まるで概要だな
ライトノベル『異世界はスマートフォンとともに。』のアニメ版第3話「将棋盤、そして地下遺跡。」で主人公・望月冬夜が発言した、Web版原作に存在しないアニメオリジナルのセリフ。
セリフが使われた状況
地下遺跡を冒険していた一行。
その奥底で機能停止していた「水晶の魔物」が、宙に明かりを作り出す魔法「ライト」の魔力を吸収して動き出してしまう。
炎の矢を連続で打ち出す魔法「ファイアアロー」で応戦するが、平然と受け止められ、炎の矢が次々と吸い込まれるように消えていく。
魔法が吸収されたことを確認して物理攻撃で応戦するが、かすり傷を与えるのが精一杯だった。
そこで摩擦係数を0にする魔法「スリップ」を魔物を直接対象にせず足元に向けて放った結果、魔物は足を取られて転んだ。
魔法を直接かけるのではなく、間接的になら効果があることを確認。
氷塊を精製する魔法「アイスロック」を魔物の頭上に放って押しつぶし、身体能力を高める無属性魔法「ブースト」で強化した物理攻撃でダメージを与えた。
しかし、魔物は即座に自己再生してしまう。
冬夜「魔法を吸収し異常に硬い強度。何か弱点はないのか…?」
エルゼ「再生するんじゃどうしようもないわ……!」
冬夜「僕達の魔力を奪って再生か……フッ……まるで将棋だな……そうか……『王』を取れば!」
水晶の魔物の内部に透けて見える「赤い水晶」を対象に転移魔法「アポーツ」を発動。
核を抜かれた魔物は、再び機能を停止した。
放送後の反響
一見すると「魔法が効かない敵を魔法で倒す」という意味不明な状況、原作では結びつきのなかった前半パートの将棋のくだりを強引にこじつけたような不自然なセリフ回し等から、作品そのものを象徴するセリフとして広められ、公式スペシャルライブイベントにも「まるでライブだな」という副題が用いられていた。
魔法が効くのか効かないのか
「水晶の魔物」が吸収できるのは魔力であって魔法そのものではない。
「間接的な魔法」の定義が曖昧でわかりにくいが、少なくとも「アイスロック」で精製した氷塊は魔力の関与しない物体扱いである。
内部の「核」に吸収能力はないため「アポーツ」の対象にされて抜き取られてしまった。
つまり桂馬のように囲いを飛び越えた攻撃をしたのである。まるで将棋だな。
関連項目
ヴィンランド・サガ:アシェラッドのセリフに「戦は将棋とは違うんだよ坊主」というものがあり、原作では「将棋」に「ネフアタル」というルビが振られていたがアニメでは「しょうぎとはちがうんだよ」と発言したため返しのセリフとして使われるようになった。