アイアンフォスル
てつのかせき
シーラカンスをモチーフとしたキングフォスルを筆頭とするベルサー軍のフォスル型戦艦の一種で、メカニックデザイナーの海老川兼武氏がデザインを手掛けた。本作のパッケージを何度も飾る看板娘ならぬ看板魚である。
滑らかさのあるスマートなフォルムから人気も高く、『フィギュアヘッズ』や『ロードオブヴァーミリオン』などの他のゲームに出張する際はグレートシングかこいつかレベルで『ダライアスバースト』の代名詞として活躍している。
本作最易のAルートで登場する巨大戦艦。鱗状のチョバムアーマーによって最前線で弾の雨に晒されても容易には墜ちない耐久性を誇る。口からは5wayの破壊不可能弾を連続発射し、反転行動時に鱗の装甲を剥離させる範囲攻撃、腹部からは弱追尾型の大型ミサイルを発射するなどフォスルシリーズらしい攻撃を加えてくる。更に尻尾にはシルバーホークにも搭載されているバースト機関という巨大ビーム発射装置が搭載されており、コレによって背部の敵を焼き尽くす事ができる。
…と、ここまで書けばすごく強そうなボスに見えるが、何せ出現するのが一番簡単なゾーンAであり、強いワケが無いのでご安心を。口からの5Way弾攻撃こそ初見殺しな点があるが、焦らず動けばまず当たらないし、鱗をバラ撒く攻撃はどの武器の状態でも破壊可能、設置バーストを使って遮ってしまえばそもそも自機まで鱗が届かない。
尻尾からのバーストビームも直撃すればシルバーホークが一瞬で屠られるが、本作は「バーストカウンター」というやり返しができる。タイミングこそ要練習だが、成功すれば相手側のバーストの力を完全に奪って倍返しができ、一瞬でこの戦艦が墜ちる(普通に撃ち続けていればバーストを撃つまでに満身創痍になっているが)。破壊可能部位は鱗、背鰭、しり鰭。鱗や鰭が全て禿げると中々にみすぼらしい姿になる。
キングフォスル
顔や鰭などの細部の形状がこれまでのシリーズに登場したキングフォスルに寄せたデザインとなっており、アイアンフォスルのベース機と考えられている。長きにわたる改良の結果、初期のタイプに見られた死角の多さ、武装の少なさは改善されている。口から吐き出すモノが時限爆発型の機雷に変更され、こちらの動きが大幅に制限される。鱗と共に飛ばしてくる場合もあり、ヘタな接近を許さない。また、鱗の耐久度もそれなりにあり、設置バーストでせき止めることもできないため、アイアンフォスルと比べると中々に強い。
余談
本来であればフォスル型戦艦といえばこいつであり、シリーズの観点から見ればアイアンフォスルではなくキングフォスルが看板を背負うものだが、本作でこうした逆転現象が起きているのはベルサーという勢力が1枚岩ではないからである。
ベルサーはベルサーという一つの勢力ではなく、複数の「グループ」という勢力に分かれて、それぞれがそれぞれの星系を侵略・支配している。そのため、ダライアスの人類の星系に攻め込んでくるベルサーは同じベルサーであっても別のグループであり、技術力や規模、戦術等が全然違う(メタ的には『作品によってゲームの難易度が時系列毎に強くなっていない理由』でもある)。そもそもこのキングフォスルも「これまで戦った同型艦と同じ系統であるかは不明」と分析されており、これまでのシリーズに出てきたキングフォスルとは同じ名前でも全くの別物という事である。
本作のA-D-Hルート(一番上のゾーンを選択し続ける一番簡単なルート)では「ステージ→ボス→リザルト」の一連の流れで楽曲が地続きになるという特殊な演出がなされている。このルートを楽曲名になぞらえて「光導ルート」と呼ばれているが、Aのボスはこのアイアンフォスル。つまり光導ルートの一番手であり、専用の楽曲が用意されている。そのタイトルが「鉄の化石」。海の底を漂っているような重く静かな曲が急に太鼓の音と共に流れが変わり、激しい戦闘曲に移行する演出は初心者プレイヤーにSELFを思わせる興奮を与える。
光導ルートの組曲は他にも家庭版『ダライアスバーストクロニクルセイバーズ』専用モード「CSモード」の超高難関ステージ「Suriaha」でも使われている。ただし、一番手はファントムキャッスルであり、残念ながらフォスルですらないが…
シューティングゲームのキャラクターとしては珍しく、アクションフィギュアのfigmaとして2017年9月に発売されている。そのサイズはfigmaとしては規格外の大きさの33cmで、同スケールのレジェンドシルバーホークバーストが付属。6つのパーツに分けられた本体は節々に可動軸が設けられ、ゲーム中のようにうねる動作を再現可能。更に口や腹鰭が可動するほか、鱗の一つ一つも全て可動するように造られている。価格は22800円といささか高めではあるものの、圧倒的なスケールを誇る鉄の化石を家に飾るのも乙かも知れない。前述したナイトフォスルも後に仕様変更品として同年9月に発売されている。