解説
2008年2月公開。
漫画『DEATH NOTE』を基にした実写映画『デスノート』『デスノート the Last name』のスピンオフで、探偵"L"が主人公。
キラ事件を解決するために自分の命を犠牲にした彼の、最後の23日間を描いたもの。
生物化学兵器を題材としており、実は映画第1作のとあるセリフで伏線が張られていたりする。
なお小説版も出ているが設定はかなり異なる。
映画公開を記念し『週刊少年ジャンプ』に原作最終回から3年後を描いた特別編『Cキラ編』が掲載された(映画とは全く関係ない)。同読切は現在『DEATH NOTE短編集』に収録済み。
あらすじ
キラ事件が終幕を迎えたその日、タイで一つの村が消滅した。その事件に巻き込まれ、ワイミーズハウス出身のエージェント「F」は、村を消滅させた攻撃ヘリにより帰らぬ人となった。しかし、Fは死に際に、ある一人の少年を逃がしていた。
ワタリが、そして夜神月が命を落とし、キラ事件は幕引きを迎える。しかしその為に、Lは残された寿命が23日まで減ってしまう。残された僅かな時間を、せめて世界をより良い方向に変えるべく使うL。その先に、キラとは違う「新世界」を目指す一団が現れる。
これは、人非ざる力で世界を変えようとした者たちの、最後の23日間の物語である。
登場キャラクター
メイン
- L / エル=ローライト(松山ケンイチ)
世界的探偵。
キラ事件を解決後、残された時間を他の未解決事件に充てていたが、同じ孤児院「ワイミーズハウス」出身の知り合いから贈り物が届いたことで、バイオテロを企てる組織「ブルーシップ」と対決することになる。
アジア感染症センター所長・二階堂公彦の一人娘。
ブルーシップに父親を殺された復讐に、ウイルスを彼らに感染させようと自らに注射するも発症せず、無症候性キャリアになった状態でLと出会う。
特異体質ではなく持病により発症が遅れただけだったため、終盤でついに陽性になってしまうが…。
- "BOY"(福田響志)
タイ奥地のとある村の最後の生き残り。ハウス出身のFに保護され、ワタリ経由でLの元に送られた。
子どもながら天才的な頭脳を有し、終盤でハウスに引き取られる際、Lに名前を付けてもらう。
ブルーシップ
- K / 久條希実子(工藤夕貴)(メイン画像右)
二階堂博士の助手。
ハウス出身でワタリからも認められていたが、裏ではブルーシップに加担しており、環境保護の観点から彼らに「人類削減計画」を提案した張本人。
- 的場大介(高嶋政伸)(メイン画像奥)
ブルーシップのメンバー。オッドアイ。
当人は思想のない拝金主義者で、それを危惧した加賀見を殺害、計画を主導するという、悪事が露見していれば真っ先にキラに殺されていたであろう悪党。
ノベライズ版ではデスノートの存在を知り、それも利用しようとした。
余談だが「死神」を売ろうと考えた奴は原作にも後に登場するが、そちらは的場のような利己的な極悪人ではなく、一応公共の福祉も考えていた真っ当な人物である。
- 加賀見シン(石橋蓮司)
ブルーシップのリーダー。
人類削減計画に日和った態度を取り、的場が理念など無視した俗物に過ぎないことから除籍を試みるも、行動に移す前に処刑される。
ブルーシップのメンバー。小西は機械の扱いに精通している眼鏡をかけた男性、吉沢は他のメンバーより先立って敵を牽制する役目を担う男性、三沢は普段は無口で大人しいが、メンバーの中でも特に残虐性や攻撃性が強い好戦的な性格をした女性。
環境保護のお題目を掲げてはいるが、結局のところ自分たちだけは生き残ろうと考えている選民主義者の集まりである。
その他
- F(波岡一喜)
ハウス出身の捜査官。タイで発生したパンデミックの調査中に、最後に生き残ったBOYを保護して抜け出すが、口封じのために村を焼き払った軍隊の攻撃を受けて抹殺される。
- 駿河秀明(南原清隆)
- 松戸浩一(平泉成)
ウイルスの研究者で、二階堂博士とは旧知の間柄。Lの非常識極まりない言動をボロクソに叱責した。
過去にワクチン投与の副反応で患者を死なせたショックで現役を引退していたが、Lからの依頼で抗ウイルス薬を開発する。
- 佐々木(田中要次)
夜神月とレイが出会ったバスジャック事件にてバスを運転していた男性で、本作ではタクシー運転手に転職している。
冒頭、ノートを焼却処分しようとするLに「使う気はないのか」と聞くが断られたため、どこかに飛び出っていった。
クレジットに名前はあるものの登場シーンが全てカットされており、その部分は公開記念特番やDVDの特典で見ることができる。
「死神」
本作のカギを握るウイルス兵器。
原型となったのはエボラウイルスだが、インフルエンザ並みの感染力を有し、仮に発症すれば全身から血を吹き出し悶え死ぬ。直接注射した二階堂所長は即座に感染し、陽性者の血が付いた的場はすぐにふき取ったにもかかわらず1分ほどで症状が出てしまった。
したがって兵器としては強力すぎてちょっとでも操作を誤れば散布した側もあっという間に全滅し、ワクチンすら作れない失敗作であるが、ある特性を有しているため、(抗原を弱毒化させたに過ぎないワクチンではなく)抗ウイルス薬のみが唯一の対抗手段となる。ゆえに本作は「死神」の争奪戦ではなく、抗ウイルス薬の争奪戦がカギとなっている。
余談
本作ではLが押収したデスノートを金属缶に入れて焼却しているシーンがあるが、完結編として後に公開された『デスノートLNW』では現物が残っている。理由は不明。(リュークが小細工してLに偽物を渡して本物のノートを盗み出していたのかもしれないが)
関連タグ
表記ゆれ
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