解説
1995年にスクウェア(現スクウェア・エニックス)より発売された聖剣伝説3のフルリメイク作品。2020年4月24日発売。開発は株式会社ジーンが担当。
正式名称は『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』であるが、記事作成時点では「聖剣伝説3ToM」の略称タグが圧倒的に多い。
対応機種はSWITCH、PS4、STEAM。キャラクターデザインはコレクションからの続投でHACCAN。
主な変更点・追加要素
- 一人プレイ専用になった。これはフィールドがフル3Dになった事や三人称視点になった事によるもの。
- キャラクターボイス実装。
- キャラクター名も喋ってくれるが、引き換えに名前の変更はできなくなった。
- BGMは菊田氏監修の下全曲アレンジ。
- オプションで「アレンジ」と「オリジナル」の切り替え可能。SFCの音源に馴染み深い人でも「オリジナル」に設定する事でプレイ可能。
- グラフィックが2Dからフル3Dに改められた。
- これにより、フィールドマップは最大5つ(本編のみ)のエリアにまとめられた。ワールドマップはSFC版の疑似3Dから完全に3D化されたこと、マップ切り替え時の確認が入るようになった以外はほぼ従前どおりの仕様。
- バトル面は大きく改変。別項目にて記載。
- 育成システム自体も大きく変更された。これも項目を分けて記載。
- クラスチェンジした後もクラス1に戻すことが可能となった。これも育成の項目に記載。
- 強くてニューゲームが実装された。後述。
- 難易度変更のシステムが実装。後述。
- ドラゴンズホール以外のルートでもブラックラビと戦える上、何度でも再戦可能になった。
- セーブスロットが12個+オートセーブ1個の計13個になった。
- 戦闘や移動中に仲間同士で掛け合いするようになった。誰を主人公にして、誰を何番目の仲間にしているかで内容が変化する。
- 主人公や仲間と因縁のある人物との戦いでも掛け合いが発生する。ただし「デュランとアンジェラを連れた状態にするとデュランと相手の台詞が優先され、アンジェラの掛け合いが聞けなくなる」などのケースがある。
- 武器も個別にグラフィックが用意され、周回で集めた武器のビジュアルをメニュー画面で閲覧できる。
- 種を植える植木鉢にLvが設定された。種を植えてLvが上がれば上がるほど敵の種のドロップ率と種を植えた際に良いものが実る確率がアップする。
- 種の種類が統一されており、基本的には「アイテムの種」と「???の種」。アイテムの種から武器防具や魔法アイテムも出るようになっている。アイテムの種は「(ただの)アイテムの種」⇒「銀色~」⇒「金色~」⇒「虹色~」とランクがあり、後者ほどレアなアイテムが出るようになっている。
- サボテン君探しが実装された。世界中に50ヶ所にいるサボテン君を見つけると5回見つけるごとに便利な特典をつけてくれる(宿屋無料、経験値がたまに2倍、3倍など)。サボテン君のコンプ状況は強くてニューゲームにも引き継げる。
バトルシステムの変更
バトル面は原作のプレイフィールを尊重しつつも、非常に大きな改変が入った。
フィールドの設定と逃走
シームレスに戦闘に移行することは一緒だが、フィールド移動中でも戦闘中でも同じアクションを行えるようになった。移動速度も同一で、街中でも武器を振り回せる(どこかの勇者の様に他人様の家の壺を叩き割ったりはしないが)。
- マップの仕様変更とも絡むが、敵集団ごとにバトルフィールドが設定されるようになった。
- さらにこの影響と考えられるが、雑魚敵の配置もほぼ固定され、エンカウントのランダム要素は無くなった。戦闘開始で不意を突くこともなくなり、眠っているラビを殴る非道な主人公は過去のもの。一方で各戦闘毎に敵の数も種類も固定なので、予め有利なアビリティやアイテムを装備して臨むことすら可能になった。
- 逃走はフィールドの境界に向かって一定時間ダッシュするように変更。
アクション要素の強化
恐らく本リメイク最大の変更点。高さの概念が導入されたためジャンプが追加されただけでなく、コンボやダッシュ、ローリング回避も実装され、全体としてアクションゲーム要素が強くなった。そして回避不能の攻撃は存在しなくなり、物理的に回避する、詠唱を妨害して攻撃を阻止するなどのアクション性をより高めたバトルデザインとなった。
- この影響か命中率・回避率の概念が無くなっている(ステータスから「すばやさ」が削除されており、該当する特技や追加効果の削除や調整もされている)。
- 「防御」というアクションは無い。
- 敵味方とも「向き」の概念が導入され、キー入力で「特定の敵を狙い、それを軸に移動する」ことも可能となった。背面に攻撃するとクリティカルが出やすくなったり、狙っている敵からの攻撃には防御ボーナスがつくといった「立ち位置やターゲッティングが戦況に影響する」要素も強化された。
ジャンプ・移動・ローリング回避について
- ジャンプの高さや移動速度(歩行とダッシュ)は操作で任意に調整できるが、ローリング回避の性能含めてキャラ毎の差異は無い。装備による影響などもない。
- ローリング回避は発動直後のみだが無敵時間がある。ローリングしている間全てが無敵では無い点に注意。
- ジャンプなどで空中にいる場合も空中弱攻撃、空中強攻撃、空中ローリング回避が可能。
- ダッシュ中に弱攻撃でダッシュ攻撃となる。
攻撃モーションとコンボについて
攻撃モーションは全キャラ個別で違いがあり、クラス1は3連入力まで、クラス2で4連、クラス3-4では5連まで、弱攻撃と強攻撃を組み合わせてコンボが組める。ダッシュ攻撃と空中攻撃もあり、モーションの兼ね合いで間断なくコンボに移行できるキャラも居るが、原則コンボとは別枠の攻撃である。
- 必殺技のSPゲージ回復のかけら(ジェム)は基本的には強攻撃Hit時に発生。他にもSP回収手段は多数だが、かけらはパーティ全員のSPを回復させる効果がある。
- 雑魚敵含め被弾しても怯んだりダウンするのは敵HP低下時や一部の強攻撃、必殺技のみ。アビリティでダウンを取りやすくなるものもあるが、先制攻撃しても敵(特に怯むことが皆無な大型のボス)はお構い無しに反撃してくる可能性があるため注意。ただし敵は回避もしないが。
- 弱攻撃のみ(1-5連撃)
基本的な攻撃モーション。クラスによるが最大3連撃から5連撃。原作で1入力2回攻撃だったケヴィンやホークアイも弱攻撃は1入力1回攻撃となった。
- チャージ攻撃
強攻撃を単独で入力するとチャージが始まり、ボタンを離すとチャージ攻撃が発動。リメイク版では一部ボス含めアーマー持ちの敵が居るが、アーマーには守備力とは別の削り値が存在する。チャージ攻撃はアーマーの削り値が大きく、最大タメなら多くの敵のアーマーを一発で破壊できる。
- 弱強攻撃(吹き飛ばし攻撃)
敵を吹き飛ばし、ダウンも取りやすい攻撃。通常戦闘の要だが全般的に発動が遅くリーチも範囲も狭いことと、ボスとなると人型でもまず怯まず足止め不可能な点に注意(人型ボスならば、必殺技くらいなら比較的高い割合で怯んでくれるが)。
- 弱弱強攻撃(広範囲攻撃)
広範囲を巻き込む強攻撃。デュランやリースの横薙ぎがいかにも広い。ケヴィンだと強攻撃は独特のモーションで2連撃の合計4連撃、ホークアイならスピンしながら3連撃の合計5連撃で、キャラ毎の差異が大きいコンボ。
- 弱弱弱強攻撃(クラス2コンボ、突進攻撃)
