンボールに登場するキャラクター。
亀仙人のライバルであり『鶴仙流』の開祖。年齢は初登場時点で302歳。
側頭部の髪が鳥の翼のような形をしており、被っている帽子と合わせてちょうど翼を広げた鶴のようになっている。帽子の下はハゲており、亀仙人からは「中途半端ハゲ」と揶揄されている。
初登場は第22回天下一武道会。原作113話で天津飯と餃子を連れて初登場した。
来歴
武道の達人として高名な武泰斗(むたいと)が開いた武術道場に入門し、何かと折り合いの悪い同門の亀仙人と競うようにして鍛錬に勤しむ日々を送る。
30代の頃、ピッコロ大魔王率いる魔族が悪虐非道の限りを尽くして世界が危機を迎えると、魔封波(まふうば)を使用して辛くもピッコロ大魔王を封印した武泰斗が一命を落とし、その姿を見て己が学んできた武道の無力と武術の拙さに絶望し、亀と袂を分かつ形で道場を去る。
この後、考えられる限りの修練を積んで武術流派『亀仙流』を興すと同時に仙人を号し、孫悟飯や牛魔王を弟子に迎えて武術の神を表す武天老師(むてんろうし)の名で伝説の達人として亀仙人が知られるようになった頃、同じく独自の理念と修練を積み重ねて武術流派『鶴仙流』を興すと同時に仙人を号する。
程なくして、殺し屋となるべくサラリーマンを退職した桃白白に鶴仙流を教え込み、283歳の時に一人前の暗殺者として成長した桃白白を裏社会に送り出す。
302歳の時、門弟の天津飯と餃子を連れて第22回天下一武道会に参加し、約270年ぶりに亀仙人と再会するが、その渦中で亀仙流門下の孫悟空によって桃白白が敗れた事実を知ると亀仙流そのものに怒りを露わにし、決勝戦で天津飯に試合中の事故を装って孫悟空の殺害を命じる。
しかし、ジャッキー・チュンに扮した亀仙人と拳を交えた一件で心に迷いが生じていた天津飯はこれに反旗を翻し、さらには天津飯に呼応した餃子を逆上のあまり殺害しようとした矢先、亀仙人のかめはめ波で遥か彼方に吹き飛ばされる。
3年後の第23回天下一武道会には、殺し屋家業で得た全財産を注ぎ込んでサイボーグ化した桃白白を連れて参加し、亀仙流の撲滅と鶴仙流を裏切った天津飯と餃子の抹殺を目論む。しかし桃白白は第一回戦で天津飯に完敗を喫す。天津飯から「二度とわれわれの前に現れないでください」と告げられ、鶴仙人は弟を担ぐと「ろくな死に方はせんぞ」と捨て台詞を吐き、会場を去っていった。
以降は行方不明となり登場しない。
その後、鳥山氏の発言によると、何かの巻き添えで死亡したが、悪人なので生き返ってない可能性が高いとのこと(ファンの間では、魔人ブウ編でのことではないかと言われているが公式設定ではないので本当のところは不明)と皮肉にも自身がある意味一番ろくでもない死に方をしてしまう。(また捨て台詞を吐いた際、亀仙人から「どっちがじゃ!」と突っ込まれ、これが現実となった。)
劇場版『摩訶不思議大冒険』においては、舞台となったミーファン帝国の大臣として登場。弟の桃白白と共に帝国乗っ取りのために暗躍している他に、正真正銘の元祖どどん波を放つなどの戦闘シーンも描かれている。
人物像など
戦闘力120。第21回天下一武道会のジャッキー・チュンと死闘を演じた悟空(戦闘力100)より強い。
当時としても常識外れの強さを誇った孫悟空を窮地に追い込んだ桃白白、天津飯を育て上げた意味でも、指導者として非常に優れているといえる。また彼の作った舞空術、太陽拳、気攻砲などはその後も物語の要所要所で活躍しており(飛行技術は舞空術とは別かもしれないが)技の意味では亀仙流を凌駕してるともいえる。至近距離で放たれたマシンガンの弾を素手で全て掴み取るといった常人離れな事も当然ながら出来る。また、必要とあれば後述のように自らの手による暗殺を試みる等、徹底した面も見せる。
ピッコロ大魔王の一件によって「対峙した相手を確実に殺す」という理念に執着し、それに必要な力と技術のみを追い求めるようになったあまり心が屈折し、極めて卑劣かつ傲慢な人格を持つ。
このような理念から「どんな手段を用いてでも相手に勝てばそれで良い」としており(桃白白にもその傾向が見られる)、亀仙人が武道を極めたのに対して鶴仙人は武術を極めたと言える思想を抱いている。
その一方で亀仙人のように露骨ではないが結構なスケベで、ランチやブルマに対してセクハラめいた発言などをする場面もあった。
唯一の肉親である桃白白へは情の深さを見せており、特にアニメ版では仇討ちのために天下一武道会の決勝戦前夜に悟空の暗殺を試みた。しかし未遂、失敗に終わっている。
なお、桃白白は独立後も兄に会いに行ったり弟弟子である天津飯らの修行に立ち会ったりしていたが、連絡を取り合ったり逆に鶴仙人が彼に会いに行くなどはしていなかったようで、第22回天下一武道会に出場するまで鶴仙人は弟が悟空に倒された事を知らなかった。それでも、流石に3年間もまったく姿を見せない事にはおかしいと考えてはいたようだが。
またアニメ129話では若き日の亀仙人と共に修行に励む若い頃の姿が描かれており、武術に関しては当時の亀仙人に勝っていたがこの頃から性格は悪かったようで卑怯なやり方で悪事をしたことが武泰斗にバレ、破門しかける失態を犯した。
ゲーム作品への出演
『スーパードラゴンボールヒーローズワールドミッション』では、サブストーリーに登場。
鶴仙流の新たな弟子を探しており、ビートを勧誘してくる。何人か弟子をとったようだが、最初の段階でもう音を上げてやめてしまうと愚痴っている。
正義を重んじるビートには当然断られ、力尽くで弟子にしようとするも敗北。ビートから正々堂々と戦うことの楽しさを問われるが、勝利こそが大事と耳を貸すことなく立ち去っていった。
言動などが原作よりも若干シリアスめに描かれている。
ドラゴンボールZ KAKAROTでは、サイドストーリーで弟の桃白白と共に鶴仙流再興のために暗躍していた。
関連イラスト
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ジレン…同じく仲間を失ったことで「勝利と力」に固執するようになった男。しかし、鶴仙人とは違い、悟空との出会いで間違いであったことに気付いた点はどちらかというと天津飯のほうが近い。