エルメロイ教室
えるめろいきょうしつ
概要
魔術協会の総本山、時計塔の中に存在する教室。ロード・エルメロイⅡ世を責任者とし、(時期によって変動するものの)総数3~5名の講師が授業を行う。
元は先代ロード・エルメロイであるケイネス・エルメロイ・アーチボルトの教室だった。若き俊英であるケイネス師の指導のもと、積み重ねた歴史のある魔術師はより深く高く、そうでない者でも無駄ではあってもそれなりに努力すれば次代に術を継げるべく研鑽できる環境を備えていた。(ここまで「旧エルメロイ教室」あるいは「旧教室」。所属は鉱石科)
しかしケイネスの死後、まとめ役がいなくなった事で事実上の瓦解に至り見向きもされなくなっていた(特に旧教室くらいしか受け入れどころがなかった、かつての自分みたいな問題児の居場所がなくなってしまった)のをウェイバー・ベルベットが憂い(自称親友を筆頭に多くの方面から借金をして)受け継ぐ。時計塔の権力闘争に敗北した講師たちを引き込み時計塔でも講義内容が珍しい解りやすい教室として台頭した新興勢力となった。(ここからが現在に言うところの「エルメロイ教室」。所属は現代魔術科)
一時期は事実上「現代魔術科=エルメロイ教室」であったため現代魔術科全体がエルメロイ教室と呼ばれることもあるが、厳密にはエルメロイ教室とは現代魔術科内のごく一部、15人ほどのメンバーで構成される少数精鋭ゼミである。
ただし正式なメンバーではない聴講生を含めると50人ほどになり、放っておくと希望者が殺到することから嫌われがちな自治生徒がそうした人の流れを取り仕切っている。
現在では在学生ですら位階持ちが何人もおり、OBは全員10年以内に『典位』以上を取得、そのうち数名は時計塔の歴史上でも数えるほどしかいない「王冠」の位階に至るのではないかとされているため、Ⅱ世が教え子たちを集めれば時計塔の勢力図が変わるとまで言われている。
何故か才能豊かな問題児が集まる傾向がある。
これは教室を立て直したⅡ世が「(かつての愚かだった)自分と同じような生徒(問題児)から、その学びの場をむざむざ奪わせるような事はできない、見過ごせない」という信念を持っていた事、酔狂な新人講師をバカにして早々に潰してやろうと目論んだ連中が「異端かつ厄介な問題児」を送り込んで問題を頻繁に勃発させ引責をもって教室ごと件の教師を潰してやろうと企んだものの標的となった教師の指導力によって不発に終わった事、長じてはこうした事が繰り返された結果として一時期「問題児や邪魔な教師を送り込む人材のゴミ溜め」として各派閥からいいように利用された事、などなど、そういった事象が奇跡的に噛み合ってしまった結果。
ちなみに教室の学生寮には「冷蔵庫に入っている名前の書かれていない食べ物は誰が食べてもいい」というトンデモルールがある(ルールを作ったのはペンテル姉妹)。
関係人物一覧
講師
時計塔の名物講師にて12人の君主(ロード)の1人。「現代魔術」の教授。
シャルダン翁 (CV:宝亀克寿)
二級講師。隠居していた所を当時まだ3級講師だったエルメロイⅡ世に引っ張り出された古株。魔術師らしかぬ真人間。
ディンベルグ卿
客員講師だった故人。元は全体基礎科の重鎮だったが愛する息子と三人の孫を失いショックで失墜したという(息子の死因は銃で撃たれ魔術回路に異常があったため彼の関与が疑われている)。
その為かエルメロイⅡ世やエルメロイ教室の若い魔術師をかわいがっていたらしい。
エルメロイⅡ世とグレイが出会った頃に死亡。
ガウリカ (CV:櫻井浩美)
アニメ最終回に登場しスヴィンの典位授与式典の進行を行った。
生徒
エルメロイⅡ世の内弟子。正確には魔術師ではない。
通称「天才馬鹿」。やや肉体言語寄りの厳しい指導を喰らわせている。
『Fate/strange Fake』の時点では最古参の弟子。