クラス2以上で使用可能なコンボで、強攻撃の際に正面に高速で突進する。敵の配置によっては多数を巻き添えにしたり、高速移動で回避や敵群からの離脱にも使える。
- 弱弱弱弱強攻撃(クラス3コンボ、高倍率攻撃、最終コンボ)
クラス3以上で使用可能なコンボで、キャラ毎のモーション差が非常に大きいが、全般に攻撃倍率が非常に高い。攻撃計算式の差もあり一概には言えないが、この強攻撃だけでクラス1必殺技を超える破壊力が出る場合もあるほど。リースは3Hit、ケヴィンとホークアイは5Hitで他は1Hitである。
ダメージ計算式の大幅変更
公開されているわけではないがオリジナル版では「攻撃力-防御力」だったが、リメイク版では「(攻撃力×レベルによる係数)÷防御力」となり計算式が根本的に変化し、その影響かステータスの数値も大きく変化した。なお、魔法や忍術や召喚などは「(魔法攻撃力×レベルによる係数)÷魔法防御力」となっている。
なお、一撃あたりの最大ダメージは5桁まで、味方最大HPも4桁にまで伸びた。
- 攻撃力は「力」と「武器の攻撃力」の合算で、旧作のように武器の攻撃力係数に力を乗算するものではなくなった。
- 防御力は「守」と「防具の防御力」の合算で、こちらも身体防具の係数はなくなった。
- 魔法攻撃力は「知性」と「武器の魔法攻撃力」と「魔法自体の攻撃力」の合算となり、アンジェラなど魔法使い系でも武器を強化する重要性が増した。また、光属性魔法も計算式は知性依存に統一された。
- 魔法防御力は「精神」と「防具の魔法防御力」の合算となった。
- 攻撃力にかかる係数は(当然だが)弱攻撃より強攻撃の方が大きい。特にクラス2コンボやクラス3コンボはダメージ倍率が大きく設定されている。なお、クラス3コンボが三連撃のリースより一撃のデュランの方が一発あたりの倍率は大きいものの、全弾叩き込めばリースの方が最終的な倍率は上回るようになっている。連撃するキャラクターの方がダメージ効率は有利だが、その分攻撃フレームが伸びてしまい反撃を貰いやすい点には注意が必要。
- 『パワーアップ』etcで得られる攻撃力バフは120%で、ダメージは素直に120%となる。一方で『プロテクトダウン』etcを敵に付与した場合は防御力80%となり、ダメージは125%となる。ちなみに同種のバフやデバフは重ね掛けはできないが、自身に『パワーアップ』と敵に『プロテクトダウン』を併用すれば相乗効果を得られダメージは150%となる。
- 必殺技は少し特殊で「[{(攻撃力+魔法攻撃力)÷2}×レベル係数]÷防御力」であり、アンジェラやシャルロットでも魔法攻撃力の影響で技に威力が得られる仕様となった。一方で『パワーアップ』のバフによる必殺技のダメージ向上は「攻撃力」分しか120%とはならず、『パワーアップ』と『マインドアップ』を両方かけて初めて必殺技の威力が120%となる(数値だけ考えれば敵に『プロテクトダウン』かけてしまった方が早いとも言える)。
- 魔法アイテムは魔法と同一で使用者の魔法攻撃力と敵の魔法防御力がダメージ計算に参照される。一方で投擲アイテムは計算式に運と敵の防御力が参照され、ホークアイだとダメージが上がりやすい。なお、ホークアイの一部クラスのトラップ攻撃なども運を参照している。
- 広範囲の魔法や必殺技、全体忍術でどれだけ多数の敵を巻き込んでも敵単体あたりのダメージは減衰しない。
- 回復魔法と『ポトの油』の回復量は術者の精神とレベルのみが参照される。こちらも全体化しても減衰しない。
属性の仕様について
弱点はダメージ150%、半減は50%で無効や吸収も原作と同じ。ただし一部の敵の弱点属性などに変更がある。
曜日一致は魔法で+4%の、セイバー魔法で+8%のダメージ倍率になる。光属性と闇属性は曜日や昼夜の影響は無い。
補助魔法・特技などの効果について
『パワーアップ』や『エナジーボール』などのバフ、『プロテクトダウン』などのデバフ、セイバー魔法、毒や火だるまなどの状態異常は原則1分で効果が切れるようになった。例外は『ライフブースター』など最大HPに影響するものと状態異常の石化は基本永続し、『カウンタマジック』『トランスシェイプ』などは被弾するまで効果が続く。
戦闘不能の回復手段はシャルロットの専用アビリティを除き『天使の聖杯』のみ。
なお『パワーアップ』『プロテクトアップ』『マインドアップ』の三大バフは、デバフに対して段階的に作用し、仮に『パワーダウン』になっている場合には『パワーアップ』をかけても「正常に戻る」だけとなる。
ちなみにリメイクにおいては、特技やアイテム以外に三大バフ・三大デバフを付与するアビリティが多数新設された。リースの役割が奪われているが、一応他のアビリティでリースがバフ役・デバフ役の専門家たる地位は保たれている。
- 『パワーアップ』や『プロテクトダウン』などバフ・デバフは同種の重ねがけは出来ない。火力を上げたいなら「味方に『パワーアップ』+敵に『プロテクトダウン』+弱点セイバーや曜日セイバー+アビリティによるダメージ強化+クリティカルによる強化」など、別カテゴリのダメージアップが必要になる。
- 1分で切れる兼ね合いから、デバフや状態異常はクリティカルや強攻撃で付与できるアビリティの方が維持しやすい。
- 戦闘不能になると全てのバフ・デバフはリセットされる。しかしアビリティ『憤怒』による被ダメからの攻撃力強化はリセットされず保持されるなど、例外的なものもある。
リングコマンド(特技・魔法とアイテム使用)の変更点
リングコマンドは健在ながらアイテム欄は12個に増え、習得特技の種類に変更は無いが特技・魔法関連もアクション要素強化に準って大幅に変更が加えられた。具体的には「全体攻撃」はほぼ廃止され、特技・魔法(と、必殺技)はそれぞれ効果範囲が設定された。AIのキャラ含めリングコマンドで選ぶだけで特技やアイテムを発動できる点は旧作と一緒なので、ポーズ状態でもあるので効果範囲を見定めて入力すれば良いだろう。
ちなみにバトルが制止して演出が入るのは召喚魔法のみとなった。アンジェラの魔法発動中も食らった敵は構わず動くなりダメージモーションとなり、他のメンバーは敵味方とも普通に戦闘を続ける。
- 対象の位置関係に関わらず「全体化」できるのは回復・バフ・デバフ系のみ。例外的にニンジャマスターのホークアイが習得できる全体忍術だけは直接ダメージを与える特技だが全体かつ必中。
- 補助や回復の魔法、多くの攻撃魔法、忍術など大半の特技の待機/詠唱時間は2秒で、上級魔法や召喚では4秒あたりに設定されている。この間に被弾すると特技は阻止されてしまう。リングコマンド表示中はポーズ状態なのでAIの立ち位置で硬直させてしまうのは危険だと思えば見送ることもできる。
- 回復アイテムや投擲アイテムも基本2秒待機だが、魔法アイテムやクラスチェンジアイテムは4秒待機。同じ効果の特技より待機が長い場合がある点は注意。
必殺技とSPゲージの仕様変更
ゲージ回収も技の発動も効果も大きく変化した。旧作と異なりカウンターを貰うこともなくなり、リメイクでは「正しく必殺技」と言えるまでに地位が向上している。
- SPゲージは敵に強攻撃を当てると発生する「かけら(ジェム)」の回収で回復。他にもアビリティなどで回復手段は多数だが、基本は敵を殴る必要がある。「かけら」を回収するとパーティ全員のゲージが回復。
- ゲージ1つでSPは100%で、クラス1なら最大200%、クラス2なら300%、クラス3-4なら400%まで貯められる。クラス1必殺技ででゲージ1つ消費、クラス2で2つ、クラス3で3つとなり、この点は旧作と一緒。新たに設定されたクラス4必殺技は4つ消費する。
