電脳警察サイバーコップ
でんのうけいさつさいばーこっぷ
概要
1988年10月から翌年7月にかけて、日本テレビ系列で放送され、当初は毎週日曜朝10時半の全国ネット枠(一部クロスネット局では時差ネットか未放送の可能性もあった)で放送されたが、1989年4月以後は日本テレビ系平日夕方アニメ・特撮枠の水曜夕方5時(関東ローカル基準)へ移動に合わせネット打ち切りの局も出た。
原作は宇宙刑事や装甲騎兵ボトムズのコミカライズを担当したのなかみのる。
同時期にコミックボンボンでもコミカライズ化され、此方ではサポートに回る智子が、ヴィーナスビットを装着して活躍した。
同時期に放映されていた東映特撮と比べて、画質があまりに違いすぎて90年代の番組かと思ったという意見も見られるが、この作品は当時としては珍しいVTR方式での撮影だった為である。
ストーリー
時は未来、1999年。
世界の中心都市となった『TOKYOシティー』では、より凶悪化した犯罪が多発していた。
警視庁は『0課装甲警察部隊(ZERO-SECTION ARMED CONSTABL)』通称ZACを編制。
科学の粋を集めて製造されたビットスーツを身に纏う『サイバーコップ(電脳警察)』が犯罪摘発に明け暮れていた。
彼らの前に、記憶喪失の青年、武田が現れる。
武田はその能力を認められ、サイバーコップ・ジュピターとなった。
ここに四人のサイバーコップが集結。犯罪の陰に潜む、シリコン生命体の殺し屋たちとの戦いが始まった。
サイバービットスーツ
ZACが装着する特殊パワードスーツ。
各装着者に適した機能を内蔵しており、それを活かした戦法や捜索などを行う。ただしジュピターのみ異なり汎用型で、感情の高鳴りによって各部が変形してパワーアップする機能が内蔵されている。
ビットスーツはビットステーションと呼ばれる専用のカプセル内で装着されるため、かなり大掛かりなシステムである(未来のシステムを現代で再現するわけだから仕方ないといえるが)。ルシファービットは他のビットスーツと異なるシステムであり、装着者の感情によってスーツが出現する仕様である。ジュピターも本来はその仕様と思われる。
一部の触媒ではジュピターのビットスーツを基に各ビットを開発した、との記事があった。ジュピター以外のビットスーツが特化型なのはその理由による。
コミカライズではジュピター(武田)自身が開発したものとされており、上記の通りヴィーナスビットも共に開発されたものである。
ブラックチェンバーシステム
本部より支給されたカードをデバイスに差し込んで特定の番号を入力することにより、都市の地下に張り巡らされたシューターを利用して武装入りアタッシュケースを転送するシステム。
専用デバイスは公共のオブジェや分電盤、果ては墓石や瓦礫の下などに隠されており「数字入力が可能でカード差込口が付いた何らかの回線を持ったデバイス」であればATMや公衆電話でも代用が可能。
いかにもヒーローらしいビットスーツ姿のままゴソゴソとデバイスを探し回ったり銀行や電話ボックスに駆け込む姿は中々にシュールである。
カードが無ければ使用不可とはいえ、誰でも見つけられそうな公園の椅子の下にデバイスがあったり、逆に誰も来なさそうな廃墟にまでデバイスと地下通路が用意されていたり、色々と突っ込みどころ満載だがインターネットや携帯電話が普及していなかった当時の基準では非常に高い汎用性を誇っていた。
サンダーアーム
主役であるジュピターの籠手形必殺武器。ジュピターの感情の高まりとともに異次元から出現し、装着される。劇中では装備する機会が少なかったが、防御用のシールドも装備している。
これの玩具版のギミック(パンチモーションに反応して音が出る。腕を回転させて(ローリングチャージャー)からパンチをすると更に派手な音(必殺技サンダーマグナム)が出る等)が評判となり『こち亀』でネタにされた(特殊モーションを入れすぎて破綻するオチだが)他、「ペガサス流星拳」「烈火拳」等も作られた(烈火拳はサンダーアームと同じタカラ製だが流星拳はバンダイ製。一方でサンダーアームの後期必殺技は「サイバニックウェーブ」と言う名のペガサス彗星拳だったりする(サンダーマグナムはサンダーアームに搭載されている銃))。
サンダーアームの売れ行きは上々で、本放送終了後に仕様変更され『サウンドアーム』として再発売するほどの人気ぶりであった。
キャラクター
ZAC
- 武田真也/ジュピター(汎用型。実は未来製)
インターポールからZACに途中加入した新米警察官という肩書で編入された人物。実は未来から来たレジスタンスだったが、それらの記憶を失っていた。
- 北条明/マーズ(パワー型)
