ヨル(チェンソーマン)
よる
「出てこいチェンソーマーン!!ぶっ殺してやる!!」
概要
『チェンソーマン』第二部(第98話)で登場した戦争の悪魔。正義の悪魔に殺された三鷹アサの前に突如現れ、強制的に契約を結ぶことでアサの身体を修復すると同時に融合した。
悪魔としての姿はヨタカのような姿をしており、目の焦点が合っていない。三鷹→ヨ(四)タカと何らかの連続性が感じられるモチーフとなっている。
人物像
態度は常に高圧的、且つ能力を含めて傍若無人な性質を持つ。一人称は「私」。
チェンソーマンを倒す事を目的としている。その為強力な武器を欲しており、常に人間を武器にする事を考えている。事あるごとにアサに話しかけ、人間を殺して武器にするよう説得し続ける。
一方で、アサの脅しの通じない難儀な性格やお人好しぶりに辟易する事が多い。
「戦争の悪魔」なだけあってバトルマニアな一面もあり、相手が人間なのか悪魔なのか問わず戦うのが大好き。流石に勝ち目がない相手の場合は撤退するが、基本的に戦うこと自体を渋ったことは一度もない。チェンソーマン教会に所属して広告塔として悪魔と戦っていた際も、「人間達の称賛を受けながら戦うのは悪くない」「チェンソーマンは今までこんなにいい思いをしていたのか」と満更でもない様子だった。
下記の理由により力が弱体化しているためか、精神的に脆く知能が低下している節がある。
チェンソーマンに助けられた事で枕を何度も殴って悔しがったり、「ヨルってちょっと馬鹿だよね、チェンソーマンがチェンソーマンって名乗るはずないじゃん」と(実は何も間違ってないのだが)正論を言われた際に「私はバカじゃない…!私はバカじゃない!」と全力で否定したり、デンジとの水族館デートの際に一方通行で何も面白くないトークをかまし続けるアサに「つまらない人間なんじゃないか…?」と図星をついたり、デンジがチェンソーの悪魔だということに気付かないまま彼を武器化しようと目論み彼を武器にしようとどや顔で「デンジ脊髄剣」と唱えるも効果が全然現れずデンジから「さよならに変わる良い挨拶」と返されてアサに赤っ恥をかかせるなど、意外と人間臭い部分もある。
チェンソーマンを激しく憎む反面、他の悪魔にはほぼ興味を示さない。
ある悪魔の妹らしいが、イカれた女と一蹴していたり「イカれたことを考えてるから絶対関わるな」とアサに忠告している辺り、彼女なりに姉を畏れている節がある。(ただ単純に仲が悪いのかも知れない)
また銃の悪魔と戦車の悪魔は戦争と言う過程から生まれた自身の子供のような存在。
それなりに大事にしているようだが時と場合によっては自分の道具として使う事も辞さない。
契約後
アサと契約を結んだ後も顔に傷があり瞳が同心円状のアサの姿の「脳が見ている幻」として彼女と生活を共にしている。アサの遺体に取り憑き自らの肉体とした、所謂「魔人」に近い存在。
だが、人間社会に潜伏するためにあえてアサの意識(曰く「脳の半分」)を残しており、アサの思考を読み取れる、アサの身体を奪える、いざとなればアサの人格を消し完全に身体を奪えるといった主導権を握りつつも普段はアサに行動を任せている。
ただ、本体であるアサが酷く動揺している時は肉体を奪えない。契約後は「アンタ」「オマエ」と呼び合っていたが、「ヨル」と呼ばせるようになる。また、チェンソーマンに勝てたら身体はアサに返すとのこと。(ただし、勝手に言っているだけで契約ではないので、ヨルからすると守る義理はない。無事にアサは生前の肉体に戻れるのだろうか?)