- 旧作ではゲージが満タンだとそれを全て消費する最強の必殺技しか出せなかったが、リメイクでは任意のクラスの必殺技を撃てるようになった。このためクラス1必殺技4連発という運用も可能になった。
- ダメージ計算式は「[{(攻撃力+魔法攻撃力)÷2}×レベル係数]÷防御力」、魔法攻撃力も参照される技に変更され、アンジェラでも火力を発揮できる仕様となった。係数はかなり大きいようで、正しく必殺と言える程度には威力がある。
- 上記の計算式のため『パワーアップ』によるダメージ向上は「攻撃力」分しか120%とはならず、『パワーアップ』と『マインドアップ』の併用で必殺技の威力が120%となる(数値だけ考えれば敵に『プロテクトダウン』かけて125%にした方が早いが、本作はデバフよりバフの方がリソースが潤沢なバランスである点は注意)。
- 原作ではクラス1必殺技にしかセイバー魔法の効果が出なかったが、リメイクでクラス2以降全ての必殺技にセイバー魔法の効果が反映されるようになった。弱点セイバーなら150%のダメージ倍率な上にSPのかけらまで発生させ、曜日セイバーや『アタックセイバー』系アビリティの恩恵も得られるため、元々の高威力の必殺技をさらに底上げできる手段が増え重要度がさらに増した。ちなみに『朱雀飛天の舞』に水属性を付与するetc、どう見ても技自体に属性があるようにしか見えない必殺技との無理のあるセイバーを併用という場面が発生するが、そこはツッコんではいけない。
- 操作キャラが必殺技を放つと1秒くらいキャラがアップと共に決め台詞の演出が入る。この演出はoffにもできる。
- 必殺技発動中は無敵となる。このため敵の攻撃の無敵抜けが可能だが、敵が必殺技の範囲内に居ない場合には発動不可能である点は注意。
- クラス1必殺技は武器で直接2-3Hitするもので、エフェクトも控えめ。例外的にリースの『旋風槍』のみ竜巻を発生させ最大5Hitする。なお、どの技も画面上の武器のリーチを超えて空中の敵を必ず巻き込める仕様となっている。
- クラス2以降は全体必殺技というものが無くなり、それぞれ特定の効果範囲を有する技に変更された。
- 特定の効果範囲を持つ場合は前方円範囲、周囲円範囲、前方直線上のいずれかが大半。ボスが怯まないため、必殺技を浴びながらボスが普通に逃げてしまうという事態もあり基本雑魚戦向きだが、ダメージを与える部位が複数で動きが鈍いor固定されているボスであれば大ダメージを狙える。
- 原作で単体攻撃だった技の多くはHitすると技のエフェクト中に敵を拘束(ロック)するものになった。原則単体のみ拘束し単体ダメージだが、ロック中も他キャラからの打撃や魔法のダメージが入るため上手く利用すればかなりの火力になる。その性質から動き回ったりワープするボスに効果的。ちなみにロックは単体でも余波が出て多少周囲の敵にもダメージが入る技もある。
クリティカルの実装
原作では死に設定だったクリティカルがきちんと発動するようになった。確率は5%でダメージ倍率は120%(期待値だと101%になってしまうが…)。
- 向きのある敵の場合、背中側から攻撃するとクリティカル率が上がる。上昇率は不明。
- 魔法や必殺技にもクリティカル判定を実装。多段Hitする魔法や必殺技は1Hit毎にクリティカルが出るか否か判定される。
- 『エナジーボール』でクリティカル率が20%上がる他、一部アビリティによっても確率を上げられる。最大は80%。
- この他にもアビリティ『クリティカルアップ』系や『集中』で確率の上昇、『クリティカルダメージ』系や『一閃』系にてクリティカルのダメージ倍率も上げられる。確率とダメージ倍率の両方を上げるとダメージ期待値が大きく向上する。
- クリティカル発生時にデバフ付与ができるアビリティを習得できるようになった。
敵の行動などの設定変更
- カウンターは極一部のボスのみとなり回避も可能で、魔法や必殺技に対するカウンターは廃止された。アンジェラ本領発揮である。この他ポロンの開幕ダーツのような理不尽な必中攻撃も無くなり、全て回避方法が存在する攻撃ばかりになった。
- 敵からの飛び道具、広範囲の攻撃、攻撃魔法の発生時には、事前にフィールド上に攻撃範囲が赤く表示されるようになった(赤範囲)。このため完全な死角から不意打ちされるようなこともなくなった(ただし難易度が上がると赤範囲の表示から攻撃発動までの時間が短くなる)。
- 敵は基本的にこちらの攻撃を回避や防御しない。無駄行動もあるが、原則は攻撃動作ばかりである。
- 殆どの攻撃の際に狙っている味方キャラクターの方を向く。これを予兆として回避したり、背面から攻撃するチャンスに活かすことができる。
- 敵の耐久力やサイズによるが、特定の強攻撃、必殺技、HP減少などでないと吹き飛んだりよろめいたりしない。一部のアビリティでよろめきやすくはできる。先手を取っても敵の攻撃を受けやすいため、敵の動作の後隙を狙うのがbetter。
- 敵によりアーマー持ちの場合があり、アーマーを破壊しないとまともにダメージが入らない。アーマー破壊の削り値は攻撃力とは別に設定され、チャージ攻撃や必殺技の削り値が特に大きい。
ボスの仕様変更
- 殆どの全体攻撃廃止の影響か、多くのボスの必殺技には新たに「青ゲージ技」と通称されるシステムが実装された。技自体はフィールド全体かつ大ダメージな「いかにもボスの奥の手」ものが多い。発動したら原則回避不可能に近いものが多いが、出現した青ゲージをパーティで攻撃して削り切ると発動を阻止あるいは途中で中断できる仕様である。神獣戦以降は殆どのボスが実装している。
- 大型のボスは原則として必殺技でもフラついて足止めできたりはしない。そもそも人型でも必殺技くらいでしか足止め不能で、吹き飛ばし攻撃で距離を取ることはまず不可能である。ただしHPが一定まで減ったり青ゲージ技の阻止に成功するとスタンする場合があり、その際には大量のSPのかけらを落とし一定時間無防備になる。
- 大型のボスの場合、攻撃を当てられる部位を複数有している場合がある。例えばフルメタルハガーなら「頭部」「身体」「右脚部」「左脚部」の4ヶ所を攻撃可能で、どこを攻撃してもフルメタルハガーのHPを減らせる。部位により多少守備力が違うボスが多いが、広範囲の魔法や必殺技だと複数部位を同時に攻撃できるためダメージが跳ね上がる仕様となっている。ちなみに『プロテクトダウン』など守備力に関連したデバフは1ヶ所にかければ全部位に効果が適用される。
- 「青ゲージ技」の削り値は攻撃力と無関係で、アーマー削り値とも異なる「モーション値」が設定されている。通常はクラス2以上の強攻撃や必殺技の削り幅が大きいが、一部の技には特定のモーションに特効がある場合まである。独特なシステムだが、多くのボスで「発動=全滅」くらいの火力がある奥義でもあり、味方の火力を引き上げるだけでボスが攻略できるわけでもない仕様から、本作のゲーム性の向上に貢献しているシステムと言えよう。
操作キャラの切り替えと味方AIの特徴
- 操作キャラの切り替えはボタンひとつで可能。コンボ中は切り替え可能だが、操作キャラが必殺技や魔法を発動中だと不可能である。
- 操作していないパーティメンバーはAIが操作する。バトル前にメニュー画面にて攻撃頻度や援護、MPやSPゲージをどの程度まで消費して良いかなどは決めておける。ただし戦闘中には変更できないため、ボス戦など戦局が変わる長期戦では小回りがきかない(例えば予め「援護のみ」と設定すると、青ゲージ発動時やボスのスタン時に限ってAIも全力で攻撃、という指示切り替えはできない)。また、特定の特技やアイテムだけ使うような指示も出せないため、シャルロット『ビショップ』の場合『ヒールライト+』と『ティンクルレイン+』だけ使って欲しくても『マジックシールド』をバカスカ使ってMPを枯渇させがちとなってしまう(ちなみにセイバー魔法系はAIは使わない設定の模様)。