師であるエルメロイⅡ世の胃痛の種。画像左。
『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 』の時点での最古参。グレイのストーカー。フラット同様の天才児だが同じくらい問題児でもある。画像右。
在学中に典位の階位に届く。
「鉱石学科の二大災厄」と称される魔術師。ご存じFate本編のヒロイン。
ただし未だに「ただの後見人」と「ちゃんと弟子」の二つの設定があるままフワフワしているため正確なところは未定。
「鉱石学科の二大災厄」と称される魔術師。エーデルフェルト家の後継者。
『Fate/Apocrypha』の世界にて、ユグドミレニアの反乱の戦後処理の一環として入学。
その後エルメロイ教室に(反強制的に)所属。
ユグドミレニアがない世界では普通に門下生として彼の元で魔術を学んでいる。
『氷室の天地』の世界での生徒。フラットの妹弟子。
中立主義「メルアステア」から派遣されたスパイ兼生徒。
ヴェルナー・シザームンド
「蝶魔術の後継者」の異名と階位を持つ。
ローランド・ペルジンスキー、オルグ・ラム、ラディア・ペンテル、ナジカ・ペンテル、フェズグラム・ヴォル・センベルン
若手ながら全員が階位持ち。おそらく『Fate/Apocrypha』の赤のマスターの縁者。
以下がそのマスター
ロットウェル・ペルジンスキー:アーチャーのマスター。
ジーン・ラム:キャスターのマスター。
デムライト・ペンテル:バーサーカーのマスター。
キャビィク・ペンテル:ライダーのマスター。
フィーンド・ヴォル・センベルン:ランサーのマスター。
ジェイムズ
ドラマCDに名前のみ登場。フラットに相談して事件を引き起こしてしまう。
関係者
エルメロイⅡ世の義妹。アーチボルト家の現当主。
アニメに登場したエルメロイ教室の元生徒。今でもエルメロイⅡ世を慕っている。
ご存知本編主人公。アニメ版UBWエピローグでは凛の従者として特例で時計塔に所属している。
エルメロイ教室の生徒ではないが、教室の生徒の何人かと関わりがある。
旧教室メンバー
旧教室筆頭講師。先代ロード・エルメロイ。若くして才覚を著した俊英。
自身の抱える浅い家系ゆえのコンプレックスに耐えきれず、愚にもつかない妄想を垂れ流す大問題児かつ完全無欠の劣等生だった少年。
自身の抱える虚弱体質にヤケクソになってクズへの階段を超高速で転げ落ちてた名門出身の問題児。旧教室メンバーを中心としてアチコチに金を貸しまくっていた。のちにウェイバーの「親友」を名乗る。
現エルメロイ教室設立出資メンバーのひとり。
アムレス・ヴォータン(CV:日野聡)
旧教室中心メンバーを率いる陽キャラのリア充。旧教室の実質上のリーダー格(いわゆる「ジョック/キング」ポジション)だった人物で、投影魔術の研究者。のちに典位へと昇格し、旧教室メンバー最大の出世頭となった。さらに投影魔術の発展形として、魔術製の「実体を持つ拡張現実」となる外殻投影を開発している。
一方で旧教室時代はウェイバーの事を見下し、事ある毎に責め立てていた。
実は自身の研究を続けるためにメルヴィンから決して笑えないレベルの大金を借りている。
カイミア・エンピリアン(CV:村田太志)
旧教室メンバーでも上位に入る「優等生」のひとり。アムレスの取り巻きのひとりで、劣等生のウェイバーを見下して責め立てたひとり。
旧教室瓦解後は降霊科へと転じるが時計塔内のポスト争いに敗れて閑職へと追いやられる。(そしてストレスを抱えて頭髪が寂しい事に……)
オルス・ホース(CV:逢坂良太)
アムレスの取り巻きのひとりで、劣等生のウェイバーを見下して責め立てたひとり。
旧教室瓦解後は身を持ち崩して暗殺者へと転身したとか。
リシャール・オータム(CV:芳野由奈)
