概要
ひぐらしのなく頃にの北条鉄平は、救いようのないゴロツキとして悪名が高い。
そんな彼を180度正反対のまっとうな人間として描写したのがこのタグである。
またギャップ萌えネタの一環として、北条沙都子の為に献身的に働いて世話する真人間にするというものがある。
こちらはてっぺい☆とも呼ばれている。
関連タグ
ネタバレ
ひぐらしのなく頃に業において、この状態の鉄平が遂に登場した。
ほぼ全章においてこの状態だが、明確に登場したのは郷壊し編から。
梨花と同じ死を起点にループをする能力を手に入れた沙都子は「神経衰弱を一発で全て当てる」などといった簡単な理由でループを繰り返していた。その一方で、沙都子がループする度に、かつて圭一達が他の世界の記憶を覚えていた様な現象の発生が増え、その影響は沙都子と近しい者、その中でも特に親族が強く受ける事になり、叔父である鉄平もその対象となっていた。
アパートでの孤独死やヤクザによるリンチなどロクでもない末路を悪夢という形で見せられ続けた鉄平は長年の不摂生もあって心身ともに疲弊し、自分のこれまでの生き方を省みるようになっていった。そんな日々の中、パチンコ屋で見かけた仲睦まじい父親と娘の様子から何を思ったか、景品のドーナツを持って雛見沢へと足を運んだ。
この世界の鉄平は上記の状態からかつての様な威勢が影を潜めており、故郷のひぐらしの鳴き声も「今まで煩わしいと思っていたが、今は悪くない」と考えるまで精神が落ち着いていた。そこで道中、沙都子とバッタリ再会すると、不器用ながらも沙都子にドーナツを渡した。
沙都子との再会からは彼女のことを気にかけるようになり、不良に絡まれた彼女を助けるなど今までの彼なら考えられない行動をするようになる。これは今までの行いを悔い、これ以上は誰にも迷惑をかけずに死ぬつもりでいたが、「できるなら、最期を誰かに看取ってほしい」という些細な願いもあり、沙都子にたまにご飯を一緒に食べる程度の関係になりたいと願い出ている。
しかし過去の仕打ちが未だトラウマになっている彼女からは「都合がよすぎる」と、握手しようとするだけで反射的に逃げられるほど拒絶されており、当人も自覚しているからか、その様子を見て「すまんのう、今までのことが握手ひとつでチャラだなんて、ワシも調子に乗りすぎやんねな」と、たまに話をしてくれるだけでよいと去ってしまった。
改心とは少し違うものの、少しずつ己の過ちと向き合おうとする彼の姿に沙都子は動揺を隠せなかった。
これ以降彼女がどのカケラに行こうともこの状態の鉄平になっており、そのため彼自身が惨劇の要因になることは完全になくなったと思われる。
ひぐらしのなく頃に卒
未登場。
沙都子が自ら鉄平の家に来る。沙都子以外には相変わらず怖いが、沙都子にだけ優しい。沙都子のお願いを聞き、一緒に競馬場に行き、沙都子の予言通りの馬券を買い、大金を手に入れる。
お祝いのビールを飲みながら沙都子に今まで虐待をしてきたことを詫び、沙都子を叔父として一生守ることを誓った。
なお、その大金の一部は沙都子が惨劇を起こすときや自殺するときに使うための拳銃代として消費された。
綿明し編同様、沙都子が自ら自宅に来る。沙都子の村の全員からいじめられているという嘘を真に受けて、沙都子を匿う(一方の沙都子は祟殺し編の嘔吐や皆殺し編などの演技をして、鉄平に拉致され虐待されているフリをしていた)。
家に乗り込んできた圭一を不意討ちでバットで殴り襲撃するが、逆に怒涛のバットで返り討ちに遭い撲殺される…というのは実は嘘で、沙都子が自ら鉄平を射殺し遺体をバットで殴りまくった上で、続けて自宅に誘い込んだ圭一を背後からバットで殴打して瀕死に追い込んだ。
さらに駆けつけた大石に前述した嘘の証言を吹き込み、彼を凶行に走らせた(この際、沙都子は圭一が「俺がニーニーだ!」と口走って錯乱していたと伝えた)。
なお、この話ではガラが悪くない普通の麻雀仲間と遊んでいたり、鉄平が料理をしたり、大石さんと仲良くしたりと、すっかり改心した様子を見せた。
雛見沢を卒業した沙都子の前に登場、大量の肉や野菜などを買ってすき焼きパーティーに誘った。そこに詩音、次いで圭一、レナ、魅音が登場。沙都子を含めた部活メンバー全員をすき焼きパーティーに誘う様子が描かれた。 かつては沙都子と悟史を虐待していた事で詩音から殺意を抱かれるほどに憎まれていたが、こちらの世界では和解した様で彼女から『叔父様』と呼ばれ親しげに笑い合っていた(ただ、鉄平が沙都子と仲良くなりすぎたせいでちょっと嫉妬しているのか、少々黒い笑い方なのは気にしないでおこう…)。
余談
鉄平の改心が描かれる話の名前が「郷壊し編」であることから「沙都子 ワシ(鉄平の一人称)編」と散々ネタにされることになった
実は、アニメ版の前身とも言えるストーリーが、アンソロジーではあるが業と卒以前に存在する。
ひぐらしのなく頃にのアンソロジー『語咄し編』3巻に収録されている『郷恋し編』では、鉄平が改心して沙都子と仲良く暮らすIFの世界が描かれている。
愛人である間宮リナに騙されて逃げられた鉄平は、祟殺し編、皆殺し編同様に雛見沢村に戻って沙都子を奴隷としてこき使おうと考えていたが、村八分を受けている沙都子の様子を目の当たりにした事で心境に変化が生じたらしく、沙都子を心配した圭一や梨花が驚愕する程に優しく穏やかな性格へと激変してしまったのだ。
その後、沙都子を餌に金を譲ろうと現れたリナから沙都子を守った事で大怪我を負い、一部記憶喪失となってしまったが、梨花と入江の計らいで沙都子と正式に親子関係となり、更には身寄りのない梨花も養子として引き取ることになり、圭一やレナに魅音など、別の世界戦では自分を殺した相手とも良好な関係を築く事が出来たのであった。