- AIは攻撃頻度は総じて控えめで、敵と違い攻撃の回避も行うが精度はイマイチである。援護のみと指示しても、あまり必要ない場面でも補助魔法を連発して回復魔法を後回しにしてMPを消費したり、魔法の使い方も融通が効かない。
- 以上より、難易度にもよるが戦局の変化に対応できず、直接操作しないと火力を引き出せず、ケアしないとすぐ戦闘不能に陥るため、バーターにしても気配りが要るあたり運用には難が多い。ポンコツAIと呼ばれる所以である。ソロで戦うと敵の攻撃がプレイヤーばかりに飛んで来て流石に難度が高く、割り切って無視というのも少々厳しい。
- 操作キャラを切り替えなくてもリングコマンドで特技やアイテムを使わせることは可能。ただし回復役まで手動で操作しているとプレイヤーが忙しくてアクションに集中し難いバランスにはなっている。ポンコツ呼ばわりされるAIだが行動を「援護優先」「援護のみ」で割と的確に『ヒールライト』は使ってくれるため、戦略にもよるが回復役は任せられなくはない。
ドロップアイテムについて
宝箱システム及びルーレットシステムは廃止され、各モンスター毎にドロップ判定される形式となった。このため原作のようにモンスターを倒す順番を気にする必要は無く、一度の戦闘で複数アイテムが手に入ることも起きるようになった。
まとめ:バトルシステムのパワーアップ
旧作では理不尽とも言える敵の必中特技、あるいは全体必中が排除され、プレイヤーの腕次第で全て打開可能となり、アクションゲーム面としてのゲーム性が非常に大きく向上した。
一方でリングコマンドの特技や必殺技はじめ、全体必中攻撃はほぼ無くなり効果範囲を持つ形でアクションゲーム寄りに形を変えた。一方で魔法カウンター・必殺技カウンターの廃止に伴い、アクション以外の有効な戦術となる魔法、あるいは切り札的な運用が可能な必殺技として活かせる形になった。
そして計算式およびパラメータの見直し、育成要素の大幅強化も加わり、様々な戦略や戦術を練ることで、アクションが苦手でも、育成をそんなに頑張らなくても、楽しんでクリアできるバランスに調整された。ボイス実装やリファインされたビジュアルも大きい。
なお、全体必中・カウンター廃止の影響もあり雑魚戦は総じて低難易度化した。一方で青ゲージ技の攻略など特殊な局面が絡むことが多く、総合的には殆どが強化されたと言えるボス戦はストーリー攻略の重要性が大幅に増した。ボス自体や技のグラフィック強化も影響はしているだろうが、ボスバトルにさらに感情移入しやすくもなった。
理不尽攻撃で簡単に全滅する当時のゲームの独特な味わいは無くなってしまったが、非常にバランス良く改良されパワーアップした賞賛に値するリメイク版バトルシステムと言えるだろう。
ただまぁ何よりパワーアップしているのはリースとアンジェラのビジュアルという気がしなくもない。
育成システムの変更
クラスチェンジと育成ポイント振り分けを含めたシステムも抜本的な改訂がなされた。「聖剣伝説3」が永きにわたり人気を博す要因であろうクラスチェンジシステムだが、リメイクでは各クラスの持つテイストや志向性を保ちつつ、よりスタイルを洗練させた形で発展させた。具体的には「アビリティシステム新設」と「新たな育成ポイントシステム」になる。
この他、クラス4の増設とその追加ストーリーに付随する周回要素にも新要素は含まれるが、この項目ではクラス4の特性と周回に絡むの要素も触れる。
レベルと経験値のバランスの調整
「積極的に経験値を稼ぐプレイをしなくても順当にストーリーを進行させるだけで風のマナストーン到達時にLv18、神獣に挑む(≒???の種が入手できるようになる)辺りでLv38に到達する」ようになっている。
- 周回ではレベルの持ち越しやリンクアビリティ『マナの愛(パーティ全員経験値+300%)』の存在により、風のマナストーン段階でもLv38に到達しやすくなった。加えてクラスチェンジアイテムも周回で持ち込み可能であるため、ツェンカー戦からクラス3で臨むことができる。
育成ポイントシステム
レベルアップ毎に育成ポイントを獲得、そのポイントを「力・守・知性・精神・運」の5つのカテゴリにプレイヤー自身が任意に割り振ることで、ステータスアップやアビリティ、特技を習得する。他のゲームで「スキルポイントシステム」と呼ばれるタイプものとなった。
- レベル毎に獲得するポイントは固定されている。Lv20までは1ポイントずつだが、その後徐々に増してLv96からは10ポイントずつとなる。Lv99時点で累計315ポイントに到達し、「力・守・知性・精神・運」の各カテゴリに振り分ける育成ポイントは最大63ポイントであるため、ぴったり全てのスキル(アビリティ・ステータスアップ・リングコマンドの特技)を習得できる。
クラスチェンジと育成ポイント・習得スキルについて
育成ポイントを振り分けることでアビリティ・ステータスアップ・リングコマンドの特技などのスキルを習得できる。力・守・知性・精神・運いずれもスキル習得タイミングは
- クラス1なら「2」「4」「6」の2ポイント刻み
- クラス2なら「9」「12」「15」の3ポイント刻み
- クラス3なら「21」「27」「33」の6ポイント刻み
- クラス4なら「43」「53」「63」の10ポイント刻み
という配分になっている。レベルが上昇すればレベルアップ時に獲得する育成ポイントは増えるが、高いクラスのスキル習得コストは相応に重い。
クラス2にチェンジできるLv18だと育成ポイントは累計18になる。当然この時点でクラス1のスキルはコンプリート出来ず(30ポイント必要)、クラス2で開放されたスキルで欲しいものがあれば1つでも最低9ポイント必要とし、もし15ポイントのスキルが欲しいならクラス1でのプレイ中含め他のカテゴリは当面捨てるしかない。クラス3にチェンジできるLv38では47ポイントだが、上記ポイントコストとクラス3到達時に6スロットに増えるアビリティ欄と育成画面に並ぶ多彩なアビリティ一覧を目にしてしまうと、絶妙に悩ましい数字になっている。
ただ、ある意味ではこの育成のややこしさが本リメイクの戦略性を大きく向上させ、アクション一辺倒でなくRPG的あるいはSLG的側面も強化されたと言え、作品の魅力を高めた要素とも言える。
一方、本リメイクは比較的容易にレベルを上げられる。レベルを上げて育成ポイントを貯めれば目に見えて戦略の幅が広がり、レベルアップのテンポも悪くない。育成の楽しみにも貢献しているシステム設計となっている。
育成ポイントのリセット機能
バイゼルのブラックマーケットに「振ったポイントをルクを支払ってリセットできる(怪しい)占い師」が追加された。育成ポイントリセットの施設だが、1ポイントにつき150ルクと初周にはやや高額。だがサボテン君探しで半額になる他、周回で資金もアイテムも持ち越せるため、進捗すれば振り直しは気軽に行える。
クラスチェンジの変更点
クラス1-3のクラスと分岐、習得するリングコマンドの特技、必殺技(の名称と基本的なエフェクト)には変更はない。各クラスの志向性やイメージも原作のものが尊重されているが、育成ポイントシステムとアビリティが実装されたことにより、ゲーム性の向上と共にクラスの特性や持ち味は原作より明確なものとなった。同時にアビリティの存在とステータスの見直しでクラス毎(特にクラス3)の使い勝手に優劣を感じないように調整された。
