概要
巧真理とは、主人公の1人の乾巧とヒロインの1人の園田真理のノーマルカップリング、或いはコンビである｡
最初の出会いはたまたま居合わせた定食屋だったが、真理の鞄を自分の鞄と間違えて彼女を追いかけた末に偶然にもファイズギアを付けて変身させられた事により真理には使えないファイズギアを使えるという理由で喧嘩しながらも行動を共にしていく。
啓太郎曰く｢子供っぽい｣と言われる2人で、喧嘩の内容ややり口も非常に子供っぽい。例えば…
・真理と同行したくないがために野宿で寝ているところを逃げようとしたが真理の｢卑怯者！｣｢逃げんなよ！｣という言葉で結局逃げ出す事ができず不貞腐れるように寝る
・同上の理由で真理の鞄を投げ捨てる(しかし、この鞄は真理の鞄ではなく巧自身の衣類が入った鞄だった)
・以前オルフェノクに襲われ｢怪我をした｣と嘘をつき美容師になれないかもしれないと泣き脅しを使い巧に同行させるきっかけを作る(嘘だとバレて巧は激怒した)
・｢バカ｣と言われた事をきっかけに｢バカ｣と言い返しお互いに｢バカ｣を連呼(啓太郎によって｢バカって言う方がバカなんだよ！｣と止められて喧嘩は終わった。)
反面、お互いにとって取り繕う必要がなく本音をぶつけ合える仲でもあり、巧は他人に弱さをあまり見せないが、真理が弱さを見せるのは決まって巧に対してである。
基本的に二人が居候している西洋洗濯舗菊池での料理当番は真理が行っており、彼女の機嫌が巧によって損ねられると猫舌である当人を無視してアッツアツの鍋焼きうどんを出されたり、時にはワガママに対してお子様ランチを用意されたりもしていた。しかしそうなると巧も頭に血が上って｢こんなもん食えるか！｣と粗末にする事だけはしないものの舌戦になる事も非常に多かった。
小説版ではさらにエスカレートしており、啓太郎曰く｢お互いに負けず嫌い性格なのでムキになると結局どちらも折れない上、無関係の啓太郎が巻き込まれてどちらかの代わりに謝って手切れになる｣というものだった。
特に上記の料理に関しては熱いものを出されて巧がブチギレ、真理もそれに対してブチギレて翌日からはなんと氷化した料理を出すという蛮行に。しかし巧もムキになってこの氷をバリバリと音を立てて食すというどっちもどっちな有様だった。
本編終盤の動向
巧の正体がオルフェノクだと判明し、｢自身や流星塾の仲間達を殺したのが巧の変身するオルフェノクだった｣と勘違いしていた真理は彼を拒絶してしまう。
その後、彼の命がけの戦いを見た事により、誤解は解けたが過去を思い出した真理にとってオルフェノクはトラウマと化してしまう。
しかし、巧にとってもそれは同じだった。真理や流星塾星が殺されるのを守ろうとしたのは巧だったが、力及ばず彼には助ける事ができなかった。
さらに、巧の本心には｢自分が人を裏切るのが怖い｣という本質もあり、自身がいつ｢心までオルフェノクとなって人を殺してしまうのか｣｢自身がオルフェノクである事がわかる事によって仲間や友達になり得る人々が自分から離れていく事｣を恐怖していた。
しかし、そんな巧を啓太郎と共に真理も再び受け入れた。
一度死んで記号を埋め込まれている以上、彼女を純粋な人間と呼んでいいのかどうかはわからないが結果的には人間とオルフェノクの架け橋となった二人だろう。
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20年後の物語【ネタバレ注意】
仮面ライダー555から20年、2024年にVシネクストとして続編であるパラダイス・リゲインドが公開。
そこに待っていたのは衝撃的な展開であった。
オルフェノクを守るべく保護活動を行っていた真理達だったが、その前に突然数年前に失踪したという乾巧が姿を現す。しかしネクストファイズへ変身した巧は仲間であったはずの海堂らを突然攻撃。ミューズの一撃によってデルタに変身していたヒサオが死亡。真理達はその場から退却を強いられる。
真理 ｢巧…どうして…｣