チームのリーダーだが堅物で冷静沈着な人物。
- 毛利亮一/サターン(レーダー型)
お調子者のムードメーカー。
- 西園寺治/マーキュリー(スピード型)
最年少の部員で格闘家。殉職した兄を超えるために警察官の道に進んだ。
- 上杉智子/ビーナス
主にバックアップを担当。記憶を失っている武田の心の支えとなっていき、最終的には共に未来へと旅立つことに。
ビットスーツはコミカライズ版のみ。一応TV版の番宣に名前だけは出ていた。
- 織田キャップ
ZACの総司令官。天才ハッカーだった北条の悪を憎む心を正義へと導き
彼からは第二の父親のように信頼されている。
- 島津
織田の書記。作戦の補佐に入ることが多い。
- 朝倉
通信担当。性格はやや軽く、本部内でお菓子を食べたり
本部が壊滅しそうな時に自分だけ逃げだそうとする。
実は上杉より早く武田とデートをした。
- 矢沢
コンピューターオペレーター。基本的に出動はしないが
基地内部のPC内に潜んだ敵電波を遮断した活躍も。
デストラップ
- 総統フューラー
総統を名乗るスーパーコンピュータ。当初は自我を持ったコンピュータとされていたが、実際はバロンに意図的に作られた表向きの首領であった。
『未来警察ウラシマン』の登場人物と同じ名前を持つが、ラスボスとしての立ち位置など、似ても似つかぬキャラクターであった。
- バロン影山(前線指揮官にして真の首領)
ジュピターとルシファーと同じく未来人。彼の裏切りによってレジスタンスは壊滅状態に陥った。ルシファーに「裏切者はジュピター」と陰口した人物。
幹部は全てバロン影山が造ったアンドロイドであるが、終盤までその事は隠されていた。
- エインシュタイン博士(オミノス軍団を指揮)
ハイテク工学の天才と称する。
- デューウィン女史(ハルコス軍団を指揮)
生命科学の天才と称する。
- ブロイド博士(ガロガ軍団を指揮)
心理学の天才と称する。
- ビーストマスター・ルナ(エインシュタインの妹)
オミノス軍団に加えて、野獣戦士(ビーストソルジャー)四天王(タイガー、ホーク、タートル、サラマンダー)やその量産型のブラッククローズを指揮する。
- デストロイド
- オミノス軍団
黒と赤を基調としたカラーリング。
- ハルコス軍団
白を赤を基調としたカラーリング。
- ガロガ軍団
基本的に小型のものが多く、機械などに取りついて操る事が可能。
- サイバー工作員(戦闘員)
その他
- ルシファー
途中から登場する、棺桶を引きずる謎の殺し屋ガンマン。バロン影山に協力するが性格は一匹狼のため従わないこともあった。
記憶を失っている武田を仲間の敵として憎み、つけ狙う。
サイバーコップとは別系統と思われる強力なサイバー・ビットを持ち、巨大な万能武器ギガマックスを操りサイバーコップを危機に陥れる。
その正体は未来で武田、バロンと共にシリコン生命体と戦った人類解放軍の戦士。
バロン影山に「武田(ジュピター)は裏切り者」という嘘を教えられていたため、武田の記憶が戻りバロンこそが内通者だった事が発覚すると、サイバーコップに協力する仲間となった。
主題歌
OP:「明日への叫び 〜サイバー・ハート〜」(歌:西川弘志)
作詞:岩里祐穂/作曲:井上大輔/編曲:白井良明
ED:「シューティング・スター」(歌:千葉美加)
作詞:田口俊/作曲・編曲:鳥山雄司
因みに、
- OPの歌手・西川弘志は西川きよし・西川ヘレン夫妻の二男(兄は俳優の西川忠志、妹はタレントの西川かの子)で俳優をしていたが現在は引退し福岡で飲食店経営。
- EDの歌手・千葉美加は上杉智子役の俳優兼歌手。後にアジアで「チェンイェー・メイジァ」としてトップアイドルに。1998年に一旦引退するが2003年に『超星神グランセイザー』(テレビ東京)へのレギュラー出演で復帰、最近はドックセラピストとしても活動。
関連タグ
電光超人グリッドマン:元々はサイバーコップの続編として企画されていた作品・サイバーマンが元となっている。後に関連会社が制作する事に。
機甲警察メタルジャック:電光超人グリッドマンの元企画・サイバーマンとサイバーコップの続編と次番組を争った企画。此方も紆余曲折を経て1991年にサンライズ製作のアニメとして実現した。
GetRide!アムドライバー:パワードスーツ物の後輩としての類似事例。
ハヤテのごとく!:ブラックチェンバー射出シーンがパロディに使われた。シリーズ構成は同じ武上純希
こちら葛飾区亀有公園前派出所:コミックス65巻に『感電警察ハイパーコップ』なるパロディ作品が登場した。
日本テレビ系平日夕方アニメ・特撮枠:番組最終クールの放送枠で、1988年以後の同枠で唯一の特撮番組となった。
主なゲスト出演者