ウラガンキンとは「モンスターハンター」シリーズに登場するモンスターの一種である。
概要
初出は原種が『モンスターハンター3(トライ)』(MH3)、亜種が『モンスターハンターポータブル 3rd』(MHP3)。
原種には「爆鎚竜」、亜種には「鋼鎚竜」という別名がある。
全長20m、全高6.5mという、獣竜種の中でも大きな体格を持つ。
体には溶岩が固着しており、特徴である巨大で分厚い顎も溶岩の塊である。
見た目によらず比較的動きは軽快だが、特別早い方でもない。
生態
主に火山帯などに生息し、鈍い金色の強固な外殻を持つ。
その外殻は耐熱性に優れ、マグマの中でも平然と活動できる他、体をダンゴムシのように丸めて転がって移動したり攻撃したりする。
最大の武器はその異様なまでに発達した顎で、元々生まれながらに硬い顎に鉱物を塗り込みながら成長していき、成体ともなると強固な槌のような形になる。
この槌のようになった顎は主食である鉱物を食べる際に岩場にぶつけて砕く為に使われ、それ以外にも縄張り争いや外敵との戦いでにも使われる。
威嚇の手段として地面に打ち付けて轟音を立てる事があり、その音が響くことから「爆槌竜」という通り名で呼ばれることもある。
火山帯の液状油が滲み出ている場所を好み、この油によって体に火薬岩を付着させる。
この火薬岩は非常に剥がれ落ちやすい状態で外殻にくっつくため、ウラガンキンが体を揺することで飛ばしたりすることができる。外敵との戦いで使われる他、異性へのアピールで付けているという説や非常食であるという説などが存在する。
特に雄の個体は繁殖期になると雌に自らをアピールするため、美しい見た目の鉱石を体に付着させたがるため、貴重な鉱石がウラガンキンから採取出来る場合もある。
戦闘中に転倒したウラガンキンの背中や腹はピッケルで採掘ポイントのように採掘ができ、時として非常に希少な鉱石がウラガンキンから発見される事もある。
ハンターとの戦闘においては全身の肉質が異様に硬いのに加え、頭(顎)=弱点がお約束のはずのハンマーですら弾かれる程硬い顎を持つ難敵である。
初登場したMH3ではその顎の硬さで猛威を奮ったものの、後の作品では打撃属性でスタンが狙える上に弾かれ無効を持つ狩猟笛や砲撃によって肉質無視のダメージを非常に与えやすいガンランスが復活した事で、これらの武器では非常に与し易いモンスターとなった。
肉質は硬いものの、水と龍の属性が通り、毒や爆破も極端に有効。属性に特化すれば格段に楽になる。
また、MHP3以降では顎を攻撃し続ける事で破壊できるようになり、破壊後は弱点となる。
登場当初から遠距離攻撃手段が火薬岩飛ばししか無い事や、予備動作が大きく、攻撃自体も大振りなものが多いためガンナーからすればグラビモスの下位互換、ただの的という悲しみも背負っている。
一方で剣士は転がり回るウラガンキンを追い掛け回す必要がある為、少々面倒。
モンスターハンターworld
worldにもストーリー後半に登場。
行動パターンは相変わらずだが、転がり中に「ハジケクルミ」や「ハジケ結晶」を当てるとバランスを崩し、転倒するというギミックが追加された。
転がった通り道には背中の棘の跡が痕跡として残り、付着したタールもよく落ちている。
縄張り争いには積極的ではなく、なかなか見る事が出来ない。
体力を減らし追い詰めると、寝床にしているすり鉢状の地形で縦横無尽に転がり回る
こうなると手が付けられないので、何かしらの拘束手段を用意して挑むと良い。
宝纏ウラガンキン
モンスターハンタークロスで初登場した、ウラガンキンの二つ名持ち個体。
読みは『ほうてん』・・・ではなく『たからまとい』。
火山で作業を行う炭鉱夫達の間でまことしやかに囁かれていたなんとも煌びやかなウラガンキンで、見るだけで金運が上がる、なんて都市伝説もあるほど。狙っている
通常種を上回る顎スタンプを得意としており、連続スタンプの時点でも振動判定が発生し、大顎スタンプに限っては振動で範囲内のハンターを吹っ飛ばすほどに強力。
この顎は通常種と違って打撃武器のみで破壊可能。破壊した顎は地面に落ちて剥ぎ取ることができる他、顎を用いた攻撃を弱化させられる。
また、尻尾から振り撒かれる火薬岩の中には時折煌びやかな岩が紛れ込んでおり、ピッケルで採掘できる。しかし定期的に睡眠ガスが噴き出るし、通常の火薬岩同様爆発する。
他の二つ名持ちモンスター同様、狩猟には特殊許可が必要であるため説明文よろしく「火山で作業していたらバッタリ遭遇して痛い目に遭う」なんてことにはならない。
