「ほんの少しでいい。誰かの人生を変えてあげればいい。
きっとそれだけで十分なんだ。」
概要
10年間の旅の末、戦士アイゼン、僧侶ハイター、魔法使いフリーレンとともに魔王を倒した勇者。
魔王の討伐を最終目的にしていたが、冒険を楽しむことやささやかな人助けを目的としていたところもあり、今でも当時を知る老人などから慕われている。
彼の偉業を親から聞かされて育ったであろう世代も含め多くの人々が葬式に参列し涙し、エルフとして悠久の時を生きるフリーレンは『人間を知る旅』に出ることを決意するきっかけとなった。
劇中の時間経過の表現は「勇者ヒンメルの死から〇〇年後」という表記になっており、物語の第一話で退場したにも拘らず、ストーリーが進むたびに彼の存在感が増していくという仕掛けになっているのも特徴である。
人物
容姿・性格
泣き黒子が特徴の美形ではあるが、それを台無しにするほどの極度のお調子者のナルシスト。
旅立ちの日にアイゼンと共に王様に対してタメ口を聞き、危うく不敬罪で処刑されかける等、いわゆる残念なイケメン。
50年後は頭は禿げ上がり、豊かな白い髭を蓄えた老人となってもナルシストぶりは変わらず、一人称も当時と同じ「僕」。
善良で困った者を放っておけず、その力を他者の為に振るう事を惜しむことのない紛れもなく勇者の心を持った青年であり、人々からもパーティメンバーからも慕われていた。
慈悲深いが人間のルールが通用しない残虐な魔族に対しては一切の躊躇を見せない。かつて、その優しさと人としての理性的態度を尊重する姿勢が仇となり、フリーレンの忠告を無視してある村を襲った子供の姿の魔族を見逃した結果、更なる惨事に発展するという苦い経験をしているが、最終的にはフリーレンの言葉を理解して躊躇なく一刀に切り捨てた過去を持つ。
経歴
幼馴染のハイターとは同じ孤児院出身(幼少期は母親がいたため最初から孤児院にいたわけではないと思われる)。
16歳、魔王討伐の旅に出立。
26歳、10年越しで目的を果たし、勇者としての名を知らしめる。
76歳、50年ぶりにかつての仲間達と共に、半世紀流星-エーラりゅうせい-と呼ばれる流星群を見に行く、という待ち望んでいた『最後の冒険』を終え、老衰により間もなく死去(誕生日によっては満年齢は異なる可能性はあるが、ここでは捨象する)。
戦闘力
圧倒的な戦闘力の持ち主。劇中では主に回想シーンで語られる。
実は伝説の剣に選ばれなかった人間だが単純な実力で魔王討伐へと持ち込んだという。
戦闘力の高さは幼少期の頃からその片鱗を見せており、ナイフくらいのサイズの刃物で自身より大きな魔物を退治した事もある。
奇跡のグラオザームとの戦いでは魔法で幻を見せられている状況で目を閉じ意識を幻に閉ざされた状況でグラオザーム(と隠れて支援を行うソリテール)を圧倒した。
老齢になっても現役だったらしく危険な魔物や魔族が多く生息する大陸北部を横断していた。
魔族の方もヒンメルを恐れていたらしく、断頭台のアウラ等の魔族の残党が活動を再開したのは彼の死後になってからの事であった。
フリーレンに対して
言動の端々から、密かに片想いしていたーーあるいは真に愛していたーーらしき描写が見られる。村の子供が彼女のスカートを捲くった際には「クソガキ」「ぶっ殺す」とまで言って激昂し、彼女の投げキッスに瞬殺される(この効力に、当のフリーレンは非常に高い悩殺力を持つ技と誤認したまま現在に至る)。
殊に討伐の労いとして彼女に指輪を買い与えた際は、片膝を着いて左手薬指に填めるという求婚の儀式に則った演出をしており、フリーレンが無作為に選んだ指輪が「久遠の愛情」を意味する鏡蓮華のデザインであったことも気づいていた節がある。
故郷と仲間を魔族に奪われ、孤独に生きてきたフリーレンのことを思いやる言葉をかけてやるなど、旅の中で互いにいい関係となっていったが、フリーレンがそれを自覚しなかったためか、死ぬまでその気持ちを表に出すことは無かった。
実は幼少期、迷子になった時にフリーレンに助けられたことがあるらしい(フリーレン本人もそのことを本人から打ち明けられた直後に思い出している)。
また、出会った直後の彼女の魔法使いの実力について、ハイターが彼女の魔力制限を見抜けなかったのに対し、ヒンメル自身も見抜けはしなかったものの、彼女が今まで出会ってきた魔法使いの誰よりも強いと直感していた。
コミック118話でかなわないと諦めた夢を実現する幻を見る魔法をかけられたとき フリーレンとの結婚式の夢を見ていたことから フリーレンを愛していたことが確定した。