概要
吉本新喜劇に在籍していたすっちーが、次期座長・副座長クラスに昇格した頃に生み出したキャラクター。新喜劇でも指折りの人気キャラであり、関連グッズも多く販売されている。
子供たちからも愛されているが、「すっちーがすち子に扮している」ということを知らない子も多いらしく、すち子のファンという子供を、化粧を落としたすっちーが出迎えたところ、相手にされなかった、というエピソードがある。
容姿
小柄な中年女性で、おかっぱ頭と眼鏡、頬の吹き出物が特徴。巨乳の持ち主で(設定ではGカップ)、私服で登場する際は赤いカーディガンを羽織っていることが多い。
性格
強欲で自己中心的。強いものには媚びへつらい、弱い者には厳しく当たる。毒舌家であり、気に入らない相手を茶化したり揚げ足を取ったりするのが好き。頑固でプライドが高く、相手の発言に容易に耳を貸そうとしないが、金銭や物、地位などにつられてあっさり意見を翻すこともしょっちゅうである。
作中ではトラブルメーカーとして縦横無尽に暴れまわり、事態を混乱させてしまう。そのため、最終的には周囲に愛想を尽かされ、自業自得な結末になることも多い。
反面、地域やグループの顔役として登場することもあり、その際には持ち前の行動力をフルに生かして周囲をまとめ上げ、トラブルや問題に立ち向かうカリスマ性を発揮することもある。
持ちネタ
飴撒き
すっちーが漫才コンビ・ビッキーズとして活躍していた時代にも行っていた、観客席に飴を撒くパフォーマンス。舞台に登場すると同時に「日課」と称して大量の飴を投げる。新喜劇本編とは何の関係ないメタフィクション的な行動のため、周囲に「何をしているんだ」と尋ねられるが、「猫に餌をやっている」「カラスが集まってくる」などとはぐらかす。
近年ではこのネタにちなみ、劇場の売店でも「すち子のねぶり飴」なる商品が販売されるようになった。
乳首ドリル
不良・チンピラとして狼藉を働く輩の全身を薪雑把(まきざっぱ:木の棒の様なもの)でド突き回す芸。単純に叩く場所を変えるだけでなく、フェイントを入れたりドリルのように擦ったりと様々な変化を加える。
また、叩かれる側も大声で悲鳴や罵声を上げながら、ノリ突っ込みや合いの手を入れたりするなど、両者の阿吽の呼吸が重要となるネタである。
いわゆる「お約束」と呼ばれる新喜劇のギャグの中でも飛びぬけて人気が高く、すち子が薪雑把を取り出した時点で、客席からは拍手と歓声が上がる。その後、宮迫博之や宮川大輔らが注目し、全国区のネタ番組でも広く披露されることとなった。
極めつけに2016年末には、絶対に笑ってはいけない科学博士24時にも登場。相棒である吉田裕に加え、イタリア人タレント・パンツェッタ・ジローラモ、さらに大御所俳優・西岡徳馬を相手に容赦ないド突きを披露、視聴者に衝撃を与えた。
一方、すっちーの家族、一部の観客や大御所新喜劇座員の方には不評らしく、「みんなが笑ってると思うな」「ただただ不快」と酷評されたこともあるという。
歌ネタ
すっちーが遅刻によって謹慎処分を受けていた最中、座員の松浦真也とともに結成した歌ネタコンビ「すち子&真也」を新喜劇に逆輸入したもの。様々な状況に対応したギターの弾き語りを始める松浦にすち子が合いの手を入れるが、肝心な所で音を外したり、場違いな曲や効果音を弾くなどして、笑いを取る。そのため、必然的にすち子はツッコミ役となる。
劇中で関係が深い人物
清水けんじ
恐らく、最も共演が多い人物。役柄としてはすち子の上司やお目付け係が多いが、彼女の非常識な言動に散々に振り回される苦労人として描かれる。目立たない顔立ちのため、「シケたツラ」「シケメン(イケメンのもじり)」などと暴言を吐かれる。
すっちーとは新座長の席を競い合ったライバルかつ盟友であり、二人で新喜劇を盛り上げるためのイベントを企画することも多い。最終的に機会を逃したものの、すっちーが「次は清水さんが座長になる番」と応援・協力を表明し、精力的に活動を続けている。
中川貴志
清水同様に相方とも呼べる存在。すち子の友人や同僚役が多く、彼女とともにボケや悪ふざけを繰り返して話をややこしくする。特に中川扮する爺キャラ「なかじぃ」は、すち子や清水と呼吸を合わせての定番ギャグを数多く持つ。
プライベートにおいてもすっちーと仲が良く、両者ともに家族を持ちながら、劇場の近くに部屋を借りて二人でルームシェアをしている程。漫才師から新喜劇入りした経歴を持つなどの共通点もあり、すっちーの座長襲名式典では感極まって号泣する姿を目撃されている。さらに、チュートリアルの徳井義実を加え、「エロ三羽烏」というユニットを結成し、自身の性癖やこだわりについて熱くトークするライブを行っている。
松浦真也
「すち子&真也」のギター演奏&ボケ役。すち子とのコンビ以外の別の座長の元で出演した際にも、同様のネタを披露している。ちなみに実際のギターの腕前は、同じくギターを趣味とするフットボールアワーの後藤輝基が「吉本一」と絶賛している。
吉田裕
新喜劇の中堅所として活躍。前述の乳首ドリルの主な「被害者」であり、本来は対立する役柄でありながら息の合ったパフォーマンスを見せる。一説にはこの芸のおかげでテレビなどの出演が増え、月収が「百万円を超えた」とも言われている。