本作での現場主任の仕事は専らラージャンに任されている。
MHFGでも9.1のアップデートで遷悠種として登場した。
振り撒く火薬岩が大幅に増加した他、転がった場所から溶岩を噴出させる、転がった後にハンターめがけてジャンピングプレスを仕掛けてくるなど、ガンナーでも油断できない程の魔改造を施されている。
極めつけは、地面に半身埋まった状態で高速回転する攻撃。この攻撃中はハンターを吸引させる気流が一直線上に、その反対には巨大な岩が飛び、気流に吸い込まれたら最後、根性札や魂の再燃を貫通して即死する。
防具
ガンキンシリーズの防具はモンスターの見た目通り重装甲。金属的光沢もありどうもロボットっぽいデザインで、男の剣士防具は頭防具の形もあってマジンガー、ガンナー防具はサイサリスに似てると言われる。女ガンナーはステイメン。
MHP3のオトモ防具では、同社製作のロックマンDASHシリーズに登場する雑魚敵と埴輪を組み合わせたような見た目になる。
3Gで初登場したG級防具のX&Zでは装甲がスマート&シャープになり、さらにSF度が増した。もはや未来特殊部隊などのパワードスーツである。
MHXでは先述の二つ名持ち個体の素材を使って宝纏シリーズを作ることができる。
こちらの見た目は完全にガンダムである。
一式揃えた際のスキルはLv1だと「強運」「切り札」のみだが、Lv6まで強化することで「宝纏の魂(「お守りハンター」と「腹減り無効」の複合スキル)」が発動する。
やっぱり狙っている
ちなみに
背中の突起はローリングの際にスパイクの役割を果たしているのだが、長すぎても不便なので程好い長さに削っている、という説がある。
つまり、もし突起を削らずに放置したら・・・
と、思ったら後に本当にトゲを生やした近縁種が出てきてしまった…
生態動画
余談
MH3において、これまでの防具に加えて「護石」と呼ばれる新しいジャンルの防具が登場した。
護石を手に入れるには原料となるお守りを採掘する必要があるのだが、最も良質のお守りを入手出来る場所が上位・G級の火山であり、ひたすらお守りを掘る「炭鉱夫」プレイに集中したいプレイヤーにとっては、採掘ポイント周辺をうろついているウラガンキンがものすごく邪魔である。
しかも移動範囲が採掘ポイントの大部分と被っており、おまけにルートはランダムのため、採掘しようと思ったらウラガンキンが現れ邪魔してくる…という事が日常茶飯事であった。
あまりにも採掘を行おうとするハンターと行動範囲がかぶる事から、次第に「炭鉱夫の様子を見るために現れている」という説が囁かれるようになり、いつしか「現場主任」「現場監督」という愛称で呼ばれるようになった。
「採掘にハマってしまったハンターのなれの果て」「風呂に入る暇を惜しんでお守りを掘りに行ったハンターはウラガンキン亜種になる」という説などもあり
「ひたすらお守りを採掘せざるを得ない」というゲームシステムの関係でネタにされたモンスターである。
なお、こうした「現場監督」的な配置になっているモンスターの同僚や後任としては、イビルジョーやブラキディオス、ジンオウガ亜種といった強力なモンスターや、過去作から復任したグラビモスやショウグンギザミ、ピッケルをふるい続けたハンターの成れの果てともいわれる最強の現場監督ラージャンなどがいる。
また、「主任」と呼ばれる経緯は、クッキングパパの荒岩一味(同じく顎がでかい)から来ているという説もある。
『幻のウラガンキン』
ウラガンキンが登場するイベントクエストに「幻のウラガンキン」というクエストある。
このクエストに登場するウラガンキンは、確実に最小個体であり、その大きさはたったの418.1cmしかない。
ちなみに、このイベントクエスト限定でBGMは全く別のものが流れる。
MHP3では、イベントクエスト「小兵の狂乱」でもクルペッコ亜種がこのサイズのウラガンキンを呼び出してくる。坂から転がってくる時のスピードは爆笑モノ。
やはり見た目と当たり判定が矛盾している。捕獲する際は麻酔玉がなかなか当たらないので麻酔弾があるとよい。
MH3Gでは、G級のイベントクエストで「コロコロ・転がるモンスターズ」で普通サイズのラングロトラと共に登場。闘う場所は陸の闘技場。
G級序盤からウラガンキンを狩猟出来るため、いち早くG級ウラガンキンの素材が欲しい時や、レア素材「爆鎚竜の天殻」を手に入れるためにプレイされたりする。
顎の形状から「ガッツマン」「クッキングパパ」などと言われる事もある。
この他、その行動パターンから「現場監督」「現場主任」(詳しくは後述)とも。