最初の頃こそ性格とアサの命を握ってるという脅迫から畏れられていたが、弱体化とはいえ色々と残念な部分が露わになってきたことで現在は立場が逆転してアサから某猫型ロボットの様に良いようにこき使われて若干舐められ気味。…アサもたいがい残念な美少女である事が判明しつつあるが。
アサと脳を共有している為、デンジの一件で恋というものを初めて知る。アサはややツンデレを拗らせているが、ヨルはデンジを落として武器にしようと企んでいる。
能力
自分のものだと認識した物体・生物を触れて名前を呼んで武器に変える能力。法的な所有権に関わらず、実効支配している物体ならば能力の対象となる。また、自分に好意を持つ人間も所有物と見做して武器に変えることができる。
本来個人が所有できないような高額なものであっても「金を払って買ったから自分のもの」と思い込むことができれば武器に変えられる。
この能力は契約者であるアサでも使用可能。
また、チェンソーマン教会の暗躍により自身の能力が進化。触れることなく名前を呼ぶだけで武器を生成できるようになった。
武器の強さは、戦争の悪魔やその契約者が対象に抱く罪悪感に比例する。戦争の悪魔は罪悪感など抱かないので実質的に契約者の精神次第である。
尚、デンジは武器人間だからなのか、デンジ自身がアサに恋心を抱いてなかったのか不明だが武器化が出来なかった(能力が発動する条件は、あくまでアサの認識の問題であるはずなのだが…?)。
支配の悪魔が人間を残機にするのであれば、戦争の悪魔は人間を武器庫としているといえる。
武器にするのは人間ではなく物や動物でも可能。(まだ動物を武器にした事例は無い。アサは猫を武器にするのは嫌がっている)
武器は壊れれば使い捨てであるため2度と同じものは使えない。命が使い捨てにされて、大切な人やモノが簡単に失われていくという戦争の性質を表していると言える。
悪魔はその名前が恐れられるほど強くなるという性質上、誰もが恐れる戦争は無敵の強さにも思える。
しかしチェンソーマンとの戦いで体を喰われたことで以降大きな戦争が起きなくなり、作中世界において核兵器、第二次世界大戦、ナチスといった、読者の我々が戦争を恐れる主な要素もチェンソーマンによって人々の認識から消え去ったことに加え、(作中世界では)悪魔の脅威の方がより身近なためか我々が思うほどの無敵さは失われ、魔人化?している点でも弱体化していると思われる。この世界においては悪魔と人類との果ての無い”戦い”が繰り広げられており、人間同士で争う”戦争”などやっている暇も余裕も無い状況なのだ。
- だが、落下の悪魔の登場により広範囲に重力異常をもたらされ各国が経済的被害を負い、人間同士の愚かな戦争が始まる可能性をヨルが示唆している。
そもそも地獄で死んだ悪魔が現世に転生するという性質上「地獄で死ぬ程度」の強さであると言える。
それ故、チェンソーマンに喰われた「"核兵器"という自身を補填する概念」を奪還しようと目論んでいる模様。
ヨルが生成した武器
(アサが生成した武器については三鷹アサの項目を参照)
- 「田中脊髄剣」
ボボボボボボボボボボボ
実は教え子のアサに良からぬ恋心を抱いていた田中先生の脊髄から作られた剣。後に制服強強剣よりも弱い剣だと言うことがわかった。
- 「鉛筆の槍!」
アサの友人ユウコ=正義の悪魔討伐の為にヨルが作った槍。他のアサが作った槍と比べると弱い。
- 「ユウコ足剣」
チェンソーマン(デンジ)を殺す為にユウコの足で即興で作った剣。
- 「デンジ脊髄剣」(不発)
デンジに好意を抱いたことから「デンジも自分が好きなのだろう」と早合点した際に作ろうとした剣。結果的に斬新で面白い挨拶が出来上がった。
不発に終わったのはデンジが武器人間だからなのか、それともアサの認識の問題だったのかは不明。
- 「定規剣」
鞄の中から出した定規で作った剣。
マンションの住民達が目の前で飛び降り自殺したことに警戒して作り出したが、「根源的恐怖の名を持つ悪魔」を前に力の差を理解し逃亡した。
- 「爪ナイフ」
アサの爪で作ったナイフ。
落下の悪魔の術中に嵌ってしまったアサからトラウマを一時的に忘れさせるために作り出した。当然、媒介となったアサはダメージを受ける。
- 「寿司剣」(仮称)
寿司で作った剣。
チェンソーの悪魔に斬りかかるも、簡単に防がれる。この時は口の悪魔がチェンソーの悪魔に喰われた影響で口がなくなり喋れなくなっていたため、正式名称は不明。
- 「石鹸剣」
アサの家の風呂にあった石鹸で作られた剣。
能力の進化を確かめるために実験的に作られた。
- 「銃右腕鎧(ガンライトガントレット)」
指鉄砲の構えを行うことで発砲でき、その威力はチェンソーの悪魔の腹をぶち抜くほど絶大。
- 「戦車左腕鎧(タンクレフトガントレット)」
眷属の一体である戦車の悪魔で作った左腕の義手。
銃の悪魔と同様我が子にも等しい悪魔を武器に変えた罪悪感により、絶大な威力を誇ると思われる。
余談
- 小ネタとしてヨタカ(戦争の悪魔)の背景の窓には他作品の身体を乗っ取る鳥の名前が書かれている。
- 一部ファンからの愛称は『センソーマン』『センソウーマン』など。言うまでもなく『チェンソーマン』のパロディである。第二部第105話ではユウコはアサを『チェンソーウーマン』の愛称で呼称している。