ゲンゴロウ
げんごろう
ゲンゴロウ上科に分類される甲虫の総称、もしくはその中の1種「ナミゲンゴロウ」の別名。
概要
水中に生息する流線形のどら焼きのような形状をした、肉食性の甲虫。
漢字で書くと「源五郎」で、この名詞自体は人名にも使われているが、この昆虫の正確な語源は不明。英語では「diving beetle」(潜水甲虫の意)と書く。
オール状の後足が特徴で、空を飛ぶこともできる。普段は前羽根の下に空気を蓄えており、アクアラングのように酸素を補給して泳ぎ回っている。貯蔵空気の酸素量が少なくなると、水中の酸素と貯蔵空気の二酸化炭素でガス交換をして凌ぎ、ふたたび水面に上がって羽根の下に空気を貯蔵する習性を持つ。
幼虫は甲虫の特性上成虫と全く似ておらず、生き物に噛み付いて毒液と消化液を同時に流し込んで殺害し溶けた肉を啜るという獰猛な性質を持つ。飼育下ではザリガニやネズミを群れで襲うなど食性は広い(参考)。
なお、甲虫なので蛹になるのだが、律儀に上陸して地中に潜る必要がある。
しかし、土が乾きすぎても潜らないし、湿りすぎていてもカビが生えて死んでしまう。このため、飼育下で成虫にするのは難しい。
かつては田んぼなどでよく見られたが、近年では水質汚染や護岸工事、外来種の侵略、食用昆虫としての乱獲などにより絶滅の危機に瀕している。