- アクションに大幅な変更のあるリメイクだが、クラスチェンジによって変化するのは最大コンボ数だけである。移動速度・ジャンプ力・ローリング回避・リーチ・詠唱・アイテム待機・被弾時の仰け反りなど一切変化しない。また、どのクラスを選んでもコンボのモーションは同一。
- 『???の種』は神獣戦からドロップするモンスターが出るようになり、道中のダンジョンでも拾って入手可能となった。加えてクラスチェンジアイテムも『???の種』も周回持ち越し可能である。
- クラス2やリースのドラゴンマスターなど、旧作でドット絵のみではっきりしなかったクラスの公式ビジュアルが設定された。周回で衣装のコレクションも出来る。これらのビジュアルだけでもこのリメイクは傑作である。
- エンディング後の追加エピソード内に限定されるが、光ルートと闇ルートに各1種ずつ「クラス4」が新設された。
- 『女神の天秤』というアイテムを使用することで初期クラスにリセットが可能となった。エンディング後を加えて1周回6個までで、それなりに数はある。周回持ち越しも可能なのである程度は量産もできる。
クラス1
- コンボは三連まで。
- SPゲージは200%(2ゲージ)。クラス1必殺技は1ゲージ消費。
- 育成ポイントは「2」「4」「6」の2ポイント刻みにスキル獲得、カテゴリ5枠で15スキル、最大30ポイントまで利用可能。
- アビリティ枠は2枠。
クラス2
- Lv18以上で各地のマナストーンもしくはマナの聖域の女神像でチェンジ可能となる。最速でローラントの風のマナストーン(ツェンカー戦前)でクラスチェンジ可能。一方で強くてニューゲームでもクラスはリセットされるため、例え周回でLv99だろうと風のマナストーンまではクラス1である。
- この段階で光クラスか闇クラスを選択する。
- コンボは四連まで。光クラスでも闇クラスでもモーションは同一。
- SPゲージは300%(3ゲージ)。クラス1必殺技とクラス2必殺技の2種を任意に使い分けできる。クラス2必殺技は2ゲージ消費、光クラスと闇クラスで違った技を習得。
- 育成ポイントは新たに「9」「12」「15」の3ポイント刻みのスキルテーブルが解放され、当然ながら光クラスと闇クラスでアビリティなどの内容は異なる。クラス1のものも含めカテゴリ5枠で合計30スキル、最大75ポイントまで利用可能。
- アビリティ枠は4枠に増える。
- この他に「専用アビリティ」という、枠を消費せず常設のアビリティを獲得する。こちらも当然ながら光クラスと闇クラスで異なるアビリティを習得。
クラス3
- Lv38以上かつ必要なクラスチェンジアイテムを消費することで、各地のマナストーンもしくはマナの聖域の女神像でチェンジ可能となる。クラスチェンジアイテムは『???の種』から植木鉢にて入手する点は原作と一緒。ただし『???の種』のストーリー中の入手可能時期が早くなり、神獣戦でチェンジ可能となった。周回でクラスチェンジアイテムを持ち越せばローラントの風のマナストーンでクラスチェンジ可能。
- 光クラスは光光クラスもしくは光闇クラスに、闇クラスは闇光クラスか闇闇クラスを選択する。
- コンボは五連まで。どのクラスでもキャラ毎にモーションは同一。
- SPゲージは400%(4ゲージ)。クラス1必殺技、クラス2必殺技に加えクラス3必殺技を習得し、任意に使い分け可能。クラス3必殺技は3ゲージ消費、各クラスで違った技を習得。
- 育成ポイントは新たに「21」「27」「33」の6ポイント刻みのスキルテーブルが解放され、各クラスを特徴付けるアビリティが並ぶ。クラス1からの累積で合計45スキル、最大165ポイントまで利用可能。
- アビリティ枠は6枠に増える。6枠もあると習得コストの重いアビリティにどこまで手を伸ばすか、かなり悩ましい状況となる。
- 「専用アビリティ」はクラス2のものを引き続き常設されつつ、新たなものを習得しこちらも常時効果を発揮する。
クラス4
- レベルに関係なくクラス3にチェンジ済で、追加エピソードの各キャラの試練(クラス4の試練、オーブの試練)をクリアして得られるオーブを持った状態で、マナの聖域の女神像にてチェンジ可能となる。オーブは消費されず、クラスリセットしても何回もクラス4にはなれる。一方でオーブの周回持ち越しはできないため、クラス4は実質的にはアニス戦とブラックラビ戦に活躍が限定される(幸いどちらも再戦可能でタイムアタック要素もあるが)。例外としては、運用は限定的だが強力なクラス4でのリンクアビリティの周回持ち越しになるか。
- 光光クラスと光闇クラスは光クラス4に、闇光クラスと闇闇クラスは闇クラス4となり、むしろ分岐は収束される形となる。そして選ばなかったクラス3のアビリティや特技を習得したりはしない(デュランのデュエリスト→クラス4のルートで、ソードマスターの全体セイバーなどをクラス4で改めて習得するようにはならない)。ただしステータス数値はどちらを経由してもクラス4になると同一になる。
- コンボは五連までで変化なし。
- SPゲージは400%(4ゲージ)で変化なし。一方でクラス4必殺技は習得し、一度に4ゲージ消費。
- 育成ポイントは新たに「43」「53」「63」の10ポイント刻みの、かなりコストの重いスキルテーブルが解放される。クラス1からの累積で合計60スキル、最大315ポイントまで利用可能。なお、このクラスでは新しいリングコマンドの特技は一切習得しない。また「63ポイント」で習得するのは全てステータスアップ(力+10など)のみで、クラス4の新アビリティは最大でも10種のみである。
- アビリティ枠は8枠に増える。この頃には各勢力の幹部やクラス4の試練で獲得する強力なリンクアビリティも充実してくるため、アビリティの吟味が悩ましく(しかしそれが楽しく)なってくるだろう。
- 「専用アビリティ」はクラス2、クラス3のものに加えクラス4でも改めて習得する。
リメイク版クラスチェンジまとめ
クラス3の選択が重要
- クラス3を活用できる時期が大幅に増した。クラス4の試練のボスは必然的にクラス3以下で挑まざるを得ない上にデュラン・アンジェラ・ケヴィンに至ってはタイマンなので、クラス3の選択・育成は極めて重要である。
- 上記の仕様からクラス4の性能はクラス3からかなり影響されるため、その点でもクラス3の選択は重要。
- アビリティ欄はリンクアビリティもあるのでどのクラスもそれなりのカスタマイズできる。逆に習得した通常アビリティの活躍の無い場合もあり得る。一方でリングコマンドの特技はアビリティ欄を圧迫しないが入れ替えも出来ないため、良くも悪くも旧作のクラス2-3のテイストは変わらない。しかしこれもクラス3までであり、リングコマンドを習得しないクラス4は経由したクラス3の持ち味を損なわないが、ちょっと影が薄くもある。
アビリティについて
上記の通り、育成ポイントシステム改定と併せてアビリティシステムが新設され、アビリティを付け替えることで様々な戦略を練ることが可能となった。クラス毎にアビリティスロットが増えていくことも上記の通り。
内容としては「攻撃力の向上」「ダメージのカット」「特定条件でのHPやMP、SPの回復」「バフ・デバフの強化・延長」「クリティカルの強化」など多彩。
- コンボや移動速度、リーチやジャンプ力などアクションに直接影響を与えるものは一切無い。詠唱時間短縮もない。
