曖昧さ回避
怪魚ぐず
現石川県加賀市動橋町にある動橋川に棲んでいた30尺以上(約10メートル)ほどもある巨大な怪魚で、口から火を吐いては田畑を荒らすので、村人たちは娘を生贄にすることで難を逃れていた。
そこはぐずも心得たもので、生贄として欲しい娘がいる家には、夜中になると自分の絵姿が描いてある紙を貼り付けたのだという。
ある年に庄屋の娘が生贄として指定されたため、庄屋は助けて欲しいと振橋神社に願を掛けた。
するとぐずが来る8月27日に、旅の僧が助太刀に来たと庄屋に訪れたので、村人たちは藁をもすがる思いで倒すための準備を手伝った。
僧はぐずが住むという古池の大穴に集めた薪や藁を積んで火を着けると、あっという間に炎は穴の中に広がり、ぐずは断末魔を上げて燃え尽きたのだという。
礼を言おうと庄屋や村人たちが周囲を見渡すと、不思議なことに僧は姿を消していた。
人々はあの僧は振橋神社で祀られている大己貴命様の化身であったと悟り、8月末に大きなぐずの作り物を3基担いで練り歩き、乱舞の後、最後には焼きはらう「ぐず焼祭り」が開催されるようになった。