これ描いて死ね
これかいてしね
ゲッサンで2021年12月号から連載されている漫画作品。
作者はとよ田みのる。
2024年10月時点で単行本既刊6巻。
公式には「作品を生み出す苦しみも歓びも、余さず描く漫画浪漫成長譚!!!」と紹介されている。
安海相は、東京都の島しょ・伊豆王島に住む高校1年生。
漫画を読むのが大好きな彼女はある日、何年も活動をしていなかった漫画家・☆野0がコミティアに参加するという情報を得る。
☆野の大ファンである相はコミティア会場へと旅立つが、そこには思わぬ出会いが待ち受けていた。
王島南高校漫画研究会
相たちが立ち上げた漫研。
「赤福」と「相」と「心」を合わせた「赤福想」(あかふく そう)というペンネームで漫画を発表する。
光は個別に漫画を描いている。
- 安海相(やすみ あい)
高校1年生の女子。
漫画が大好きで、特に☆野0のデビュー作「ロボ太とポコ太」がバイブル。
明るく見えるが実は人付き合いが苦手で、漫画に支えられているという面もある。
漫研では原作を担当し、それとは別に自身のオリジナル漫画も製作する。
- 赤福幸(あかふく さち)
相の友人。土産物屋の娘。
漫研に所属するが漫画作りには直接は携わらない。
漫画を読んで感想を出す・批評をするのが役割。
藤田和日郎のファン。
- 藤森心(ふじもり こころ)
相の同級生。老舗旅館の娘。
引っ込み思案な性格で、友達が少ない。
美術部との兼部で、漫研では高い画力で作画を担当する。
諸星大二郎のファン。
- 石龍光(せきりゅう ひかる)
コミティアでも大人気の同人作家。ペンネームは「ストーンドラゴン」。
物語途中で東京本土から転校してきて、漫研に加入する。
- 手島零(てしま れい)
相たちの学校の国語教師。
実は相が憧れる漫画家「☆野0」その人である。
漫研の顧問となり、厳しく指導する。
前日譚『ロストワールド』の主人公で、新人漫画家時代が描かれる。
王島の人々
- 寺村七(てらむら なな)
漫画専門の貸本屋「寺村貸本店」の店主。
相は常連であり、置いてある漫画は全部読んでしまったらしい。
零とは旧知の仲。
喫煙者。
- 藤森真(ふじもり まこと)
心の姉。美術部の部員。
幼い頃から病気がちで、最近も大きな病気から復学したばかり。
無表情で突き放すような喋り方だが、内心ではかなりのシスコンで、モノローグはおじさん構文。
- 田辺蘭(たなべ らん)
美術教師。美術部の顧問でもある。
職員室では零の隣の机。
全体的におおざっぱな人間で、寝癖や白衣の汚れが目立ち、机の上もちらかっている。
- へびちか
ペンネーム。漫画家で、光の母親。
代表作「スイートへびいちご」は数百万部を売り上げた大人気作品である。
SF作家シオドア・スタージュンの「この世の90%はカスである」という言葉を好み、10%であり続けるべく牙を磨く。
手島零を主人公とし、彼女の新人漫画家時代が描かれる。
元々は本編連載開始前、週刊ビッグコミックスピリッツ2020年第51号に掲載された読み切り作品で、発表当時は『デビュー』というタイトルだった。
単行本第1巻の巻末に収録される際に『ロストワールド』に改題された。
2回目以降は本編に組み込まれ、単行本各巻の巻末に合わせるタイミングで連載されている。
『ロストワールド』の登場キャラクター
- 手島零(てしま れい)
新人漫画家。
暑苦しいまでの情熱の持ち主。
妄想好きで、気に入らないことがあると妄想の中でビルを爆破したり人を殺したりする。
人生のバイブルは「スイートへびいちご」。
- 金剛寺華(こんごうじ はな)
スピリッツの編集者。零の担当になる。
- へびちか
大人気漫画「スイートへびいちご」の作者。
第一部を終え、第二部も完結に向かっている。
わがままで人の気持ちがわからないが、漫画は最高。
- 寺村七(てらむら なな)
へびちかの職場にヘルプで入ったアシスタント。後にレギュラーになる。
器用に淡々と仕事をこなすが、いまいち情熱に欠ける『いい人』どまりであり、漫画家としてはなかなか芽が出ない。
王島出身で、高校卒業から本土に出てきた。
- 夏草春枝(なつくさ はるえ)
- 保手山保手子(ぽてやま ぽてこ)
へびちかの職場のアシスタントたち。
- 円馬美夜(えんま みや)
ゲッサンの編集者。
いつもムスッとしているが、別に不機嫌なわけではないようだ。
これら意外にも「ドラえもん」「うしおととら」などの漫画が実名で登場する。
- ロボ太とポコ太
☆野0のデビュー作。
理論のロボット「ロボ太」と感情のロボット「ポコ太」が力を合わせて人間を学ぶ学園コメディー。
単行本全1巻の打ち切り漫画だが、一部の人間からカルト的な人気があり、古本相場は1万円を超える。
- ネコ太とニャン太
安海相が初めて描いた漫画。
ネコ太と仲間のニャン太が邪王を倒し世界に平和を取り戻そうとするファンタジー漫画。
構成、絵、台詞など、どれを取っても「いいところを探す方が難しい」というシロモノだが、手島零からは「純粋に漫画を愛しているのがわかる」、石龍光からは「自由で面白い、漫画に人が感じられる」と評価を受けている。
また、藤森心はこの漫画が大のお気に入りで、単行本第2巻のカバー裏で絶賛している。
- 猫とネコと猫の物語
赤福想として初めて頒布した同人誌。
4P漫画を3作セットにした計12Pの作品。
- ダークフワ
赤福想がSNSで発信した漫画。
安海相の家の猫「フワ」をモデルにした作品。
天使の翼が生えた黒猫ダークフワが「勘違いするなよ」と言いつつ様々な人助けをする4コマコメディー。
- ある絵描きの女の子
赤福想が学校の文化祭で出した作品。
文化祭の準備期間中は藤森心が多忙だったので、全編作画することが難しく、それを打開するための工夫が凝らされている。
- 星の歌
赤福想の同人誌。
不思議な隕石が落ちてきた結果、あらゆる「音」が「形」として実体化する、という設定のSF漫画。
二回目に参加したコミティアで頒布した。
- 水無月の猫
石龍光の漫画。
森で暮らす巨大な猫の「ママ」と、彼女に森で拾われた女の子のお話。
SNSで発信し、コミティアでも頒布される。
- スイートへびいちご
へびちかの漫画。通称「スイへび」。
ゴーゴンの末裔が学園で恋するラブコメ作品。
シリーズ累計数百万部の大人気漫画で、連載終了後も反響があり、姉を主人公に変えた第二部も大盛り上がり。
手島零はこれを読んで漫画にハマり、漫画家を目指すようになった。
- ハッピーハッピーダンジョン
コロコロで連載されていた漫画。カードゲームをコミカライズしたファンタジー冒険物語。
無印は完結し、現在は続編を連載中。