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概要

GAT-X252 フォビドゥン及びその系列機のバックパック両側の特殊装甲として採用されている対ビーム防御技術。

ゲシュマイディッヒはドイツ語で「柔軟な(英語でいうところの"フレキシブル"にあたる言葉)」、パンツァーは「装甲」を意味する。

GAT-X207 ブリッツに採用されていたミラージュコロイドステルスを装甲へ定着させる磁場形成技術を応用されているが、根本的な部分としてはミラージュコロイドステルスよりもC.E.世界におけるビームサーベルの刀身形成技術の延長線上の技術とも言える。C.E.Iフィールドの様なものである。

機能

原理としては、投射されるビームに対してパンツァー側が発生させる電磁力の磁場によって歪曲させる。

ゲシュマイディッヒ・パンツァーを用いる際は周囲にミラージュコロイドの粒子も散布され、それを本体の信号によって制御する事で歪曲方向をある程度制御出来る。

ビーム兵器(理由は後述するが、厳密にはビーム砲撃)に対しては無敵の防御性能を持ち、対ビームシールドを貫通するランチャーストライカーの「320mm超高インパルス砲 アグニ」と同等以上の破壊力を持つフリーダムの「M100 バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲」はおろか、MS用としては最強のビーム兵器とされるミーティアの「120cm高エネルギー収束火線砲」まで防いでいる。

しかし、力場はビームしか歪曲出来ないため実弾は一切防ぐ事が出来ない。その為、偏向装甲にはトランスフェイズ装甲が施されている。

なお、フェイズシフト装甲とその系列の技術の共通点として「衝撃を無効化する事は出来ない」ので、フリーダムの「MMI-M15 クスィフィアス・レール砲」が直撃した際は機体バランスを崩して大きく仰け反っている。

また、密着した状態にて発振されたビームは曲げようが無い為、作中ではジャスティスの「RQM51 バッセル・ビームブーメラン」でダメージを受けるという、Iフィールドさながらの弱点も見せ、フリーダムにビームサーベルで斬りかかられた際も全力で回避している。

磁場の干渉が無い箇所は無防備に等しい為、フォビドゥンシリーズでは偏向装甲の付け根に駆動アームを設けてフレキシブルに稼動する様に成っている。

また、偏向磁場を発生させるにもエネルギーを消費する為バッテリー機である限り使用回数は有限で有る。使用回数を多く確保するためか、採用されたフォビドゥンと系列機は大容量のバッテリーが増設されているが、作中ではニュートロンジャマーキャンセラー搭載型核エンジンを持ちビーム兵器使用が無制限であるフリーダムやジャスティスにこの点を突かれ、偏向装甲を多用させられエネルギー切れに追い込まれている。この時、優位性に浮かれていたシャニは2機を小馬鹿にしていた事もあり、偏向装甲の使い過ぎでエネルギー切れを起こした際に「自分の方が馬鹿にされていた」と考えに至る。なお、初陣戦の頃は偏向装甲へのエネルギー供給に加えて、高出力のビーム砲「フレスベルグ」とその歪曲を行う磁場形成、サブウェポンのレールガン「エクツァーン」も考え無しに乱射したり、フリーダムのレールガンなどの実弾を防いだ際のTP装甲を何度も起動させてしまった事など、エネルギー切れを早めた影響は他にもある。

他の欠点として、前面に力場を展開している際は力場と偏向装甲が障害と成り自身も攻撃出来無く成るというのもある。

その為、連携時は専ら相手のビーム砲撃に対して前に出て僚機を庇うタンク役を担っていた。

応用

ゲシュマイディッヒ・リージョン

デストロイのプロトタイプであるブーストレイダーに採用されているエネルギー偏向機構。名称のリージョンはドイツ語で『領域』を意味する。ゲシュマイディッヒ・パンツァーの特性である「ビームを偏向する磁場を発生させる」部分だけ取り出したような装備であり、TP装甲が施された実体シールド部分が無くなっている。

ビーム歪曲技術として

軌道間全方位戦略砲『レクイエム』のシステムとして構成される中継用の廃棄コロニー群にも超巨大なゲシュマイディッヒ・パンツァーが搭載されている。月面の裏側にある地球連合軍・ダイダロス基地に設置された砲塔単体では射角が制限されているものの、廃棄コロニー群の偏向機構が砲撃の軌道を曲げるので射角の問題を解決している。

レクイエムを解析したレイ・ザ・バレルの発言によると、砲塔本体が何処に設置されようと偏向機構を搭載した廃棄コロニー(=屈曲点)の位置次第でプラントや地球など何処でも狙えてしまう非常に危険な兵器である事が語られている。

映画『FREEDOM』では、新たに建造された中継リングに搭載されている。発射直前にミラージュコロイドステルスを解除している事を踏まえると、磁場同士の干渉からかステルスを張ったまま偏向機構を使うことは出来ないようだ。

耐水圧技術として

発生させた力場によって周囲の水分子に干渉して水圧や抵抗を減免出来ることが判明したため、地球連合軍では以降フォビドゥンブルーを始めとしたフォビドゥンから派生した水陸両用MSが開発された。この用途の場合は「耐圧用装甲アレイ」とも呼ばれている。

しかし、フォビドゥンブルーは耐圧を偏向装甲に依存している為、バッテリーのエネルギーが尽きると水圧に耐えられずに圧壊してしまう危険性を抱えていた。

量産型のフォビドゥンヴォーテクスディープフォビドゥンは、コクピット周辺にチタン合金製の耐圧殻を採用する事によりゲシュマイディッヒパンツァーへの依存が抑えられている。

また、この仕様変更の影響で機体の傍に力場を形成出来る様に成った為か、フォビドゥンブルーがソードカラミティと交戦した際、その対艦刀が発生させるレーザーの刀身を至近距離にもかかわらず拡散させて攻撃を防いでいる。対艦刀が防げる事を踏まえると、ビームサーベルやビームブーメランにも対応可能となっている。