概要
「ふじ」とは、1962年に品種登録されたリンゴの品種で、ともにアメリカ原産の「レッドデリシャス」と「国光」の2種類のリンゴを交配したものである。
ふじの平均的な大きさは野球ボール程度の大きさである。糖度は 14 - 16 % である。また、賞味期限が長く、室温で4ヶ月、冷蔵で7ヶ月程度である
歴史
青森県藤崎町にあった園芸試験場(現農研機構)東北支場(現在は東北農業研究センターとして岩手県盛岡市に移転)で育成されたリンゴ品種。「ふじ」の名は藤崎町にちなむ。収穫時期は晩生(11月)、中玉から大玉で、紅色で縞状に色づく。果肉は黄白色でやや粗いが、甘みに適度な酸味があり、蜜が入りやすい。
食味がよく日持ちがすることから、戦後の日本では圧倒的な人気を呼び、それまで定番だった「国光」や「紅玉」にとってかわった。(「ふじ」の子孫を含む)多くの後発品種が現れている現在でも、日本のリンゴ品種のシェアの過半数を「ふじ」が占めている。
世界的にも最も生産量の多いリンゴ品種で、海外でも日本同様「Fuji」、「富士苹果」の名で親しまれている。欧米でも人気があるが、特に中国での生産量は日本以上に多く、中国産リンゴの圧倒的多数をふじが占めている。