概要
『でろでろ』は、押切蓮介による漫画。2003年から2009年にかけて『週刊ヤングマガジン』(講談社)に連載された。
内容
霊感体質の悪ガキ中学生日野耳雄が、人を脅かす幽霊や妖怪をぶん殴り、蹴飛ばし、逆に泣かせて撃退するホラーギャグ漫画。基本的にシュールでコメディな話が一話完結で展開される。舞台は現代日本だが、なぜか妖怪が当たり前のように存在し、人々もそれを受け入れている。
登場する妖怪は全て作者のオリジナルであり、一話につき一人の妖怪や幽霊が紹介文付きで登場する。基本的に卑小でセコイ妖怪ばかりであり、人が死ぬ描写は皆無である。
主要人物
日野耳雄(ひの みみお)
主人公。霊感体質の15歳で中学三年生。
妹との二人暮らしで重度のシスコン。ほとんどの幽霊や妖怪、怪異に対して肉体的暴力抗い、それがなぜか通用する。
頭が悪く暴力的なことから周囲からは不良と見られているが、情に厚くオカルトに強いことから頼りにされることも多い。
日野留渦(ひの るか)
耳雄の妹。クールで無表情な中学1年生。ただし女子校通いで耳雄とは学校が別である。オカルト耐性が異常に高い。
11歳の頃、両親と共にパリへ行くはずだったが、霊感体質が原因で日本に残る耳雄を心配し、一緒に暮らす道を選ぶ。
あまりにも暴力的で愛情過多な耳雄を煙たがることが多いが、基本的に優しく兄想いである。
サイトーさん
日野家のペットの犬。霊にイジメられていたところを耳雄が拾って名付けた。
いつも悲痛な表情を悲鳴を上げてばかりいる薄幸な犬。人間の言葉が理解できる賢い忠犬で、鳴き声の横にはサイトーさんの考えている言葉が括弧付きで書かれている。お化けが苦手でよく霊にいじられている。
日野兄妹とは仲が良く、よく一緒に散歩する。
委員長 / 平川和彦(ひらかわ かずひこ)
耳雄のクラスメート(3-B)で友人。凛々しい眼鏡がチャームポイント。
成績優秀で人望が厚い。冷静で分析力があるため、よく耳雄のブレーンとして活躍する。
本名の「平川和彦」で呼ばれることは皆無そのもの。よく心霊現象に巻き込まれる。
相原岬(あいはら みさき)
耳雄のクラスに転入してきた、霊を引き寄せやすい薄幸の少女。三つ編み。
オカルト耐性が無いため、よく自分を助けてくれる耳雄を慕っているが、本人には全く伝わっていない。
相原水面(あいはら みなも)
岬の姉で社会人。妹とは真反対で、奔放で物怖じしない性格。
かなりの酒豪であり、職場でのストレスを晴らすために浴びるほど酒を飲んでいる。
センパイ
耳雄の先輩で18歳。本名は「久我山隆志(くがやまたかし)」。
ワル仲間からは一目置かれる存在らしいが、耳雄のせいで霊の被害にあうこともしばしば。当初は走り屋だったが霊被害にあい峠を引退、様々な職につくも長続きせず現在はニートである。
須藤みちこ(すどうみちこ)
留渦の友人で心霊マニア。よく怪しげな霊の店やサービスを受けてはトラブルに巻き込まれている。性格はきつめ。
カントク
ガチャピンのような容姿をした妖怪だが耳雄の友人である。映画館「シネマ淵ヶ関」の館長兼映画監督であり、主にドキュメンタリーを製作している。
シネマ淵ヶ関のスタッフは皆妖怪。普段は内気でおどおどしているが、映画館の中では人が変わり、自分の映画を敬わない人間たちを平気でドブ川に流したりしている。
メダカちゃん
作中作で、80年代に人気を誇った二次元アイドル。猫耳の女の子。
メダカちゃんファンの手によって耳雄が一時的にこの姿に変えられてしまった。