概要
CV:川澄綾子
『紅い蝶』の主人公。澪の双子の姉。年齢は15歳(眞紅の蝶では17歳)。射影機の開発者である麻生邦彦博士の子孫でもある。
妹の澪とは逆に控えめで大人しい性格で引っ込み思案。 強い霊感を持っており、本編内でも澪(プレイヤー)は繭の視野を通して幾度か奇妙なビジョンを見る。しかし、霊に対する耐性を持っていないため、とりこまれやすい。小さい頃澪と山に入った際、山道の斜面を滑り落ちて右足を怪我してしまう。その後遺症で走ることができず、澪が一人で走るとついていけなくなる。
ダムに沈むことになる故郷を見るために、妹や母と共にかつての故郷を訪れていた。妹と共に沢を歩いていたところ、紅い蝶に導かれるように森の中に入っていき、やがて彼女を追ってきた澪と共に地図から消えた村・皆神村に迷い込んでしまった。
澪は繭と共に村からの脱出を試みるも、霊に取り込まれやすい繭は皆神村の霊たちに取り憑かれて村の奥へと彷徨うようになり、「大償」を引き起こした黒澤紗重の怨霊に取り憑かれてしまう。自分とよく似た境遇の紗重の想いと、自分自身の澪への想いが同調し、澪とずっと一緒にいたいという想いから儀式を望むようになり、そして・・・。
ちなみに繭は現代日本の基準で双子の姉(先に生まれた方)であるが、皆神村では「先に生まれた方が妹・弟、後から生まれた方が姉・兄」とされているため、繭は皆神村の中では「双子の妹」の方になる。
リメイク版での繭
リメイク版の眞紅の蝶では衣装がワンピースではなく澪の服に似た形状の衣装となっている。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
『眞紅の蝶』の発売元が任天堂であった縁があり、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』では澪とコンビでフィギュアになっている。
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』では澪と共にスピリッツとして登場しており、バトル時は「主人公に助けられたことがある」という面を意識してピーチに憑依する。
関連イラスト
関連タグ
零 紅い蝶 零~紅い蝶~ 眞紅の蝶 天倉澪 天倉螢 もう一人の主人公
結末
紅い蝶(正史)
虚で澪と再会する繭。だが、繭には紗重が取り憑いており、いつか澪と離れ離れになってしまう不安で心がいっぱいだった。儀式をすればその不安は消えて澪と一つになれる事を知った繭は澪に「殺して」と呟き、絞首してもらった。澪が手を離すと、首に紅い蝶が浮かび上がった。儀式が成功し、繭の遺体は忌人に虚へと投げ込まれた。その際、繭は紅い蝶になって「ありがとう」と澪に礼を言い、朝日の向こうへ飛んでいった。
マヨイガ(異伝)
一人で村から逃げようとする澪に置いていかれた繭。澪が序盤に訪れた沢に居た時には既に繭は見当たらなかった。代わりに「ずっと待ってる…」という繭の声が聞こえた。このエンディングを迎えるとゲームオーバー扱いになる。
約束(異伝)
紗重に取り憑かれ、虚に落ちようとする繭。その時、駆けつけた澪から八重が出現(八重の残留思念が澪に憑依していた)。八重と再会した紗重は今度は手を離さない事を約束し、八重と共に虚に落ちた。その際、繭は寸前の所で澪に助けられ、自身の肉体から紗重が分離。儀式が終わって、村の出口に到着した繭と澪はそれぞれの秘められた本音を言いながら絆を強めた。
凍蝶(異伝)
まだ紗重に取り憑かれたままの繭は澪に儀式を行う為に澪の両手を自分の首元に寄せる。だが、澪は儀式を拒絶。次の瞬間、儀式が不可能になった事を知った繭は絶望し「ずっと苦しいままでいい、ずっと地獄でいい…」と言い、狂って泣きながら笑い出した。そんな繭を見た澪は幼い頃に起きた事故を思い出した。当時、澪は事故で怪我した右膝を押さえて泣き笑いする繭を呆然と見つめた後気絶していた。繭は「ずっと二人でここに居よう」と言いながら澪の首元を両手で包み込んだ。その後、死体だらけの黒澤家にいた繭の膝元には目を開けたまま微動だにしない澪が横たわっていた。EDが終わった後、雛壇のある部屋で繭は澪の顔を膝に置いて澪の唇に口紅を付けた後、愛おしく澪に口づけした。
虚(異伝)
自身に取り憑いた紗重と共に危うく虚に落ちそうになった繭だが、落ちる寸前に澪に腕を掴まれた瞬間紗重が離れて正気に戻る。虚から這い上がって生還した繭は、澪が虚の中を覗いたことで失明した事を知る。この事で澪に守られていた側だった繭はこの件以降から澪を守る側になった。そして、故郷の沢がダムになった事を知り、澪とダムを見にきた繭。そろそろ帰宅しようとベンチから立った盲目の澪を見つめながら、繭は心の中で「ずっと…一緒だから…」と呟き、微かながらも微笑んでいた。
陰祭(異伝)
虚の近くに座り込んでいる繭。するとそこに澪がやってきた。繭は澪に対して「今度は一人で逃げなかったね」と言いながらも、「もう遅いよ」「もうすぐ大償が来る」「逃げれば澪だけは助かったのに」と失望感のある言葉を述べた。それでも澪は「私だけ生き残るくらいなら…おねえちゃんのそばにいるよ…それが…ほんの少しの間でも…」「今度は一緒に落ちようか」と言い、繭のそばに座り共に逝く事を既に決めていた。すると場面が変わり、繭と澪は浴衣を着て、夏祭りに来ていた。灯篭と花火で彩られた夜空を眺めながら繭と澪は手を繋ぎながら夏祭りを楽しんでいた。だが、それらは全て夢だった。大償が起きた後、澪に心動かされた繭はゆっくりと澪を抱き締めた。虚の近くには繭と澪がきれいな織物に身体を包まれ、微動だにしないまま両手を握りしめあって幸せそうに目を閉じていた。この結末に関しては意見が割れており、悪いエンドか良いエンドか今も話し合いが行われている。
足の怪我の真相
右足にできた怪我は事故として片付けられているが、本当は事故ではなく繭がわざとやった事である。理由は、いつか澪と離れ離れになるという未来を想像し悲観的に感じて飛び降りたからという半ば自殺のような衝動的なものであった。
余談
正史である結末「紅い蝶」で繭は死亡したが、刺青の聲では間接的に登場している。