巧は玲菜と共に会話を交わすが玲菜から｢過去の…彼女さん？｣と過去を深掘りされるが｢そんなんじゃない｣と否定する。ちなみに、真理の分析画面にも｢の変身者との間柄は｣と意味深な文章が浮かんでいた。
その夜、真理は草加から｢オルフェノクの保護を行っていたのは突然いなくなった乾巧と出会えると思っていたからだろう？｣と看破されてしまう。草加から求められて思わず真理は拒絶してしまう。しかしその道すがら、巧と再会。彼は｢散歩｣と称して家を出た際に頼まれていたマヨネーズを彼女に渡す。
真理 ｢散歩…長いよ…｣
巧 ｢…お前…オルフェノク守るのやめろ｣
真理 ｢は？…何よそれ！｣
巧が言うには自らの運命を悟り、失踪後に彼は一度死にかかったがそれを北崎によって回収され、延命されたと語り、オルフェノクはいずれ滅びゆく運命だと真理に伝える。しかし真理は｢巧こそが最もオルフェノクと人が共存できる道を信じていた｣と説得を試みるが、巧は｢俺はもう疲れた｣と答えるのだった。
自身が生きてる事の真実と迷いを吐露し巧は戻ろうとするが、真理は玲菜によって拉致。彼女はスマートブレインの医療室へ運ばれてしまう…。
玲菜の策謀によってワイルドキャットオルフェノクに覚醒してしまった真理。
真理のオルフェノク化に呼応するように巧も冷凍睡眠装置から目を覚ます。
自らがオルフェノク化した事を信じられない真理は、｢殺せ｣｢殺られる前に殺せ｣というオルフェノクの本能に支配され、仲間の区別もつかずに暴走してしまう。そこに駆けつけたのは巧だった。
巧 ｢感じるぜ…オルフェノクになっても、お前を感じる｣
真理は巧にも攻撃を仕掛けるが…
巧 ｢いいぜ…やれよ！それでお前の気が済むんならな！｣
巧のその言葉を聞き、真理はその手を止めた。
自らがオルフェノク化した事へのショックを受け入れきれない真理は皮肉にもかつて恋心を抱いた木場と同じようにビルの屋上から投身を図るが、そんな真理の元へ巧が現れ、彼女を廃校へと連れていくのだった。
巧は目を覚ました真理に対し、「生きているのか死んでいるのか、自分がわからない｣という迷いを打ち明けながらも、飛び降りを図った彼女の行動を「お前らしくもない」と指摘し、「今を生きろ」と励ましの言葉を掛ける。しかし真理はオルフェノクとの共存を望んでいたはずの自分にも「人間として生きていたかった」という理屈で説明できない感情があることを吐露し、巧の言葉を拒絶して逃げるように出て行こうとする。
引き留めようとする巧の手を振り払おうともがく真理だが、巧は真理に縋りつくように、あるいは懇願するように、震える声で今まで隠し続けてきた本音を吐き出した。
巧 ｢…助けてくれ…｣
その言葉を聞いた真理は、躊躇いながらも蹲る巧を抱き締めた。
その後はウルフオルフェノクとワイルドキャットオルフェノクとなった2人による情事を匂わせるシーンの後、事後シーンへ切り替わる。
互いに抱え込んだ苦悩を分かち合い、自らの存在と生に対する絶望の底から抜け出した2人は、穏やかな表情で寄り添い夜空を見上げた。
巧 ｢お前のことが心配で、死んでる場合じゃない｣
真理 ｢それは…こっちの台詞かな｣
だが、そんな時間もつかの間、巧を想っていた玲菜が二人を襲撃。戦いながらも彼らは逃走する。
巧は北崎の変身したミューズ、真理は草加の変身したネクストカイザと戦うが、次第にどちらも劣勢に追い込まれていく。しかし条太郎が巧に渡した旧式のファイズギアによって巧はファイズに変身。巧自身の意地によって遥かにカタログスペックを上回るはずのミューズ、そしてネクストカイザを相手に優位を形成。傷を負いながらもそこに真理が駆けつける。
真理 ｢巧…私も一緒に｣
巧 ｢あぁ！｣
真理が変身したワイルドキャットオルフェノクの斬撃にクリムゾンスマッシュを重ね、これを撃破するのだった。
エピローグでは失踪した日の晩御飯の予定であったお好み焼きを仲間達と共に頬張るのだった。
巧 ｢あっつ！ …おい真理！ 俺が猫舌なの知ってんだろ！？｣
真理｢もう、何よ！ …しょうがないなぁ…ふー ふー｣
