なつみSTEP!
なつみすてっぷ
「こしあん堂」のたけはらみのる(当時はNNSJ名義)が制作した作品。2003年7月20日に開催されたFLASH★BOMB上映作品である。
色々語るより、まずは本編を見たほうがいいのでここに載せる。
テンポとリズムのいいBGM(元ネタは「線路は続くよどこまでも(I've Been Working on the Railroad)」)。たけはら氏のかわいい絵柄で展開される牧歌的なほのぼのストーリー。
誰もが初見ではこう思うだろう。しかし、シーンごとに散りばめられた要素を探すにつれ、
恐ろしい作品だということが分かってくる。
興味があれば本編を見た後に本記事末尾の「恐ろしい要素」の項を閲覧することをオススメする。
たけはら氏は「電波2ちゃんねる」でのインタビュー企画(Internet archive)で
「普通に失恋から立ち直るストーリーを『なんかつまんねー』と途中でストーリーを変えた」
と語っている。
確かに冒頭の喧嘩シーンやペンダントを投げ捨てるなど、所々に面影は残っていると言えよう。
またモナーの乗っていた乗り物が電車であったことについても「線路は続くよどこまでも」からイメージを作ったと語っている。
2004年に制作された『キミマテ』では主人公(プレイヤー)とトラが地獄に迷い込んだ場面で本作ラストシーンの背景が使用されている。
BGMに使用されている「線路は続くよどこまでも」は「taitai studio」で配布されているフリー素材曲だった。
当時のこしあん堂作品には同サイトのフリー素材曲が多く使用されていた。
サイトは閉鎖されたがYouTubeチャンネルに一部の楽曲がリメイクされて投稿されており、案の定この曲の再生数が飛びぬけて多い。
※もう一度上記動画と照らし合わせてご覧ください
※本編の再生時間順に並べています
※あくまで視聴者側の予測であり、これが公式というわけではない
- 最初の看板に「死」を崩したように見えるものが描かれている
- 一瞬だけ映るなつみと彼氏らしき人物との喧嘩
- 彼氏(?)に背を向けるなつみ。よく見ると彼氏(?)の影が揺れている
- 彼氏が去っていく、あるいは体がぶら下がって揺れている?
- 運転士のモナーの乗る魚型の電車
- 三途の川を暗示している、あるいは人身事故の遺体を指す隠語「マグロ」の暗喩?
- 出発駅の看板は「EARTH(地球)」と読める。そして背後の地球
- 画面内では「EAR」で4文字目は見切れているが、縦線しか確認できず「T」に見えないとの意見もある。
- 駅ホームに流れ星のモニュメント
- 流れ星は人の死の暗示とされる。
- タイトルバックの虹の橋
- 虹は現世と死の国をつなぐ。
- 子供たちの後ろにある「F」の文字の像
- 「Fly」あるいは「Fall」を現していると言われているが諸説あり。
- 子供の振る旗が白黒
- 弔事を表している、あるいは賽の河原の暗喩?
- 安堂なつみ 7/20/23:36「着」
- 「着」という表現からこちら側へきているという暗示?
- ちなみに7月20日は「Flash☆Bomb」が開催された日である。
- ギコとしぃを微妙な表情で見つめるなつみ
- 彼氏と仲が良かった時代を思い出している?
- ギコとしぃの頭上のハート型の屋根が割れているように見える
- 二人が別れる暗示、あるいはなつみの失恋の暗示?
- ギコとしぃの背後からおにぎり、ぞぬ、ジサクジエンが現れ、ギコがベンチから転げ落ちる
- なぜか仲がいい1さんと八頭身
- 1さんにとって八頭身モナーは天敵のような存在。普通とは異なる世界?
- 夜の駅で一人佇むなつみ。そして迫ってくる電車。よく見ると時計の時刻が23時36分
- 最初の回想シーンでは制服を着ているがここではワンピースを着ている。
- シーンが変わって飛び散る花びら
- 血の暗示で轢かれた瞬間を表している?
- モナーによって吹っ飛ばされた1さんと八頭身が流れ星のように飛んでいく
- 怒っているモナーの背景に(死神の)鎌
- 看板の文字。上段が「TEN59」。下段が「Gi59」
- なつみたちが向かう方向は「Gi59」。
- 次第に荒れ果てていく景色
- 鎌をモチーフにした門。そして門の向こうの禍々しい風景。空に浮かぶ黒い太陽
- 門の上には「考える人」のような像もある。
…本当は恐ろしいほのぼのFLASHと言わざるを得ない。
これが「検索してはいけない言葉」になるのも頷ける。
おまけFLASH
前述のインタビュー企画で制作された作品。同じ企画で512kb、wosa、ポエ山の3氏もFLASHを制作している。
サイト内での表記から「おまけ2」とも呼ばれるが、「おまけ1」は本編の一時停止・コマ送り機能についての説明である。
「萌え」をテーマに「泣いて口がぷるぷるしている」というお題で制作されたものだが、swfファイルを直再生すると恐ろしい仕掛けが隠されていた。
なんとバールのようなものを構えた全身画になる上に、脚は透けている。
なつみが両目を閉じたところで再生が終了し「END」の文字が出るが、ここにもうひとつの仕掛けがある。
右クリックして表示されるメニューからさらに再生するとまた別のアニメーションが流れる。
その内容は・・・
泣き顔のなつみの表情が一変、瞳が赤く染まり、鋭い形相でバールのようなものを振りかざす。
FlashPlayerがサービス終了した今となっては閲覧するのに手間がかかるが調べてみるのも一興である。