概要
侍戦隊シンケンジャーの劇場版『銀幕版_天下分け目の戦』に登場する強化フォーム。
外見は赤い陣羽織を纏った姿で、スーパーシンケンジャーの色違いである。
初代シンケンレッド/志葉烈堂が遺した初代秘伝ディスクに本来の「力」を戻し、現代のシンケンレッドである志葉丈瑠のモヂカラを合わせる事で完成した。
ディスクをシンケンマルにセットする事で、ディスクから赤い陣羽織が召喚されてそれを装着する事で変身し、同時にシンケンマルは専用武器のキョウリュウマルへと変化する。
このフォームになる事で、キョウリュウマルの力を最大限に引き出す事ができる。
作中ではキョウリュウマルの刀身を自在に伸ばして、広範囲にいるクサレナナシ連中を一気にまとめて殲滅した上に、脂目マンプクに対してもその一太刀で大ダメージを与えた。
烈堂の頃はまだ未完成だったらしく、彼はノーマルのシンケンレッドのままでキョウリュウマルを使っており、それ故に力不足でマンプクを倒し切れず封印するしかなかった模様。
ちなみに本放送における登場順の関係などから、公式では「ハイパー」という名称が使われているものの、別にスーパーシンケンジャーより必ずしもスペックが上という訳ではないので注意。実際に、作中のキャラ達の間では「ハイパーシンケンジャー」という名称は全く使われていない。
というか、スーパーシンケンジャーがイレギュラーの海老折神を含む他の全ての折神の力を合わせる事で完成した事を考えると、おそらく総合的なスペックはスーパーシンケンジャーの方が上である。
その為、スーパーシンケンジャーの完成で火力も強化された作中のシンケンジャーにとっては、キョウリュウマル自体が大量の敵が広範囲にいて、物量戦をかけられているような限定的な状況向きの武器だったのもあって、ぶっちゃけあまり使う機会がない強化フォームだと言える(そもそも劇場版で初代秘伝ディスクが必要になったのも、最初の三日間の消耗戦で海老折神と烏賊折神を使用不能にされ、スーパーシンケンジャーやダイカイシンケンオーが使えなくなったのが大きな要因である)。その為か、その後のTV本編ではこのフォームは殆ど使われる事はなかった。
一応は、スーパーとハイパーは同時使用可能なので、メンバーの誰かで同時使用するのが作中のシンケンジャーの最大戦力とはなるのだが、強力なフォームはそれだけモヂカラの消費も大きく、常に二の目を想定して一の目では、モヂカラの消費を最小限に抑えながら戦闘をしなければいけないシンケンジャーとしては、結局使う理由がないフォームをわざわざ使う必要性がないというのが実情である(メタ的には、強化フォームを使う=その回の主役は一人で十分という事情があったのだろう)。
後に、終盤にグリーンとブルーがそれぞれハイパーとスーパーを同時使用したのも、相手が最大の敵であるドウコクで、薫が封印の文字を使うまでの時間稼ぎをしなければならず、しかも封印の文字が決まればそれで終わりで、二の目を想定する必要がなかったという前提の上である。
その代わり、キョウリュウマルの性能を最大限に発揮できる環境下での戦闘力は非常に高く、第三十一幕では外道衆側が予め地下通路という閉鎖空間で包囲・消耗戦を仕掛けてくる事を想定していたシンケンジャーが、最短で突破して人質救出をする為にハイパーを使用した際には、相手がクサレ外道衆だったのもあってその性能を遺憾なく発揮して最速で敵を突破した。
作中での変身者
恐竜ディスクが本来の力を取り戻した際の最初の使用者。その為に初登場の銀幕版_天下分け目の戦とシンケンジャーTV本編、次回作の天装戦隊ゴセイジャーとのVS作品で3回に渡って使用している。
血祭ドウコクとの初戦で、志葉薫から恐竜ディスクを受け取ったシンケングリーンが一度だけ変身した。同じく薫からインロウマルを受け取ってスーパーシンケンブルーになったシンケンブルーと共に、薫が封印の文字を使用する為の時間稼ぎをすべく合体攻撃を仕掛けるが、ドウコク相手では全く通用せずにやられてしまった。しかし、封印の文字を発動するまでの時間稼ぎには成功し、この時にドウコクに与えた傷が最終決戦での逆転の鍵になった。これ以降TV本編では登場せず最後の見せ場となった。
テレビマガジンの応募者限定DVDでのみ使用。本来ならばシンケンマルに恐竜ディスクをセットして変化させるのだが、ゴールドはサカナマルに恐竜ディスクをセットして変化させた。
その他
『侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー銀幕BANG!』にて、マンタンガン(ロッドモード)に恐竜ディスクをセットする事で変身。厳密にはキョウリュウマルを使用している訳ではないが、この状態ではマンタンガンも自由自在に伸び、敵を薙ぎ払う攻撃が可能となる。詳細は該当記事。
余談
劇場版で初登場する強化フォームであり、これはスーパー戦隊シリーズとしては珍しい。
また、基本的に劇場版で登場する強化フォームは劇場版限定なのだが、普通にそれ以降のTVシリーズでも問題なく使える劇場版初出の強化フォームは、戦隊のみならず仮面ライダーシリーズを含めても珍しい(前述した理由からTVシリーズで使われる事は殆どなかったが)。
しかも、当時の劇場パンフレット等のキービジュアルには、キョウリュウマルを構えたノーマルのシンケンレッドのみが掲載されており、このフォームは完全なシークレット扱いだった。
ちなみにこのキービジュアルのシンケンレッドの正体は、本編を見れば分かるが実は丈瑠ではなく烈堂であり、ノーマルの状態でキョウリュウマルを構えているのもその為である。両者がどちらもシンケンレッドである事を利用した、秀逸なミスリードだったと言える。
関連タグ
スーパー戦隊シリーズ強化フォーム(劇場版・Vシネ)
ハイパーゴーオンレッド←ハイパーシンケンジャー→ガレオンアーマーモード