概要
主に出汁をとる材料として使われるほか、そのまま、あるいは乾煎りにされている。
沿岸地域各地で産し、長崎県が日本最大の生産地。
香川県伊吹島産など瀬戸内海で漁獲したカタクチイワシを加工したものが有名。
カルシウムが豊富である。
「煮干しの日」という記念日がある。
詳しく
煮干だしの取り方
水出し法と煮出し法があり、水出しの方が雑味の少ない良質の出汁が取れる。
頭と腹わたからは苦味や雑味が出るので下拵えとして取り除くと良いとされるが、水出しの場合は頭と腹わたから灰汁が出にくいため、それらから出る旨みを利用するために取り除かない方法もある。出汁が出やすいように、中骨に沿って2枚下ろしのように指で二つに割る。ただし一般家庭で味噌汁等に使う場合には、特別な下拵えをせずにそのまま使う場合も多い。なお出汁を抽出した後に焼け火箸を入れると生臭みの元になっている成分が揮発し上品な出汁になるといわれている。
出汁をとった後の煮干は出し殻として取り出すが、家庭料理ではそのまま汁の実として食べる場合もある。
水出し法
- 1000ml程度の水に50gほどの煮干を入れて一晩(10時間程度)出汁を抽出する。
- 煮干を取り出した後に出汁を加熱して用いる。
煮出し法
- 1000ml程度の水に30gほどの煮干を入れて10分程度煮出す。
折衷法
- 1000ml程度の水に30gほどの煮干を入れて30分から一晩程度出汁を浸出させる。
- 煮干を取り出さずに10分程度煮出す。
栄養価
- カルシウム:不足すると骨量が減り、骨折、骨粗しょう症を起こす可能性が高まる。また骨質が薄弱になり、肩こり、腰痛が起こる。
- ナイアシン:糖質・脂質・タンパク質の代謝に不可欠。循環系、消化系、神経系の働きを促進させる効果もある。
- 鉄分:血液中にある赤血球のヘモグロビンの成分。不足すると鉄欠乏性貧血
- DHA(ドコサヘキサエン酸):DHAの摂取は血中の中性脂肪(トリグリセライド)量を減少させ、心臓病リスクを低減する。また、DHAが不足すると脳内セロトニンの量が減少し、多動性障害を引き起こすという報告がある 。アルツハイマー型痴呆やうつ病などの疾病に対してもDHAの摂取は有効であるといわれている。
- EPA(エイコサペンタエン酸):冠状動脈疾患に対してヒトでの有効性が示唆されている。また動脈硬化、脂質異常症(高脂血症)リスクを下げる働きがあるとも言われる。