- FFのアビリティと異なり、アビリティ自体の効果の他にステータスへの影響は無い。
- ボス特効や雑魚敵特効などはあるが、聖剣伝説2のような種族特効のアビリティも無い。そもそも本作は種族特効自体が設定されていない。
- 『弱点特効』など属性効果を強化するアビリティはあるが、攻撃に属性を付与するアビリティは無い。属性のある被ダメージを減らすアビリティはある。
通常アビリティ
習得した本人だけが使用できる、アビリティ枠で付け外しが可能なアビリティ。他キャラに渡せないあたり個性や性能を反映したものが多い。
専用アビリティ
クラスチェンジで自動的にセットされ、常時発動、アビリティ枠を使用しないが外すこともできない。ただしメリットのトレードオフになるようなデメリットはほぼ皆無、極めて強力と言えるものもある。クラスのイメージが反映され、クラスチェンジするほど数が増していくことになる。
キャラが習得するリンクアビリティ
習得すると他キャラにも装備ができるアビリティ。当然だが同時に複数のキャラが装備はできない。
周回持ち越しは可能だが、挙動は特殊である。持ち越しの条件は「習得したキャラが次周に起用されない」ことであり、起用されるとそのキャラが再びリンクアビリティを習得するまでお預けである。このため、例えばシャルロット光クラス4の『奇跡Ⅱ』は、次周でシャルロットを起用すると終盤まで使用できなくなる。
ちなみにドラゴンマスターの『スペルレジスト(詠唱中の被弾時に90%の確率で仰け反らず、詠唱中断されない)』の様にアンジェラ向きなものや、ニンジャマスターの『弱点特効Ⅱ』などアンジェラやセイバー魔法で殴る役割のキャラ向きなものなど、制作側が意図したかは不明だが「仲間に渡す前提らしきアビリティ」もなくは無い。
ストーリー中で獲得するリンクアビリティ
街中などでNPCに話しかけたり、イベントの特典などで得られるアビリティ。一度入手すると周回でずっと引き継げる。一部に特定のキャラが主人公でないと得られないアビリティもあり、三大敵勢力の幹部から得るものなどもある兼ね合いで少なくとも3周回しないとコンプリートはできない。
ちなみに敵幹部やクリア後追加エピソードで入手するアビリティはチート級の性能を持つものが多いが、それらのリンクアビリティは難易度:ノーフューチャーでは使用できなくなる。
ニキータの『ドロップアップⅡ』のように効果がストレートに名前に反映されているアビリティもあるが、『矜持』『イグニッション』『闇の力』など、字面だけでは効果がわからないものが多い。ポエムか。
この影響なのか不明だが、「力・守・知性・精神・運」のカテゴリと効果がいまいち不一致なものも散見される。
アビリティの五つのカテゴリについて概説すると
力のアビリティ
イメージ通り、何らかの条件での攻撃力を強化のアビリティが殆ど。一部には魔法・特技の威力が向上するもの、物理も魔法もダメージが強化されるものもある。その他には『ハードアタック』『ハードマジック』など、敵の足止めに力を発揮するものも。
本作はどちらかと言うと火力を強化した方が攻略しやすいため、優先的に振り分けるプレイヤーは多いだろう。
アンジェラのサラマンダーの魔法もこちらのカテゴリで習得する。本作は火属性弱点の敵が少なめで活躍の場が限られるが、アンジェラの「力のアビリティ」は意外にも優秀で育成ポイントを振り分けたくもあり、悩ましいところ。
守のアビリティ
こちらもイメージ通り何らかの形でダメージを軽減してくれるアビリティが殆ど。『撃破ヒール』系などHP回復アビリティも含まれる。ごく少数ながら『チャージレジスト』『スペルレジスト』といった被弾時の仰け反りを耐えるアビリティもある。
組み合わせ次第では条件付きの0ダメージに近づける方法もあるが、ほぼクラス4限定ということは難点。
特技なら光ケヴィンの『秘孔』が含まれるが、他カテゴリのアビリティとの併用にシナジーがありポイント振り分けが悩ましい。アンジェラはノームの魔法がこのカテゴリだが、『ダイヤミサイル』はクラス1から習得可能で息が長いものの他の守のアビリティに魅力的とは言いにくいことは難点。ポイントを振らずに『ホーリーボール』で粘る選択肢もなくはない。
知性のアビリティ
基本的には魔法攻撃力の強化、MP節約、多くのキャラでの魔法習得がこのカテゴリだが、力や守と比べて多彩なアビリティが並ぶ。具体的には状態異常の付与・強化や状態異常からの回復を早めるアビリティ、バフの強化や延長、回復魔法の強化、弱点特効なども含まれる。
キャラ・クラスによって特徴が出るカテゴリで、アンジェラなら魔法強化、光デュランやシャルロットなら回復強化、闇リースならデバフ強化などと方向性がわかりやすい。
アンジェラはウンディーネとシェイドの魔法を習得するほか、全てのクラスでの最強魔法も知性のアビリティ内に含まれる。メイガスなら早々に『エインシャント』を習得した方が良いだろう。この他にリースの召喚、レンジャーとワンダラーの状態異常魔法もこちらに含まれる。
精神のアビリティ
SPゲージの増加、もしくはMP回復・節約、魔法ダメージ軽減のアビリティと『ヒールライト』やセイバー魔法など数々の補助魔法が殆どこのカテゴリ。
数多くのクラスの特技がこのカテゴリであるだけでなく、必殺技の使い勝手の良さからSP増加系含めて優先的に振り分けたいカテゴリである。
全員の『ヒールライト』が精神のアビリティであることはじめ、シャルロットは召喚含めた全ての魔法をこちらで習得。この他にケヴィンの魔法、ホークアイのワンダラーの補助魔法、リースのバフ・デバフ、デュランのセイバー魔法も精神のカテゴリになる。アンジェラはウィルオウィスプの魔法を習得するが、光アンジェラの『セイントビーム+』は連発が可能で極めて強力であり、MPを補うアビリティと併せて習得を狙いたい。
運のアビリティ
クリティカル関連、アイテム関連、確率依存で効果が出るアビリティが並び、正しく「運」と言えなくも無い。『挑発』『隠密』『不意打ち』など、敵の「向き」に影響するアビリティもこちらに含まれる。
期待値を計算すると他のアビリティにそうそう劣る訳ではないが、どう活用するか悩ましいアビリティが多いのも確か。
ちなみにホークアイのトラップ、改造武器、忍術、反則技は全てこちらで習得する。アンジェラはジンの魔法を習得、エアブラストはクラス1から使用可能で、他の魔法と異なり直線上の攻撃範囲を有するあたり、『隠密』と抱き合わせで習得か。
追加エピソードとクラス4
ラスボスを倒しエンディングを迎えたセーブデータには星のマークが表示され、「第7章」という隠しエピソードがプレイ可能となる。ストーリーとしては「ラスボス打倒前に時が戻った」という体でマナの聖域の入り口の女神像からリスタート。
古の大魔導士グラン・クロワの魂(残留思念?)に導かれ、大魔女アニスの世界崩壊の野望を食い止めるべく、聖剣の勇者達は封印されし「クラス4」の鍵となる「オーブ」を探すことになる。
パーティ全員分のオーブを入手すると隠しダンジョン「アニスの禁域」が現れ、待ち構える大魔女アニスとの決戦に向かう。
大魔女アニスに勝利すると、当該セーブデータに二つ目の星が記され「強くてニューゲーム」が可能となる。同時に「アニスミッション」というボーナスイベントが追加され、特定の難易度以上で制限時間内にアニス戦に勝利すると極めて有用な(チート級)リンクアビリティが入手できる。
- 各パーティキャラ毎にオーブを獲得するための試練がある。試練自体はほぼボス戦のみで、この段階での追加ダンジョンやお使いイベントは無い。
