「現れよ!! 全ての闇と混沌を統べる絶望の化身!!」
「絶望神アンチホープ!!」
概要
『遊戯王ZEXAL』の漫画版のラスボスであるe・ラーの切り札にして、「全ての闇と混沌を統べる絶望の化身」。
基本ステータスはトップタイの攻守5000。これは史上4体目であり、ドラゴン族以外では初となる。まさにラスボスの切り札に相応しい圧倒的なステータス。
これに加えて、相手の召喚を制限する効果によって主人公らを追い詰めた。
しかし、遊戯王OCGでOCG化(商品化)された際の謎の改変によって、「絶望してるのはアンチホープ自身」「カードの持ち主を絶望させる」「ウンチホープ」などと酷評されることとなる。
漫画での活躍
恐るべきステータスもさることながら、漫画版のアンチホープは「相手のエクシーズ召喚を封じる」という効果を持っており、敵も味方もエクシーズモンスターをエースないし切り札として採用しているデュエリストばかりである遊戯王ZEXALにおいては、正に絶望の化身としか形容できない。
しかし後に遊馬はこのモンスターが健在の状態で自身のエクシーズ召喚を無効化されない能力を持つ『SNo.0 ホープ・ゼアル』を召喚している。
少なくともOCGではエクシーズ召喚を封じられた状況ではホープ・ゼアルのエクシーズ召喚も不可能なはずなので、正確には「エクシーズ召喚を無効化し、そのモンスターを破壊する」効果だった可能性がある。
いずれにせよ劇中では深くは語られず、他に効果を持っていたのかも不明のまま倒されてしまった。
OCG版のカードテキスト
特殊召喚・効果モンスター
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの表側表示のレベル1モンスター4体を墓地へ送った場合のみ手札・墓地から特殊召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、他の自分のモンスターは攻撃できない。
(2):このカードが戦闘を行うバトルステップ中に1度、自分の墓地のレベル1モンスター1体を除外して発動できる。このカードはそのダメージステップ終了時まで、他のカードの効果を受けず、戦闘では破壊されない。
OCG版の性能
漫画版で絶望的な展開を演出した絶望神アンチホープ。それがOCG化が報じられた当時、エクシーズモンスターの需要と採用率は極めて高く、原作の効果をそのまま持ってこられればデュエル環境は大きな変革が訪れる可能性があった。
登場前にもVジャンプ本誌に「漫画の超絶効果を再現だ!」と紹介され(その時点では効果が伏せられた状態でOCG化されることだけ告知されていた)、多くのデュエリストが期待を寄せていた。しかしその一方で、原作では猛威を振るったカードがOCG化の際に盛大に弱体化された事例がこれまでにも数え切れないほどあったため、その点を不安に思うデュエリストも非常に多かった。
そしていよいよOCGに参戦した絶望神アンチホープは、
なんと漫画版の効果をほぼ完全に没収され、全くの別物と化していた。
エクシーズ召喚の制限などはどこにも記載されておらず、代わりに付加されたのは自軍に悪影響をもたらすデメリット効果と使用回数もタイミングも事実上の限界がある不十分な耐性、そして現環境下においてはかなり厳しい召喚条件。
この召喚条件ではモンスタートークンを直接使用しての補助ができない。百歩譲って召喚条件は仕方ないにしても、とてもではないが“漫画の超絶効果を再現”できているとは言えないものだったのである。効果はほぼOCGオリジナルに等しく、アンチホープ自身の効果というより、アンチホープの召喚に利用された4体の「アンチモンスター」の内の1体の効果の一部分に過ぎず、しかも原作の効果と比べてそれすらも若干ズレている。勿論その名前に反して『希望皇ホープ』に対してのメタカードになっているわけでもない。それどころか希望皇ホープ系のモンスターと相対した場合、戦闘ではともかく効果によって瞬殺される場合も多く、名前負けもいいところというオチまでついてくる始末。
これほどの惨状に多くのデュエリストが(別のベクトルで)絶望したのは言うまでもない。一番絶望したのはアンチホープ自身だったかもしれないが。
結果、一部ではウンチホープという蔑称で呼ばれるようになってしまった。元々効果判明前の時点で便座に座っているように見えるということで極一部から呼ばれていたあだ名だが、クソのような性能・実用性をしていたために広く定着してしまったのである。
これだけでも相当なネタ扱いを受けた絶望神アンチホープだが、彼(?)の悲劇はさらに続いた。No.98 絶望皇ホープレスの登場である。
ホープレスはステータスこそアンチホープには到底及ばないとはいえ、「希望皇ホープ」モンスター全てに対して絶対的に有利な効果を持っている。相手のコントロールする希望皇ホープを問答無用に奪い取って自分の力に変えてしまう、正真正銘、名実ともに「相手の希望を奪い、失わせる」モンスターなのだ。
コイツこそ「アンチホープ」の名を得るべきだった。(まぁ「ホープレス」でも十分すぎるくらいに様になっているが)
皮肉なことに、絶望神アンチホープこそ今一番希望を欲しているモンスターと言っても過言ではない。
あまりにも皮肉すぎたのか、ネタカードとしてみれば融合素材に使えないこともなく、インパクトの強い代物だからか、【ダーク・ガイア】寄りのファンデッキなどに、ごく稀に投入されたこともあった。
ちなみに安定しづらいとはいえ、レベル1モンスター4体は揃えるようと思えば揃えられる。なおトークンは使えない。大事なことなので2回言いました。
関連タグ
絶望神サガ:デュエル・マスターズにて登場した「絶望神」。こちらはそのえげつないコンボ性の高さから、全国のデュエリストを絶望のドン底に落としており、扱いは対極。
ラーの翼神竜:(純粋なカードゲームの話としては)原作でラスボスであった闇マリクの切り札だった神のカード(その後もデュエル自体はしてるので「最後の敵」ではないが)。圧倒的な効果によって主人公達を苦しめたが、Vジャンプ付録でのOCG化によって弱体化にも程がある改悪を受け、「ヲーの翼神竜」「ライフちゅっちゅギガント」等と罵倒され続けたという、アンチホープにとって色んな意味で先輩にあたる存在。こちらは後に派生カードが大量に作られたことでそれらを組み合わせれば原作の完全再現とはいかないがかなり戦えるデッキとなった。なお、ラーがOCG化されたのは2010年2月号で5年後に2つの形態がOCG化、その他派生カードは2020年5月で登場しており、まともに専用構築が作られる程度の力を得るまでに10年以上の月日がかかっている(それでも派生カード等が出ただけマシなのだが)。