概要
ここではJRAが運営する騎手養成所の「日本中央競馬会競馬学校」について記載する。
学校教育法に規定される文部科学省管轄の学校ではく、農林水産省が管轄の日本中央競馬会(JRA)の騎手及び厩務員の候補生を全寮制の課程において養成する。
この場所は元々船橋市に所在する中山競馬場の白井分場があり、現役競走馬の調教が行われていた。
1978年茨城県美浦村に美浦トレーニングセンターが開設されて白井分場の厩舎はそちらへ移転。
残された施設が東京都世田谷区にあるJRAの馬術施設「馬事公苑」の白井分苑として再整備。
1982年3月23日、「馬事公苑白井分苑」が「日本中央競馬会競馬学校」に改組。
来歴
元々日本の騎手養成は厩舎に見習いとして弟子入りする事で行われていた。
1940年9月29日、馬術訓練、馬術競技会の開催、競馬の騎手養成を行う施設として馬事公苑が開苑。
1943年、戦局が悪化し、競馬場施設は軍需工場に転用する事となり、競馬開催は中止となる。
1948年、国営競馬の開始にともない「騎手養成所」を復活。
1950年、馬事公苑で第1回長期騎手講習開始。
1964年、馬事公苑が東京オリンピックの会場となり、生徒たちは白井や宇都宮など転々として講習を受けた。
1982年、馬事公苑の騎手養成業務の全てが白井市の競馬学校に移管された。
応募資格(一部)
- 中学卒業見込みまたは中学卒業以上
騎手課程
- 定員は10名程度
- 入学時の年齢が4月1日時に15歳以上20歳以下
- 一定基準内の体重視力
厩務員課程
- 定員は15名程度
- 競走馬・育成馬・乗馬の騎乗経験期間が合計で1年以上あり、かつ単独騎乗で3種の歩法(常歩、速歩、駈歩)が可能である技量
騎手教育課程
期間は3年間で、乗馬経験がなくとも騎乗技術を身につけるカリキュラムが組まれている。
一学年を担任1人と教官2人が担当し、日曜日は休校日として生徒の外出が可能。
生徒は入学から約1年半は基礎課程としてを座学と実技を学ぶ。
その後は実践課程に移り、前期は美浦・栗東(滋賀県栗東市)の両トレーニングセンターの厩舎に配属され、調教師のもとで調教騎乗等の技術を身につける。
後期は競馬学校に戻り、生徒同士の模擬レース等も実施。
模擬レースは、現役騎手も騎乗参加するものや競馬場で行われるものについては一般公開されている。
そして騎手免許試験に合格して全課程が修了し、卒業とJRA競馬の騎手としてデビューする。
在学中の体重管理が最も厳しいといわれており、入学後も減食生活をして規定の体重を維持しなければならない。
そのため発育による体重増加に悩まされる生徒も多く、また食堂にはカルシウムなどの補給目的で自由に口にできる煮干しなどが置かれている模様。
厩務員課程
期間は半年で、例年入学時期が2回ある。
主な教育内容は調教訓練、厩舎や競走馬の管理(世話)、装蹄など。
花の12期生
本校の騎手課程を1996年に卒業した10人の騎手。
JRA競馬初の女性騎手誕生や、天才騎手として知られた福永洋一の長男らがデビューした事で注目された。
外部リンク
フリーアナウンサー大澤幹朗による花の12期生に触れた公式コラム