- デュラン、アンジェラ、ケヴィンはそのボスがよりによってタイマンである。ラスボスどころか下手しなくてもアニスやブラックラビより手強い。
- キャラ毎のオーブを巡るエピソードで物語のバックグラウンドの掘り下げが為されている。
- オーブを持ってマナの聖域の女神像に行けば、クラス3のキャラならクラス4へとチェンジできる。クラス3のクラスチェンジアイテムと異なりオーブは消費せず、クラスリセットしても何回もクラス4にはなれる。
- 一方でイベントアイテムであるオーブの周回持ち越しはできないため、クラス4が活かされるのはアニス戦とブラックラビ戦(と、ラスボスとの再戦)にほぼ限定される。いずれのバトルも何度でも再戦可能で、タイムアタック要素もあるが。
- オーブさえ入手すればアニスの禁域は出現するため、実はクラス4へのチェンジは必須ではない。クラス1縛りプレイは隠しボスまで可能である。
- 「アニスの禁域」は作中最大の長大なダンジョンではあるが、隠しダンジョン限定の雑魚敵は存在せず、アニス以外のボスも居ない。クラス4に至ったパーティなら、その頃には潤沢になる回復アイテムと様々なリンクアビリティでMPが枯渇することもまず無く、道中ではクラス4の真価を発揮するまでも無いと考えられる。
- 追加エピソードを経由しても、ラスボス再撃破後のエンディングは変わらない。グッとくる追加エピソードなだけに少々勿体ないところである。
グラン・クロワ
あまりにも強力なクラス4を、秘密のアイテムなしではクラスチェンジできないよう封印したとされる古の大魔導士。原作SFC版にも名前だけは登場している。
本人は既にこの世を去っているが、全ての知識を一冊の本に閉じ込めてフォルセナの図書館で眠りについていた。
大魔女アニスの目覚めに応じて覚醒。偶然自らを手に取った主人公たちにアニス打倒を依頼する。
大魔女アニス
マナの女神ある所に遍在するという大魔女。
マナの女神の危機に際して復活し、女神の作りし世界を滅ぼそうとする。
周回要素の新設
上記の通り、アニスに一度勝利したセーブデータから「強くてニューゲーム」による周回が可能となった。実際にはアニスミッションとブラックラビ撃退で得られる超強力なリンクアビリティを入手してから周回するプレイヤーが多いと考えられる。
2周目からは難易度「ベリーハード」「ノーフューチャー」を選択可能となる。
周回に引き継がれる内容は主に資金・装備品・イベントアイテム以外の全てのアイテム・イベントで入手したリンクアビリティ、植木鉢のレベル、サボテン君探しの進捗となっている。クラスは必ず1に戻される。また難易度ノーフューチャーではイベントのリンクアビリティの引き継ぎ自体は全て可能だが、ストーリー終盤〜追加エピソードで入手する強力なリンクアビリティは使用できなくなる。
前回までに使用していたキャラをパーティに起用する場合、レベルと経験値を周回開始時に持ち越すかリセットするか選ぶことができる(ただしノーフューチャーは必ずLv1に戻される)。リセットすると育成ポイントも0になる。持ち越した場合には育成ポイントも持ち越すが、振り分けはリセットされるため最初から振り直しができる。クラスチェンジで前周回と別ルートを選びたいケースが多いと考えられ、ありがたい仕様である。また、育成ポイントリセットの関係で起用されたパーティメンバーのアビリティは一旦全て消滅する。
なお、前周回までに育成ポイント振り分けでキャラクターが習得したリンクアビリティも持ち越しは可能だが、挙動は特殊である。持ち越しの条件は「習得したキャラが次周に起用されない」ことであり、起用されると当該リンクアビリティは消滅し、そのキャラが再びリンクアビリティを習得するまでお預けである。このため、例えばシャルロット光クラス4の重要なリンクアビリティ『奇跡II』は、次周でシャルロットを起用すると終盤まで使用できなくなり、闇クラスを選択したらクラスリセットしない限り習得は不可能となる。一方でどんなに強力なアビリティでも、イベントのアビリティと違って難易度ノーフューチャーで使用が可能という強みはある。
ちなみに経由したクラスのコスチュームは2周目以降全てコレクションされ、メニュー画面内で3Dの立ち絵でコスを見比べることも可能。ただしコス変更はクラス2以降限定である点は注意。
以上より「強くてニューゲーム」の実装で、様々なキャラでストーリーを楽しみやすくなった。クラスリセットも出来て『女神の天秤』も持ち越しできるため、様々なクラスを運用することができる。
難易度について
ベリーイージーからハードまでの4種が実装。難易度によって敵の各種攻撃力と防御力に補正がかかり、敵の攻撃の激しさ、敵の攻撃予定範囲の赤表示から攻撃発動までの猶予時間が変化する。メニューの設定画面からいつでも変更可能。
そして2020年10月4日のアップデートで2周目(強くてニューゲーム時のみ)以降から選択可能な周回限定の難易度としてベリーハードとノーフューチャーが追加実装された。
ベリーイージー
ノーマルと比べ受けるダメージは0.5倍(敵攻撃力が1/2であり、リメイク版のダメージ換算式では結果的にこうなる)、一方で与えるダメージは1.11倍(敵の防御/魔法防御力が0.9倍)であり、敵耐久力はあまり変わらない。敵からの攻撃頻度も目に見えて下がり、赤範囲表示から攻撃までも時間もゆっくり。加えて全滅してもその場でコンティニューできる。
ドロップアイテムや経験値は何も変わらないため、周回に持ち込みたいアイテムを稼いだりするのに効率が良い。ちなみに『種』も周回前と後で多少挙動というか出るアイテムが異なるものの、クラスチェンジアイテムや貴重な武器防具の産生は可能なので、量産しても良い。ブラックラビも難易度に関わらず撃破特典を得られるため、こだわりなくさっさとリンクアビリティ『漆黒の力』が欲しいなら、ベリーイージーで挑んでしまって良い。
イージー
受けるダメージ0.7倍、与えるダメージ1.11倍と、ベリーイージーより敵からのダメージだけが増している。
ノーマル
基準となる難易度なので、当然だが与ダメージも受ダメージも等倍。回避がポンコツなAIに任せると大体アンジェラは倒れてるくらいの難易度。
アニスミッション1「6分以内撃破」にて特典リンクアビリティ『混沌の加護』が得られる。
ハード
受けるダメージは1.3倍、与えるダメージは0.91倍(防御/魔法防御力いずれも1.1倍)である。敵の攻撃力に比べ、硬さはベリーイージーと比べても1.2倍程度でしかない変わらないことがわかる。
敵の攻撃頻度も若干激しくなる関係で、AIに任せるとアンジェラじゃなくても結構転がってる難易度。デュランやリースはある程度耐えられるあたりに性能の差が見えてくる。
アニスミッション2「4分以内撃破」で『闇の力』、ミッション3「2分以内撃破」で弩チート級リンクアビリティ『マナの奇跡』を特典として得られる。ただし「アニス戦だけハード」であれば良いため、ベリーイージーでレベルを上げるなどの準備をしてからハードに切り替えて挑んでも問題ない。
ベリーハード
周回限定の難易度。
敵の攻撃力6倍、魔法攻撃力は敵毎に変動あるものの大体6倍、守備力3倍、魔法防御は6倍となっている。敵火力はともかく打たれ強さはノーフューチャーすら超えており、文字通り「Very Hard」である。
周回で持ち込む装備やアイテム、チート級のリンクアビリティを駆使することを想定された難易度と思われる。しかし6倍の火力に攻撃頻度の激しさ、AIのポンコツさも加わって、周回要素で準備したつもりでもAIキャラがすぐ倒される。ノーフューチャーと異なりAIが不死身にもならないため、レベルをリセットして臨むと「介護プレイ」という状況に陥りがち。