アムレスの取り巻きのひとりで、劣等生のウェイバーを見下して責め立てたひとり。タカビーお嬢気質を持つロングヘアの女子生徒で旧教室(アムレスメンバーズ)のクイーンビーめいた存在。
教室瓦解後は結婚こそしたものの離婚してしまい、現在は婚活に血道を上げているとか。
ウィナー・パーキンス(CV:水中雅章)
アムレスの取り巻きのひとりだが、劣等生のウェイバーを見下して責め立てる他のメンバーを諫めようとしていた(ただし弱腰のため聞き入れられなかった)メンバーズ唯一の良心。
褐色肌の男子生徒。旧教室時代は痩せぎすだったが、現在ではふくよかな体形になっている。
アムレスの取り巻きのひとりである女子生徒。内気で影が薄く自己主張に難があり、アムレスたちのような強烈な個性の持ち主には真っ先にターゲットにされて巻き取られてしまう、ある意味では不幸体質の少女。カメラや写真が趣味で、のちには自らの魔術の起点(触媒)としている。
教室瓦解後には時計塔を辞してゲーム会社「ペリゴール社」のCEOとなった。ペリゴール社のゲームはエルメロイⅡ世も大ファンだったりする。
アムレスとの腐れ縁は教室瓦解後も続いており、彼の研究にも手を貸している。しかし会社代表として押し出しをキメるためか男装の麗人に転身していた。
旧教室時代、アムレスによるウェイバーへの責め立てにも参加していたが、そんな彼女がウェイバーに向けていた視線はどこか優しく敬意に溢れ、そして切ないものだった。
実はウェイバーの努力を知っており、理論はともかくとして学業や魔術への真摯な思いや姿勢を密かに評価も応援もしていた。しかし、それをエルメロイⅡ世が知ったのは全てが終わり時の彼方へと過ぎ去った後の事であった。
余談
Pixivでは上記の登場人物達が揃っているイラストや漫画等に付けられる傾向がある。
『Fate/Grand Order』ではコラボイベント『レディ・ライネスの事件簿』のイベント限定礼装として登場。レアリティは★3、効果はQuickカード性能強化とNP獲得量上昇。
関連タグ
Fate/strangeFake Fate/Apocrypha
チャイルドマン教室…優秀な講師の元に才能豊かな問題児が集まるという共通点を持つ。
※『Fate/strange Fake』7巻のネタバレ注意
『Fate/strange Fake』においては、既に卒業したOBやOGを含むエルメロイ教室のメンバー30人が、その全員で真ライダーのマスターとして偽りの聖杯戦争に参加するという前代未聞の行動を起こしている。
これはかつてケイネス・エルメロイ・アーチボルトが婚約者との間で行っていた秘術をⅡ世が解析し、生み出した理論が基となっている。この理論をケイネス以来の若さで色位に到達した天才、ヴェルナー・シザームンドが応用し、令呪の一画を魔術で分散させ、他のメンバーの魔術回路に浸蝕させることによりエルメロイ教室全員でひとりのマスターという状況を作り出した。
このメンバーの中には車輪魔術の使い手である書物蒐集者オルグ・ラム、双子ならではの特殊な魔術を操るペンテル姉妹、まだ若いながらも教鞭を振るうフェズグラム・ヴォル・センベルン、数万匹の蛇の使い魔を世界中に潜ませることで師の敵を追い詰めて始末するローランド・ベルジンスキーといった、色位や典位を持つ高位の魔術師が多数含まれている。
さらに彼らに加え、他作品でも活躍していたスヴィン・グラシュエート、イヴェット・L・レーマン、カウレス・フォルヴェッジ、メアリ・リル・ファーゴ、そしてエルメロイ教室の中でもトップクラスの実力者であるルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトと遠坂凛までもがマスターとして、偽りの聖杯戦争を解体するために参戦する。
なお、イヴェットのみ裏切りの可能性があるため令呪を与えられていない。