魔法が殆どダメージリソースにならないため、アンジェラの活躍は難しい。強いて言えば状態異常に特化したルーンマスターに活路があるか。
難易度としてはハードより跳ね上がっているが特典は何も無い。
ノーフューチャー
周回限定で特殊な仕様の難易度。最難であることは確か。特殊ルールが存在し、その内容と特典は
- レベルは引き継げず全員1にリセット。装備や消費アイテム(クラスチェンジアイテム含め)・ルクは持ち込める。
- 一部の強力な(チート級)アビリティは使用できない。
- 一度の戦闘で使えるアイテムが各種3個に減る。蘇生は『天使の聖杯』しかほぼ手段がないため、戦闘不能からの復活は3回まで。
- ボス戦には時間制限が設けられる。序盤は10分で神獣戦から15分が多く、ブラックラビだと20分。クラス4のオーブの試練はタイマンキャラでも10分と厳しい縛り。
- 他の難易度からノーフューチャーには設定できない。このため一度でもノーフューチャーから難易度を下げるとノーフューチャーには戻せなくなる。
- リンクアビリティ『聖剣の導き』を獲得。AIキャラがダメージを受けてもHP1のまま耐える。実質不死身。
- リンクアビリティ『聖剣の導きⅡ』を獲得。バトル勝利時にHP全回復する。
- アニス撃破特典でイベント戦闘以外のエンカウントを全て無しにできる「ラビのスリッパ」を入手。商品化できる程度に可愛い。
- 入手した虹色アイテムの種から「赤装備」と呼ばれる文字が赤色の最強装備を入手可能。クラス4の最強装備の同名の上位互換で、武器は1.5倍、防具は2倍の性能となる。
となっている。ベリーハードとはAIが死なない点が異なり、戦術に大きく影響する。
そして攻撃倍率は8倍で魔法攻撃力も概ね同率、防御と魔法防御は2倍だが、ボスに限っては攻撃力30倍となっている。このためボス戦は「一撃貰ったらほぼ即死」であり、ほぼ唯一の戦闘不能回復手段である『天使の聖杯』も3個しか使えないことから、6発で全滅となる。この上攻撃頻度が増しており、赤範囲が示されてからでは回避不可能な攻撃まで存在する。
以上のような仕様から回復や防御系アビリティは焼石に水で、その殆どが役に立たない。全弾回避を前提にした立ち回りとプレイヤーのスキルが非常に重要。
戦術面では操作キャラの火力強化や不死身AIの活用が焦点となる。
育成では「クラスチェンジアイテムを持ち越せる点からその気になれば風のマナストーンでクラス3になれること」「神獣戦以降の強力なボスからオーブの試練も通常クラス3で挑むこと」「クラス4は実質アニスとブラックラビくらいしか出番が無いこと」「周回にて資金は潤沢でクラスリセットアイテム『女神の天秤』もストックして持ち込み可能なこと」から、各クラス3の性能を熟考し、場合によってはスキルポイントの振り直しやクラスリセットで上手く使いこなすことは、本リメイク版のシステム的に有効な戦略となる。
そんな中で幾つか代表的な戦略・戦術を挙げると
ボスの攻撃パターンや攻撃の予兆を覚えこむ。
ノーミスクリアが目標に近いため、恐らくこれが本来の正攻法。攻撃パターンがある程度決まっているボスは多く、よく見ると赤範囲より早く攻撃の予兆が見えるケースもある。一種の死にゲースタイルだが、YouTubeのプレイ動画あたりを参考にして予習してみるのもアリだろう。
シャルロット光クラス4ハイプリーステスのリンクアビリティ『奇跡Ⅱ』を周回で引き継ぐ。
HP30%以上あればHP1を残して即死は免れるというリンクアビリティ。多段Hitする攻撃はどのみち耐えられないが、一撃では沈まなくなるため難易度は格段に下がる。とりあえずHP30%分だけ回復すれば再び効果も得られ、バフやセイバーも維持できる。プレイヤーの腕次第でもあるが、普通に攻略するなら必須に近い。
問題点としてパーティにシャルロットを入れると『奇跡Ⅱ』は引き継げずクラス4までお預けになってしまうこと。回復やってる場合でもない仕様の難易度でもあり、シャルロットは『奇跡Ⅱ』だけ提供してベンチ入りである。あんまりでち。
CS swap(必殺技リレー)の活用
操作キャラ変更を活用した戦法の一つで、プレイスキルの一種。通常打撃のコンボ発動中に必殺技を入力すると「必殺技の発動が予約」されるが、そのタイミングでキャラ操作を切り替えると、操作キャラが切り替わった上で先に操作していたAIキャラの必殺技が発動する。この必殺技が敵(特にボス)を拘束するタイプの技だと、必殺技で拘束された敵を殴り放題になる。必殺技終了間際にまた別キャラで拘束型必殺技を予約してリレーするとSPゲージが続く限りボスを殴り続けることが可能となる。相手に攻撃を許さず一方的に火力を発揮できる戦法で、他の難易度でも当然有効だが超火力のボスの身動きを止められる点でノーフューチャーでは特に有効。
難点としては多少なりとも訓練が必要なプレイスキルである点、パーティ3人に必殺技が最低一つずつ拘束型でないと繋がりにくい点、ボスが多数の部位も持っていたり取り巻きの雑魚敵が居ると邪魔されてしまう点、青ゲージ技のギミック破壊には向かない場合がある点、最難関であるオーブの試練のタイマンでは実行不可能な点などが挙げられ、コレがあれば全て上手く行くという訳ではない。しかし強力なSPゲージ回復手段があれば2連続程度のswapを刻み刻みに叩き込んでも充分有効打にはなる。ベリーハードの頑丈な敵で練習してみて良いだろう。
なお、ややチートじみたスキルということで技術はあっても使用を避けるプレイヤーは居る。YouTubeプレイ動画でボスのノーダメージ撃破では使っていない場合も多い(一方的過ぎて見応えが無くなるからだろう)。勿論だがCS swapを解説する動画もある。
小ネタ
- 主人公共通の台詞がキャラの性格を感じさせるものに直された。例えばSFC版での「でへへ…バレタか…」の台詞は、ToMリースだと「えへへ…バレちゃいましたか…」と発言する。
- リース編OP&追加エピソードに登場するアルマや黄金の騎士ロキが聖剣伝説HOM準拠の容姿になった。前者はSFC版より若く、後者はデュランと同じ髪の色に。
バグ
聖剣2のリメイク版は膨大なバグが存在したため評価を落とした。
この事を反省してか今作は(バグが有名なシリーズとしては)比較的少ない。ただしまったく無いわけではなく、一部進行不能に陥るものもある。
攻略を外部サイトなどに頼らない人であってもバグの確認はした方がいいだろう。
また、小まめなセーブとデータの分割保存を推奨する。
聖剣2リメイク版で多くのバグを出してしまった影響かは定かではないが、開発会社が変更されている。
その他
ニンテンドースイッチでは「聖剣伝説コレクション収録のオリジナル版」と「リメイクであるToM」の両方が現行のゲーム機で唯一プレイ可能。
関連イラスト
・デザインを担当したイラストレーターが投稿した設定画及びファンアート
関連タグ
個別
関連作品
「魔法都市ジオ」に3の主役6人の像が登場しており、TRIALS of MANAにはLOMが初登場のサボテン君も上記の通りやり込み要素として登場。
3の19年前を舞台にした外伝だが、矛盾点が多い。3を知らなくても楽しめるようになっている。また、リメイク版トロフィーの中に『HEROES of MANA』がある。
関連動画
『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』TGS2019トレーラー